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 書類仕事をなんとか片付けた頃には、日はすっかり暮れていた。

 机の上を片付けることもせず、書き終えた書類をゴウの机に置いて、帰路につく。

 遅くなってしまった。スグはお腹をすかせて待っているだろうと思うと、以前と早足になった。

 だが、そんな彼を、ちょうど通りかかったゴウが呼び止めた。

「ちょっと待て」

「なんですか師匠。俺急いでるんです」

「いや、スグの試験のことなんだが」

 と、ゴウの口からスグの名前が出たところで、俺は立ち止まった。

「何かあったんですか?」

「それが、スグが試験を辞退したそうなんだ」

「……なに?」

 俺は驚きすぎて目眩を覚えた。

「辞退? なんで?」

「いやわからん。だが、試験を受ける前に監督官に申し出て、試験をそもそも受けてないらしい」

 意味がわらからない。名前さえ書けば合格するのに試験を辞退するなんて。一体何が起きたんだ。

 ふと頭をよぎったの――もしかして烏崎にでも脅されたか? じゃなきゃ試験を辞退するはずがない。

「今スグはどこに?」

「それは知らないが、多分武衛府にはいないぞ」

 俺は何も言わず、走り出した。寄り道をするような場所はないはずなので、多分自宅に戻っているはずだ。


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