2話
私は歩き始めが遅かった。
ここでの歩き始めはスタートダッシュ(歩きなのにダッシュとは)とかの意味ではなく幼児が一番最初に歩き始める年齢に達しているのに中々歩けなかったのである。
それこそ喋る方が先で両親はとても心配していた。この子は歩かないのではなく歩けないのでは?そんな感じの会話とともに歩く練習をさせられるが転ぶ転ぶ、むしろ転がりながら移動した方が速いのではないか?そんな事を思いながら自分でもなぜ歩けないかがわからない。両親は自分を手押し車にのせ散歩に出かけようと言ってくれた。前から心を読まれていた気がする自分の心を察してくれた?母親は自分を外へと連れだしてくれるらしいが、自分は歩けないから捨てられるのではないかととても不安になった。
外に出て歩き始めた。外に出て直接見ることはあまりなかったが、母親が抱っこしてくれている時に時々見えていた村と言う表現で間違えは無いらしい。周りは畑や家屋があり牛が居たり犬っぽいのが走り回っていたり外に出ても変わらないらしい犬は私を見て近寄って来てなめ回すし、両親はそれを止めず笑っているし、すこし止めて欲しかったが犬っぽいのは可愛いので良かった。
そんな犬に遭遇している中、一向に人とすれ違わない。20分は経っただろうか、そろそろ周りに畑が消え始め、木がポツポツ出始めた、森だろうか、小さい私にはわからない。
そんな森っぽい所に一軒の家が出てきた。なぜ森に家があるのだろうか...まさか魔女と言うやつでは、自分は売られ人体実験の末に魔女に食べられ死ぬのではと...いろいろ考えてるうちに泣き出しそうになってしまった。いい大人なのに...といっても一応赤子である。
そんな中、母は重い口を開いてくれた。
「ここが、ばあばの家よ...正直、来たくなかったけどしょうがないわ。パパあれだしてちょうだい」
「いまから出すのか...というか一応お前の母さんなんだからそこまで嫌がらなくても...」
「嫌なものは嫌なのよ、あの私に対しての上から目線といい、勝負を挑もうものなら子供でもぺしゃんこにするあの精神、屑ね屑」
そこまで嫌なのか...この来るまでに私が、犬に舐められてた時以外口を開いてなかったのが、分かった気がする。それにしてもどちらの両親の母親なのだろうか。話している感じでは母方の母の気がするが、とそんなことを考えていたらどうやら中に入るらしい。
「お義母さん!いますかー!!生きてますかー!!!」
父親は大きい声でばあばとやらを呼ぶとギィっと立て付けが悪そうな音とともに扉が開いた。
「なんだい。モーガンか相変わらず、いい声してるねぇ。バカ娘は一緒かい?おや小さくて見えなかったよ。」
むきーとか母親がいいながら、モーガンと呼ばれた父親は手に持っていたものを渡しながら母親を宥めている。
「今日こそ決着付けてやるわ!この屑!」
「まぁまぁ今日は用事があってきたんだろう?落ち着きなよ」
「ふーん、バカ娘が用事ねぇ、まぁその子のことだろう?なんだい、モーガン聞かせなさい。バカ娘じゃ話にならないからね。」
一層母親が顔を真っ赤にしながら怒っているが二人はそれが当然のように放っておいて、話を進めている。母親は私を抱っこしながら愚痴を言っている。
「あぁ可愛いのはリーだけよ、モーガンさんも無視するんだから!ああぁ愛しのリー...」
相当である。
「とりあえず話は分かったから入りなさいな」
「まーちゃん入るよ!いい加減怒ってないでおいで!」
私がまーちゃん?というと母親は私の名前よと言いながら家族3人は森の奥の屋敷に入っていった。
そして誰も帰ってこなかった...(帰ってきます)
ばあば登場、父親の名前がモーガンであることが判明。家ではママパパ呼びだからわからないってはっきりわかるんだね!(矛盾)
たぶんプロレスするときは名前呼びなんだろうね!いちゃつきやがって!