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私に降り注ぐ光  作者: ひろうえ
1/1

過保護な片割れ

「ーーーーーーー。」


登校するといつものように冷たい視線とはっきりとは聞こえないが悪意のこもった言葉が耳をかすめる。

まったく、毎日毎日よくもまあ同じようなことを繰り返せるものだ。本当にくだらない。

そんなことを思いつつ見向きもせずにとりあえず席につく。一緒に来ている双子の兄の光はそんな日常的なことに未だに怪訝な表情をしている。


私も最初は周りの目を気にして悩んだり、落ち込んだりもしたが一週間も経つともうどうでも良くなった。

何やら私が男子からモテているのが気に食わないようだ。自ら選んでなりたくてなったわけではないことにもいちいち僻むような奴らで溢れている。言うなれば周りの女子は殆ど敵だ。

それでも奴らは入学してきたばかりの頃は私に取り入ろうと必死に近づいてきたが、昔からこのようなことが絶えずあったため信用なんか端からせずに相手にしてなかったらすぐにこの状態だ。

仲良くしようとするか、寄ってたかって悪口を言うかのまさに両極端で本当に滑稽な生き物達だと思っている。


光「郁、大丈夫か?」


気づかないうちにぼーっとしていたらしく心配されてしまった。光は少し過保護なため、悪口を言われるようになって3カ月を過ぎた今になっても私がそれらを気にしていないかちょくちょく聞かれる。


「大丈夫だよ。」


これ以上心配されないように少し微笑むように意識して返す。すると光も少し安心したようにほっとした顔をして、


光「なら良かった。」


そう言って私の頭をくしゃっと撫でた。少しごつごつしているが、とても落ち着く大好きな手だ。

しかし、安心しているのも束の間周りからの悪意がより一層強まった。何しろ光も異性からモテるので、いつも一緒にいる私はそっちの方にも敵が沢山存在する。光は私に向けられている悪意の一部は自分のせいだとは気づいていない。


光「俺が一緒に居るんだから気にやむなよ。」


そう言って私を元気づけようと笑いかけてきた。

小さい頃から友達を作ることが苦手な私は気づけば光と行動を共にすることがほとんどだった。小学校の頃などは光も周りの男子とかと鬼ごっこやサッカーなどで遊びたかっただろうにわざわざつきあってくれていたのは恐らく親に頼まれたか、明らかに一人で教室の片隅にいるのに気を使ったかまぁ、どちらにせよ我慢させてしまっているのにかわりはないため本当に申し訳ないと思っている。正直なところ子どもという年でもないのでもう光に自由に行動して欲しいのだが以前そう言ったら何故かかなり怒られたため言うに言い出せない状況になってしまっている。

しかもお弁当を忘れてしまったり、ぼーっとしていて遅刻しそうになってしまったりと普段から抜けている部分が自分にあるが故に余計心配で離れられなくしているということもあるので面倒見が素晴らしく良い過保護な片割れにはよくよく考えると迷惑しかかけていない。






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