第7話 レッドグリズリー・遭遇
どうも、題名から大体内容が察せてしまう話を書きました。初心者Pです。
一応もう少し話のストックがありますが、正直執筆が追いつきません。
でも、やっぱり読む側として考えると続きが気になると思います(気になっている人、いてくれると嬉しいなぁ)
そんな願望を込めて、第7話どうぞ~。
第7話 レッドグリズリー戦・遭遇
村長のご厚意?で、村に一日泊めてもらったユウトです。今は、ノラが作ったと言う朝食を食べているところだ。
「どうですか?お口に合うですか?」
「……うまい」
想像以上に美味しかった。まさか、ノラはアホっぽいのに料理が得意とは……。
「それはよかったのですよ!」
「ほっほっほ。ノラは昔から料理が得意でな。どうですかな、ユウト様」
「どう……とは?」
「嫁になど……」
「はぁ!?」「え!?」
村長のまさかの言葉にノラと俺は同時に驚きの声を上げた。
「な、何言って・・」
「そうなのです!そういうのは順序があってですね」
「ほっほっほ」
何笑ってんだ村長。
「いやいや、ノラがユウト様のことを気に入っているのでな。もし、ユウト様が良いと言ってくださるならと」
「はぁ……」
「それにノラよ。お前は順序がどうと言っておったな」
「そ、そうですよ!順序は大切なのですよ!」
「ほうほう。ということは、順序さえ踏めばユウト様との結婚も満更ではないと?」
「~~っ!!」
何言ってんだ村長。ノラがそんな事言うわけ……あれ、なんで照れてるんすかノラさん!?
「そそ、それは……うぅ」
「ほっほっほ。ノラは正直じゃのう」
俺はこの空気に耐えられなくなり、さっさと食事を済ませて町に帰ろうとした。
「モグモグモグ……ゴクン。じゃ、じゃあ、食べ終わったんで俺は町に帰りますね。ごちそうさまでした!」
俺はガタッと席を立ち、村長宅を出ようとした。しかし、それはノラの手によって失敗に終わった。
「……あの、ノラさん?」
「……」
「えっと、手を離してもらえると嬉しいんだけど」
「いや」
「えぇ~」
一応の礼儀として食器を台所まで運ぼうとしたところで、ノラが俺の服をつまんだ。
「ノラさん?」
「いや!」
「なして!?」
俺はノラの妨害工作に悪戦苦闘しながらも、なんとか台所まではたどり着いた。
「あのー、ノラさん?」
「……」
「俺にしがみ付くのはやめてもらえないかな?」
「や!」
「あれ!?」
なんか、幼児化してないか?まぁ、見た目は10歳くらいの小さな女の子ではあるが……。実年齢は分からん。
ノラは俺の背中にしがみ付き、脚を俺の腹に巻きつけるようにしている。
「別に重くはないんだけどね?……やめて?」
「や!!」
「なんでだ!?」
……はぁ。これじゃあ、帰れないジャマイカ。
「なぁ、ノラ。君は俺にどうしてほしいんだ?」
「……」
「俺は今からギルドに戻って、今回の依頼の報告をしないといけない。でも、もしノラと……村長さんがいいと言ってくれるなら」
「……なら?」
俺はチラッと村長を見る。すると、俺に向けて目でOKと言ってきた。こいつ、できるぞ!
「ノラがいいなら……一緒に来るか?」
「いいの?」
「あぁ、良いですよね?村長」
俺は心配なのと、ノラが決心しやすいように改めて村長に聞く。
「ほっほっほ。わしは最初から、ノラをユウト様に着いて行かせようと思っとったぞ」
「だそうだが?」
俺はノラを下ろし、目を見て話す。
「どうする?」
「行きたい!連れてって、ユウト!!」
なんというか。村長の思惑通りに進んでしまった感があるが。まぁ、いいか。
「おう。もしもの時は、俺が守るよ」
「はうぅ~~」
「どったの」
ノラが顔を真っ赤にして俯いてしまった。こいつ、俺に助けられて惚れたのか?
……チョロイン?
「ほっほっほ。ユウト様は鈍感という訳ではなさそうですな」
「ま、まぁ……これだけハッキリしてれば、気が付かない訳ないでしょう」
苦笑いをする俺に、村長は相変わらず笑っている。
俺はノラに向き直る。
「じゃあ、これからよろしくね」
「うん!」
笑顔でノラが返事をする。良い返事だ。
守りたい、この笑顔。
「それじゃあ、準備を……」
そこまで言ったところで、村の人が慌てて入ってきた。
「村長!大変です!」
「何ごとじゃ!」
「ぐ、グリズリーです!」
「グリズリーじゃと!?」
そんな。グリズリーは全部倒したはずだぞ!?
「は、はい。ま、真っ赤なグリズリーです!」
「赤!?」
村長が降り乱す。珍しい光景を見た。
「まさか、レッドグリズリー……」
「村長。レッドグリズリーってなんですか?」
「そうか。ユウト様はまだE級でしたな。レッドグリズリーというのは、グリズリーの上位種の一種じゃ。その中でも、魔法が使える特異個体なのじゃ」
ま、魔法だと!?魔物にも魔法が使える奴がいるなんて……。まぁ、そうだろうなとしか思えない。
「しかも……ランクはC級なんじゃ」
「な、なんでそんな奴がここに!?」
魔物のランクとは、通常魔物の強さを元に決められている。だが、F級だからと言ってもその中で最強の魔物もいる。また、A級の中で最弱の魔物もいる。
なので、ランクだけで魔物の強さがハッキリ分かるわけではない。
そして、ランクを決めるのは単純な強さだけではない。その魔物の厄介さ、危険度なども判断材料になる。
たとえば、個体本来の強さはC級だが、魔物のもっている毒が危険なのでB級。
このように、力が強いだけでなくとも高ランクの魔物もはたくさんいる。
by あの時読ませてもらった本より
女神さま……いや、フローリアありがとう。
「……ユウト」
ノラが俺に抱き付き、不安そうな声を上げる。
「分かってるよ。村長……」
「どうかしましたかな、ユウト様?」
「俺が行きましょう」
今回の一件は俺の見落としだ。俺がもっとしっかりしていれば、こんな事にはならなかったはずだ。
「それは、まだユウト様はE級。対して相手はC級ですぞ!?」
「大丈夫ですよ。もちろん、危険は冒しません。危なくなったら逃げますから」
俺はノラの頭を撫でながら村長を説得する。
「えっと、レッドグリズリーって今、どの辺りにいますか?」
「ここから真っ直ぐ行って、村の端で見たという奴がいましたので」
「分かりました。それでは、村の人たちを避難させておいてください。俺じゃ勝てないかもしれませんので、念のために」
「ユウト様……」
心配する目で村長が俺を見てくる。
「死にませんよ」
俺はノラを抱け上げ、村長に笑いかける。
「ふぇ?」
「俺には、死ねない理由がありますから」
「……そうですな」
「そうです!ユウトは絶対に死にませんですよ!」
「じゃあ、待っててくれるよな」
「はいですよ!」
俺はノラを下ろし、外套を羽織る。
「行ってきます」
「ユウト!」
「ん?」
俺が扉を開けて行こうとすると、ノラに呼び止められた。
「頑張ってください!」
ノラが……ノラが敬語を使っている!?
「もし無事に倒して帰ってきてくれたら……」
「?」
「私が、ユウトの奴隷になってあげますですよーー!!」
……俺は絶対に死なない(確信)
はい、遭遇すらしてませんね。
そんなことよりも「ノラ」はどうでしょうか。可愛いですか?
作者は結構お気に入りです(*´▽`*)
次回はちゃんと遭遇しますし、戦闘ます。
お楽しみに~。