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転生者は他人の真似が上手なようです!  作者: 初心者P
第1章 転生 ~異世界に転生して、第二の人生を歩み出す~
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第4話 こんなありきたりな出会いも、ありか?

どうも、作者の初心者Pです。


今回は前回の予告通り戦闘があります。


が、技名が適当過ぎて……。


スキルの技名、誰か考えて教えてもらえるとありがたいのですが(他力本願)


それでは、第4話どうぞ~。

 やぁ、ユウトだ。今は依頼のゴブリン討伐のため、バレス平原に来ている。


「嫌な思い出しかないこの場所にまた来るなんて……。さて、ゴブリンはいるかな」


 俺は目の『ズーム』を使いながら草原を見渡す。


 見た感じでは5匹くらいか。でも、俺にゴブリンが倒せるのか?いくら『コピー』でジーンの技やら何やらを覚えたからって、今すぐに使えるとは思えないんだが。


「いや、考えても仕方ない。ものは試しだ」


 俺はゴブリンの元へと歩き出す。10メートルくらいまで近づいたところでゴブリンが俺に気付く。


 もう少し周りに気を使った方がいいぞ、ゴブリンよ。


 俺はそんな事を思いながらゴブリンに向かって駆け出した。そして気が付いた。


「俺、武器持って無いじゃん……」


 だが、もう遅い。既にゴブリンは目と鼻の先。ゴブリンは攻撃体勢に入っている。


 仕方ない。ここは、素手でやる!


 ゴブリンが飛び掛ってくる。昨日のゴブリンとは違って武器も持っていた。ボロボロの片手剣だ。といっても、ゴブリンが使っているのでちょっと小さい。


 俺はゴブリンの攻撃を難なく避け、横っ腹にパンチをくらわす。


「これでも、くらえ!」

「グギャ!?」


 俺のパンチをくらったゴブリンは5メートルくらい吹っ飛び……絶命した。


 俺はその光景を見て呆然としてた。


「あれ、昨日は全然効いてなかったのに……なんで?」


 ま、まぁ倒せたんだからよしとしよう。と、取り合えず、ゴブリンの持っていた武器を使わせていただこうかな。


 俺はゴブリンが落とした武器を拾い、次のゴブリンのところへと走り出した。


「グギャ!」

「グギャグギャ!」


 次の相手は2匹のゴブリン。ゴブリンに俺の攻撃が効くと分かったが、実質2対1だ。


「ここは、コピー・オン」


 俺は目を見開きゴブリン達を見つめる。


「グギャァ!」


 ゴブリンの片割れが俺に飛び掛ってくる。俺はさっきと同様に避け、今度は拾った片手剣で斬りつけた。


「グギャ!?」


 俺の斬撃をくらい、倒れるゴブリン。


 素手とは違って今回は剣だ。なので当たり前だが血が出る。俺は見慣れない血がゴブリンから血が噴出し、気持ち悪く……ならなかった。


「あれ……あ、そっか。昨日、ジーンがゴブリン大虐殺したのを見たから」


 俺は1人納得しながらもう一匹のゴブリンを倒した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「これで10匹っと」


 俺は最後のゴブリンに止めを刺しながらそう呟く。町を出てから大体5分くらいはゴブリン討伐に費やしていた。その間、俺は特に苦戦することなくゴブリン達の討伐を繰り返していた。


 ただ、気になることができた。


「基本的に強くはなっている。それは分かるんだけど……」


 そう。ゴブリン達との戦闘で分かったのは、自分自身が強くなっている事。だが、それは基本的な力が上がっているに過ぎない。


 違うんだよ。俺が知りたいのは……


「俺が知りたいのは、本当にジーンの技をコピー出来るかってことなんだよなぁ」


 ゴブリンとの戦闘時、スキルは何も発動されなかった。おそらく、スキルだけならA級冒険者のジーンと同等だろう。しかし、使えないんじゃ意味が無い。まさに、宝の持ち腐れ……である。


「……よく分からん。あ、コピー・オフ」


 俺は念のためコピー能力をオフにしておく。そして、町に帰ろうとしたその時だった。


「ガアァァァ!」

「!?」


 どこからか獣の咆哮と思われる音が耳に響いた。俺は驚き辺りを見回した。すると、町に向かっていると思われる馬車がデカイ熊に襲われていた。


「なんだあれ……って、こうしてる場合じゃないな!」


 俺は襲われている馬車の方へと走り出す。幸い人はまだ襲われていない様子。このまま走れば間に合うだろう。


「ガァァ!」


 熊が馬車に体当たりをする。馬車は耐え切れず、横倒しになってしまった。そして、その衝撃で中から1人の男性が飛び出てきた。


「うあぁ!」


 その男性は馬車から押し出され倒れこむようにして出て来た。そのせいで直ぐに逃げられない。


「ガァァ」


 熊は低く唸ると男性の元までノソノソと歩き出した。男性は腰が抜けてしまったのか、まだ立ち上げれていない。


 そして、熊が腕を振り上げる。男性は諦めたような、絶望したような顔をして目を瞑った。


 熊の鉤爪で男性は引き裂かれる。なんてことは無かった。


「セフセフ」


 俺が熊の攻撃から男性を庇うようにして、熊の腕を両手で押さえたからだ。


「大丈夫ですか?」


 俺は出来るだけ明るく声を掛ける。すると、男性は恐る恐るといった感じで目を少しずつ開けた。そして、俺を見ると驚きの表情をした。


「き、君は……?」

「えっと、俺はタチバナユウトです。あなたは?」

「わ、私はサリーと申します。あの、大丈夫なんですか?それ」


 サリーと名乗る男性は俺が掴む熊の手を見てそう言った。


「えぇ、問題ないですよ。それより、サリーさんは怪我とかありませんか?」

「は、はい。お気遣いありがとうございます」

「それはよかった。さて、さっさと倒しちゃいますか!」


 俺は懐からゴブリン愛用の片手剣を取り出し、熊を斬りつけた。しかし、その攻撃はまったく効かなかった。


「あ、あっれぇ?」


 俺が困惑していると、さっきの攻撃で怒ったのか熊がもう片方の腕で攻撃してきた。


「え!?ちょっ……」


 俺はそれに反応出来たものの、避けたらサリーさんに当たるということで避けられなかった。


「グッ」


 熊の攻撃をまともにくらった俺は、1メートルくらい吹っ飛び地面に倒れた。


「タチバナ様!?」


 サリーさんが焦ったような声で俺を呼ぶ。俺はムクッと起き上がると体の痛み悶え苦しんだ。


「いってぇ、超いてぇ。くっそぉ、熊野郎。絶対倒してやる!」


 と言っても、どうやって倒す?俺の持っている剣じゃ歯が立たない。だが、俺にはこの剣しかない。さて、困ったぞ。


「……ここは、柔らかいところ狙うしかないか。コピー・オン!」


 俺は熊に飛び掛る。それと同時に熊が噛み付いてきた。だが、それは好都合。噛み付くには口を開けなければならない。そして、口の中は柔らかい。


 俺は口の中を狙って剣を突き刺そうとした。そこで頭にあるイメージが浮かんだ。


 ドクンッ


 心臓の鼓動が早くなり、頭の回転が最高速になる。俺はそのイメージ通りに体を動かした。


 剣を手放し手で押し出す。剣は真っ直ぐ熊の口へと飛んで行き突き刺さる。そして、口の中から脳まで貫通する。熊は堪らず絶命した。


 俺は着地し、自分がしたことを思い出す。


「あれ……なんで俺、こんなこと」


 何故俺がこんな技を出せたのか。そのことに俺は困惑していた。熊の動きは見えていた。見切っていた。しかし、あんな技を出そうとは考えていなかった。だが、急にイメージが頭に流れ込んできた。


「これが……コピー?」


 そう思ったが、疑問が残った。ジーンの技や動きを思い出してもこんな技は無かった。俺の目は一度見たことは忘れない能力がある。なので、間違いは無いはずだ。


 だったら何故?


 そんなことを考えていると、サリーさんが興奮した様子で話しかけてきた。


「タチバナ様!タチバナ様は上級剣士だったのですね!」

「え?」


 俺はサリーさんの言葉に驚いた。確かに、職業は剣士・上級になっている。だが、何故それが分かった?


「何故、分かったのですか?」

「何故って、さきほどの技とそのキレを見れば分かりますよ。先ほどの技は上級剣士で覚えられる『押し刺し』でした。しかも、それを空中で、しかもあんなに綺麗な形で決めるなんて……」


 サリーさんはしばらく俺の凄さ?について熱く語っていた。


「……ハッ!す、すいません。私は昔から、凄いと思ったことについて語るタイプでして」


 そう言って照れるサリーさん。


「そうなんですか……。それよりも、馬車起こしましょうか?」

「出来るのですか!?」

「多分……お、出来た」


 俺は倒れた馬車を起こし、ウンウンとうなずいた。それを見たサリーさんはまたもや、驚きの表情をしていた。


「た、タチバナ様は凄い筋力をお持ちなんですね」

「そうですか?正直、自分でもよく分かりませんが凄いんですかね?」


 俺はそっけなく答えたが、これは本心だった。俺の頭にはこの世界の常識などの情報が入っている。が、そこには平均的な強さなどはない。なので、自分がどれだけ強いかなどが分からなかった。


「サリーさん、俺はこの先の町に戻りますが……サリーさんはどうするんですか?」

「私もこの先の町に行くところだったんですよ!幸い馬も無事のようですし、乗っていかれますか?」

「え?良いんですか!?」

「はい!命の恩人ですので、どうぞどうぞ」


 サリーさんが馬車の扉を開く。俺はお言葉に甘えて馬車で町まで乗せていってもらった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 町まで着くと、サリーさんが冒険者ギルドまで乗せていってくれると言う事でまたまたお言葉に甘えさせてもらった。


 俺はギルド前で馬車から降り、サリーさんにお礼を言った。


「ありがとうございました。おかげで楽にここまで来れました」

「いえいえ、お役に立てたのなら良かったです」


 そう言ってニコニコと笑うサリーさん。


「あ、タチバナ様、これを」


 サリーさんが何かを差し出してくる。受け取ってみると、それは名刺だった。


「私、『世界の倉庫』という商売組織のリーダーをやっております。この町の支店にしばらく居ますので、もし御用があればいつでも来てください。歓迎しますよ」


 サリーさんはそう言い残すと行ってしまった。


「世界の倉庫か……後で探してみるかな」


 俺はそう呟きながらギルドに入って受付に行く。もちろん、あの人受付だ。


「おかえりなさいませ、ユウトさん。依頼は無事に達成されましたか?」


 笑顔で迎えてくれる受付の女性。うん、頑張ったよ。


「はい、達成しました。それと、ある人と出会ったのですが」

「ある人?」

「えぇ、熊の魔物に襲われているのを助けたんですけど。世界の倉庫という商業組織のリーダーをやられている、サリーという方なんですけど……って、あのー」

「……・はえ?」


 俺が声を掛けるとボーッとしていた受付の女性が変な声をあげ気がつく。


「し、失礼しました!そ、それで、サリーといいましたか?」

「えぇ。聞き覚えありますか?」

「ありますよ!」

「うぇ!?」


 いきなり受付をバンッと叩き、大声を出す受付の女性。


「世界の倉庫と言えば、その名の通り世界中の物が買え、取り寄せられるお店ですよ!?しかも、サリーと言えばそのリーダー。聞き覚えないはずがありません!」

「さ、さいですか」


 俺はその熱気に若干引き気味で話を聞く。そんなに有名なのか、あの人。あれ、これ二回目じゃね?


「そ、それより。依頼の報告を……」

「あ、失礼しました。報告ですね。冒険者カードを」

「どうぞ」


 俺はあらかじめ出しておいた冒険者カードを差し出す。


「……え!?グリズリー!?」


 俺のカードを見ていた受付の女性が驚きの声を上げる。


 グリズリー?熊?……あ、熊。


「た、タチバナ様?ま、まさかサリー様を襲ったという熊の魔物とは……」

「俺はよく分かりませんが、そこにはグリズリーと書かれているのでしょう?だったら、グリズリーでしょうね」

「……」


 受付の女性がこれでもかと驚いている。どうしてそんなに驚く……あ。


「……タチバナ様、お強いんですね」

「は、ははは……」


 そうだった。グリズリーと言えば、E級の冒険者が6人パーティーを組んでやっと倒せる相手。だというのを読んだはずだ。それを俺(F級冒険者)は1人で倒した。そりゃ、驚くな。


 ともかく、依頼の報告を済ませた俺だったが、グリズリーを倒したということでF級からE級に昇格した。


 ちなみに、依頼報酬は銀貨二枚、2000コルだった。


受付の女性に驚かれる。テンプレですね。


そんなテンプレ、大好きです。


次回もテンプレです。


お楽しみに~。

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