第27話 王子の気持ち
どうも、そろそろ前書きを書かなくてもいいじゃないかと思い始めた初心者Pです。
今回は王子の気持ち……とか書いてるけど、半分はヒロイン出てきます。
「またタイトル詐欺かよ!」と罵ってくれて構いません。だって、ヒロイン出したかったんだもん。
はい、スイマセンm(__)m。それでは、第27話どうぞ~。
第27話 王子の気持ち
王子からの依頼を受けたので、話を聞くことになった。ということで、場所を移動し王子の寝室へと連れてこられた。部屋にはメイドさんが2人ほど居て掃除をしていたが、王子が出て行かせたので俺と2人きりだ。別に変な意味で言ったわけじゃないぞ。
王子は俺にイスを用意して、2人で向かい合うように座って話をした。
「それで、どうしてそう思ったのか説明してくれ」
「分かりました。僕が母様に嫌われていると感じたのは3年前、母様に勉強を教わっていたときでした。僕はどうしても分からない問題があったので母様に聞こうとしたら『そんな問題自分で考えなさい』と叱られてしまいました。その時は自分が出来ないせいだと思いましたが、今思えば遠ざけられていたのではないかと……」
なんとも言えないな。この場合、本当に王女が王子を遠ざけるのであれば勉強なんか他の人に任せればいいのだ。しかし、それをしなかったのだからまだ王女は王子を気にかけているということだ。
でも、自分で考えろと突き放したのは事実……。
「ふむ、それで次は?」
「次に思ったのは剣の稽古をしている時でした。僕が兵士の方と模擬戦をして、負けてしまった時に酷く叱られてしまいました。『王子がそんなことじゃいけません!あなたはそうだからダメなのです!!』と」
「なるほど」
これも難しいな。王子はこれを自分が否定されたと受け取ったみたいだが、王女の言いたいことがイマイチ良く分からない。王子がそんなことじゃいけない。ここまでは分かる。だが、あなたはそうだからダメというのは少しばかり言い過ぎな気もするのだ。
俺はアゴに手を当てながら王子の話を聞いた。
「最後に思ったのは最近、母様が僕に会ってくれないのです。会おうとしてもメイドに止められてしまって、部屋に近付くことすらままならないのです」
「何だって?メイドに止められるのか」
「はい。僕……やっぱり嫌われて……うぅ」
「おい、泣くな!」
とうとう泣き出してしまった王子を慰めながら俺は考えていた。王女は何か理由があってそんな厳しくしているんじゃないかと。
だが、証拠も根拠もない状態で王子に話しても、もし違った場合に王子を余計に落ち込ませるだけだ。だから、今黙っておこう。
ちなみに、俺が考えた理由が3つある。
1、王女は王子をより良い人間として育てるために厳しくしている。
2、王子がダメダメ過ぎて厳しくしている。
3、王子と一緒に居られる時間がこれから短くなる。または、もう一生なくなる可能性がある。
1の場合はどこにでもいる厳しい母親って感じの理由である。これなら何の問題もなく和解できるだろう。2の場合は王子が落ち込むかもしれない。だが、王子の勘違いが生んだことなのでこれも無事解決。しかし、問題は3の場合だ。この場合、たとえ解決したとしても結局は残酷な運命しか見えない。もし3だったらきっと王女は王子を悲しませないために、憎まれ役を演じているのだから。
どれもあり得そうな理由で困った。このままだと最悪バットエンド直行な気がする。それに、他の理由があるのかもしれないし……くそっ、俺ってこういうの向いてないんだよね!
悩んだ結果は分からないで落ち着いた。いや、別に諦めたわけではないのだが、一旦頭の中を整理するために宿へと戻らせてもらった。
「はぁ……どうすっかなぁ」
宿への帰り道、俺の口からはため息しか出てこなかった。
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「ただいま~」
「あ、ユウトさん!おかえりなさい。今日は遅かったですね」
「あぁ、まあね」
「何かあったんですか?あ、そういえば魔物が王都に襲来した時に英雄が現れたって知ってますか!?」
「ンン……シラナイ」
「……本当ですか~?」
「シラナイシラナイ」
ジト目で俺のことを睨んでくるマナから逃げるように2階へと上がり部屋に飛び込んだ。部屋には誰もいなく、ただポツーンと手紙が置いてあるだけだった。
俺はその手紙をそっと手に取り中を読んでみた。手紙は馬鹿野郎からだった。
~師匠へ~
どうも師匠!俺です。あなたの弟子です!
実は、実家から帰ってこいと言われてしまったので一旦帰ります。急なことだったので師匠に直接言えませんでした。スイマセン。
ですが、しっかりとお土産買ってきますので安心してください!
~以上 愛弟子より~
はいはい、自称愛弟子さんからのお便りでした。焼いて捨てましょう。
さてと、馬鹿野郎が実家に帰ったからこの部屋は俺1人になるのか。寂しくはないが、俺1人となると広すぎるな。
あ、そういえばノラ達の部屋は3人でツイン部屋使ってたよな……。
というわけで、ノラ達の部屋ナウ
「誰かいるかー、入るぞー」
「あ、ユウト!どうぞどうぞですよ!」
中からノラの声がしたので入ってみると、3人しっかりと揃っていた。しかも、正座でのお出迎え付き。これは、どこかの危ないお店ではないはずだ。うん、落ち着け。美少女3人が笑顔でお出迎え……ヤバ、鼻血が……。
っと、危うく犯罪者になるところだった。セフセフ。俺は思考を切り替えるためにノラ達にさっきの事を話し、本題に移った。
「つまりだ。俺の部屋に1人来られるが誰か来————」
「「「私が行きたい(ですよ・です)」」」
「……はぁ」
3人が見事に声を合わせて言ってきたが、これどうしたものか。俺の部屋はツインだから1人までは余裕。しかし、2人以上はせっかくこっちもツインなのだからと却下だろう。
仕方ない。ここは、あれで勝負するしかないな。
「お前ら、どうしても来たいのだったらじゃんけんをするんだ!」
「「「じゃんけん?」」」
「知らないのか?」
「じゃんけんとはなんですか?」
ミリアすら知らないとなると、この世界には存在しないらしい。ノラもニアも頭の上に「?」を浮かべてるし、1から説明するしかないのか?
早く寝たいのにそれはメンドクサイ……ここはあれで決めよう。
「もう面倒くさいから、お前ら順番に来い。決め方はお前らに任せる。ふぁ~……俺は寝るよ」
「順!」
「番!」
「に?」
今のはノラ、ミリア、ニアだ。3人が順番に「順番に」と言ったんだ。ややこしいがなんだか面白かった。
その後、俺が部屋から出ると大論争が始まった。この世界では地球と同じ7日で1週間というのがあり、3人で割ると1日余るのだ。それを決めているらしい。
「……眠い」
俺は自分の部屋に戻り剣を壁に立て掛け外套を脱ぎ……そこまでは良かったのだが、あまりの眠気に意識を落とした。
その日はそれで終了したわけだが……この時の俺は危機感がなかった。異世界の女の子が、どれだけ積極的なのかを知らなさ過ぎたのだ。まさか、あんなことになるなんて……。
深夜だとタイピングミスが多過ぎて笑えません。
次回の冒頭で「あんなことになるなんて……」の真相が明らかになります。
そして、王女に直談判!?
お楽しみに~。




