第21話 王都に到着
どうも、なんか今回も5千文字を超えた初心者Pです。
今回はスキルの2つが使えるようになります。それがこの先どうなるのか。
では、第21話どうぞ~。
第21話 王都に到着
まさかまさかの王都が馬鹿野郎の実家という衝撃の事実を知ってから数時間。王都にやっと到着した。馬車の旅は初めてだったし、景色を楽しむというのが中々良かった。
だが、やはり本命は王都!ここが楽しみ過ぎて堪らなかった。おそらくこの世界で一番大きな街であり、物や人が溢れる場所であろう。
「やっと着いたな」
「長かったですよ……」
「疲れましたね」
「……眠い」
「いやぁ、久しぶりに来たなぁ」
俺たちは今、王都の南門に居る。ここでは検問所があり、入るための簡単な検査があるらしい。そのため馬車や荷馬車の行列ができている。
そこで俺たちは馬車を降り、徒歩で検問所を通ることにした。実はこの検問所、馬車などとは別の徒歩で来た人用の検問所もあるらしい。
ということでやってきました検問所。
「バックを開き、中を見せろ。それと、身分を証明できるものは何かあるか」
「冒険者カードでも大丈夫ですか?」
「あぁ、構わん」
「それじゃ、どうぞ」
「俺はこれを」
「ノラ達は何かあるか?」
「私は村を出るときに村長から身分証をもらったですよ!」
「ん、私も」
「私はご主人様の奴隷という証明書があれば問題ないと思います」
「よし、じゃあそれを出そうか」
俺は冒険者カードを、馬鹿野郎は何か分からんカードを、ノラとニアは身分証を、ミリアのは俺が所有証明書を出した。
それらを見た兵士の男は急に馬鹿野郎に敬礼をした。
「まさか名誉騎士様でしたとは!無礼をお許しください!」
「別に良いから、早く通してくれ」
「はっ!」
兵士はそそくさと紙に何かを書き、それが終わると丁寧に俺たちを通した。俺たちが出て行ってもしばらく兵士は敬礼をしたままだった。
それにしても、こいつはそんなに偉い地位の人間なのか。あまりイメージ出来ないな。まぁ、兵士が言っていた『名誉騎士』というのには聞き覚えがある。詳しくはないが、確か貴族に近い地位だった気がする。
「お前、貴族だったのか」
「え?いや、別に貴族ではないですよ。ただ、それに近いだけ。騎士が貴族を真似てるなんて言われ方もしますから」
「ふーん。まぁ、どうでもいいか」
「そうです。俺は騎士である前に師匠の弟子ですからね!」
「だから、自称!弟子な。そこ、忘れんなよ」
「う……忘れてませんよー」
まったく、油断も隙もない男だ。今さりげなく俺に弟子であることを認めさせるつもりだったな。危ない危ない、そんな流れで認めるわけにはいかない。
その後、ノラ達と雑談をしながら王都を歩いていた。しばらく歩くと、大きな噴水がある広場のような場所に着いた。馬鹿野郎に聞くとここは『王都 中央広場』という名前らしい。
中央広場は緑が多く、レンガや石だらけの街の風景とはまったく違う雰囲気が出ている。しかも、小鳥などの小動物も集まってきていて、休むには素晴らしい場所かもしれない。
「師匠!もしよろしければ、宿へご案内させてはいただけませんか!」
「宿?……そうだな。宿を探す手間が省ける。案内してくれ」
「ありがとうございます」
急に案内すると言い出してきたことに驚きながらも馬鹿野郎の後ろを歩く。ノラ達も俺の後ろをテクテクと付いてきている。ノラはテクテク、ミリアはスタスタ、ニアはテトテト、という擬音がつけられそうだ。
そんなことを考えていると、馬鹿野郎がある宿の前で止まった。どうやらここがそうらしい。名前は……『永久の眠り』?って、怖いわ!何この宿。寝たら死ぬの?ねぇ、そんな宿泊まりたくないんだけど!
「ここです師匠。永久の眠り、斬新な名前っすね!」
「そうだな。だから変えようか」
「え?でも、ここ以外は多分どこも満室ですよ?」
「なんd……あぁ、『建国記念祭』か」
「そうです。でも、ここは絶対に開いてますから」
「だろうな。だってこんな名前の宿、普通入らないからな!」
だが、ここでこの宿以外の場所へ行っても馬鹿野郎の言う通り満室の可能性が高い。ここは選り好みせず、素直に入ったほうが安全か?いや、この宿の名前が既に安全じゃないんだよなぁ。
ええい!面倒くさい。男は黙って特攻だ!!
「入るぞ!」
「はいですよ!」
「はい」
「ん」
「流石師匠!分かってる!」
ムカツク馬鹿野郎は放っておき、俺たちは宿へと足を踏み入れた。ここまで来たら引き返せねぇ。どんな奴が出てきても逃げぬ!媚びぬ!顧みぬ!
気合十分、気持ち不十分で入った宿には……メッチャ可愛い受付嬢がいた。
「あ、いらっしゃいませ」
「どうもー。師匠、何拍します?」
「え、あぁ……取り敢えず1週間」
「了解っす。1週間でいくらっすか?あ、食事付きでツイン部屋」
「ありがとうございます。食事付き1週間で、お一人様2万4500コルになります」
「うーんと、これでお願いします」
「……はい、丁度ですね。部屋は203号室と隣の204号室になります。では、ごゆっくりどうぞ~」
馬鹿野郎、お前はホントに金払いがいいな。お前の財布事情はどうなってるんだ?どうして金貨がそんなにポンポン出てくるんだ?もしかして、お前はそういうお家柄?
おっといけない。卑屈モードになっていた。こいつといると金のことでネガティブにさせられる気がする。弱いくせに、弱いくせに!
「あれ?そういえば、ツイン2つってことは俺とお前」
「はい!」
「で、ノラとミリア」
「はいですよ!」
「はい」
「……ニアはどこで寝るんだ?」
「ん、大丈夫。ミリアと一緒に寝るから」
「昨日もそうして寝ましたので、大丈夫です」
「そっか。そういえば昨日もお前ら同じ部屋だったな」
なるほど。宿のベットはサイズがデカいからな。子供2人程度なら余裕で寝られるだろう。なら問題ないか。さて、解決したところで部屋に行きますか。
俺は疑問が解けてスッキリした頭で部屋へと向かった。部屋は2階手前側で、階段から近かった。中へ入ってみると、やはり王都の宿といった感じの豪華さだった。
荷物を置き、ある程度の金を持って俺は部屋を出た。
「俺は冒険者ギルドへ行ってみるけど、お前らはどうする?」
「私は長旅で疲れたので、今日は寝たいのですよ」
「私は特に何をするつもりはありません。ただ、荷物を整理するくらいでしょうか」
「……寝る」
「それじゃあお供します!」
ノラとニアは部屋で寝るを選択し、ミリアは荷物整理をするのか。そして、お前は相変わらず俺の傍から離れようとしないのね。まったく鬱陶しいな。
「分かった。じゃあ、行ってくる」
「行ってらっしゃいですよ」
「行ってらっしゃいませ」
「行ってらっしゃい」
言ってくれるのは嬉しいけど、何故に1人ずつ?打ち合わせしてたの?そうやろうって、あらかじめ決めてたの?
まぁ、どうでもいいか。さっさとギルドに行ってしまおう。というか、王都のギルドの場所知らないな。ま、馬鹿野郎に聞けばいいか。
宿を出た俺は取り敢えず馬鹿野郎にギルドの位置を聞いてみた。すると、やはり知っているようでキラキラした目で案内してくれた。
「ここです!」
「おぉ、デカいな」
王都のギルドは前のギルドの2~3倍は大きかった。俺の見間違いでなければの話だけどな。
さっそく入ろうとした俺だったが、扉に手を掛ける前に開き出してしまった。
「む?あの時の……なるほど、王都まで来たか」
「貴方は……ファルド、さん?」
「ふ、覚えていたか。まぁ良い。それよりも、以前より少し強くなっているな」
「戦わなければならないことがありましたから」
「そうか。だが、まだ足りんな。まだ、弱い」
「ッ!?」
扉を開けて出て来たのはサリーの店で会ったファルドだった。ファルドの放った一言、『弱い』は俺の心の奥深くに突き刺さった。そう言ったファルドは俺の様子をまるで鼻で笑うかのような顔で立ち去った。
弱い、俺が弱い?まさか、そんなはずはない。オークを一刀両断し、ドラゴンを追い返した。強くはなくとも、弱くはないはずだ!
待てよ、ファルドが言った言葉『自惚れるな』ってのは……まさか、あの時の俺ではなく今の俺に向けて言った言葉だったのか?
「くそっ!」
「し、師匠?」
「……入るぞ」
「あ、待ってくださいよ!
だったら、強くなってやるよ。ファルド、お前に弱いと2度と言わせないために強くなってやる。強くなる方法はまだ分からないが、とにかく強くなってやるよ!
ファルドの一言で怒りマクッスだった俺は荒々しく扉を開くと受付へと速足で向かった。
「ギルドカードだ。何か依頼を受けたい」
「はい……ゆ、ユウト様ですか。しょ、少々お待ちください!」
「……へ?」
ギルドカードを渡した受付のお姉さんが奥へと行ってしまった。なんか、あの背中を見るのに慣れてしまった気がする。そして、この先何が起こるか少し予想ができる。あれだろ?どうせ、お姉さんが帰ってきてジーンの名前が出るんだろ?知ってるから。あいつはそういうとこお節介そうな性格しそうだもんな。
そう予想を立てていた俺だったが、奥から現れたのはさっきのお姉さんではなく厳つい男だった。その男が俺を見つけるとズカズカと近寄ってきて、俺の名を呼んだ。
「ユウト殿、だな?」
「は、はい。そうですが?」
「少し話がある。ちょっと来てもらおうか」
「分かりました」
俺は誰かも分からない男にギルドの奥へと通された。もちろん、馬鹿野郎はその場待機だ。そして、ギルドの奥のある部屋、そこに入れられ座らされた。
何が起こるのだろう。俺、何か悪いことしただろうか。それとも、ギルドカードに何か書いてあったのか?分からない。まったく予想が出来ない。
「ユウト殿、突然連れてこられて驚いと思うがまずは自己紹介をさせてくれ。私はこの冒険者ギルド本部のギルドマスター、ハインだ」
「ハインさん……って、ギルドマスター!?」
この人、まさかのギルドマスターかよ!ということは、俺はギルドマスターの部屋まで連れてこられたのか!?一体俺が何をしたっていうんだよー!
「さて、何故君がここへ連れてこられたかというとだな。実は、ジーン殿からの手紙が原因なのだ」
「え?ジーンの、手紙?」
「あぁ、その手紙にはこう書いてあった。『ユウトという紫の外套を纏い、身長以上の剣を背負った男がそっち行く。強くしてやってくれ』とな」
ジーン、なんていい人。いや、なんて素晴らしい友なんだ。ギルドマスターに手紙を出して俺を強くしてくれって……いつか恩返しよう。いや、今すぐにでも手紙を出そう。
っと、感動のし過ぎでテンションがおかしくなりそうだった。しかし、強くしてやってくれとは……まさか、ギルドマスター直々に相手を?そうだとしたら、コピーが捗りますなグヘヘ。
「そこで、君の修行にうってつけの場所を用意した」
「うってつけの場所?」
「そうだ。そこは、今や誰も近付こうとしないダンジョン。『浪費の迷宮』だ」
「浪費の迷宮……とは、いったい?」
「その名の通り、労力、体力、資金、その他全てを浪費するというのに、得られるものは少ないという迷宮だ」
「嫌だよそんな迷宮!ムダじゃん!」
「まぁ、話を最後まで聞け」
俺の言葉を遮り話を続けようとするギルドマスター。俺はこれ以上聞いてもなんの得もないような気がしたが、取り敢えず聞いてみることにした。
それにしても、どうしてそんな迷宮に俺を行かせようとするのか。俺にはまったく理解できない。おそらく、その話をしてくれると思うのだが……。
「そこの魔物はレベルは低く数も少ない。初心者にはうってつけなのだ」
「それで?それ以外のメリットは?」
「ない」
「即答かよ!!」
メリットもクソもねぇじゃないか。なんだそのムダの塊なダンジョンは。そんなとこ誰も近付かないよ。だってデメリットしかないからな。
「あぁ、それとこのダンジョンには『モンスターハウス』が存在するから気を付けろよ」
「ふざけんな!危険過ぎだろ。どこが初心者にうってつけなんだ!」
「いや、モンスターハウスはそこだけ周りとは壁や床の色も違えば、魔物のにおいがする。それでたとえ馬鹿でも避けられるのだ。どうだ?安全だろ?」
「なにちょっとどや顔してんだ!……まったく、何か伝授してくれるかと思ったのに」
「ん?技を伝授してほしいのか?それならそうと早く言え」
俺の愚痴が聞こえたのかギルドマスターがそう言った。ちょっと心の内がこぼれただけだが、本当に叶うなんて思わなかった。嬉しい反面、さっきのことがあるから不安でもある。
だが、教えてくれると言うならありがたく授かろう。
「ユウト殿は闘気、覇気とは聞いたことがあるか?」
「え?えぇ、ありますけど。それが?」
「うむ、君はそのどちらも纏っている。だが、うまくコントロールできずに垂れ流しの状態だ」
闘気と覇気は確かスキル欄にあった。あれは何の効果があるか分からなかったから放置していたが、まさか常時発動していたとは思いもしなかった。
「それで、そのコントロールを教えてくれるんですか?」
「あぁ、でも、それは凄く時間が掛かる。それでもいいか?」
なるほど。このスキルは習得してから使いこなすまでの時間が掛かるタイプか。でも、俺には関係ない。俺には『コピー眼』の能力があるから一瞬だろう。
「それでも大丈夫です。でもまず、お手本を見せてもらえませんか?」
「ん?まぁ、いいぞ」
ハイン一言そう言うと、空気が変わった。部屋の中が一気に寒く……いや、これはただの寒気か。まさか、ハインの闘気?いや、覇気か?もしかして、どっちもなのか?
気だけで俺が怯えるとは、本当にそんなことがあり得るとはな。流石ファンタジー……何でもありか。だが、これを俺が使いこなせれば戦闘が楽になりそうだ。
「コピー・オン」
「何か言ったか?」
「いえ、じゃあ俺も試してみますね」
「は?何を言って……ぐ!?」
ちょっとやってみたら、やり過ぎてしまったようだ。闘気と覇気の混合気を出し過ぎてしまったようだ。そのせいで、ハインの顔色が悪くなってしまった。
「も、もう止めてくれ……限界だ」
「スイマセン。できたみたいなんで、俺はもう行きますね」
「あ、あぁ……頑張れよ」
「はい、ありがとうございます」
さてと、とうとう謎だったスキルを使えるようになったぞ!これで俺はまだまだ強くなれる。
となると、次はレベルだな。いくらスキルがあろうと、レベルが低いと基本ステータスが足りなくて動きが悪くなるだろう。それに、スキルがなくてもレベルが高ければある程度は戦えるだろう。
そのためにも、あのダンジョン……浪費の迷宮に行こうか。もっと、俺自身が強くなるために。
ジーンの【闘気】と【覇気】が使えるようになりましたね。
次回、レベルを上げたい。
お楽しみに~。




