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おまけ短編集 ノラ編 ユウトとお出掛けですよ!

どうも、主人公以外の視点は書くのが地味にニガテな初心者Pです。


今回はおまけ短編集のノラ視点となります。これからたまにこうやって他の人物の視点で短編を書いていきたいと思います。


もしよろしければ読んでみてください。


では、おまけ短編集ノラ編どうぞ~。

おまけ短編集 ノラ編 ユウトとお出掛けですよ!


 最近出番のない、ノラなんですよ!どうしてなのか分からないけど、全然ユウトとお話しできてないのですよ!

 ということで、さっそくユウトの部屋に行くのですよ!!


「ユウト、お話しするですよー!」


 私は勢いよくユウトの部屋の扉を開けて叫んだのですよ。でも、ユウトが見当たらないですよ。部屋の中を隅々まで調べてもユウトは出てきませんですよ。

 仕方なく諦めようと部屋を出た時にミリアちゃんとすれ違いましたですよ。なので、聞いてみたですよ。


「ご主人様ですか?ご主人様は確かジーン様と話があるとかで今は出掛けてますが」

「ナンテコッタ!ですよ!」


 どうしてですか!どうしてユウトと会えないのですか!最近ホントに会ってないのですよ。とっても寂しいのですよ……。

 そこで私閃いたのですよ。ここは、書置きするしかない!ですよ。


「うーんと、えーと、なんて書けばいいのか分からないのです……。ハッ、そうですよ。」


 私はユウトがお世話になった人達とお出かけしているのを思い出し、今度は私と出かけてほしいと書いて置いておいたのですよ。これできっとユウトも私とお出掛けしてくれるはずですよ!


 その後しばらくユウトは帰ってこなかったです。まさか、今日は帰ってこない日なのですかね?でも、私は諦めないのですよ。絶対、ユウトとお出掛けして楽しい思い出を作ってみせるですよ!

 そんな私の思いが通じたのか、部屋の扉をノックする音とユウトの声が聞こえたのですよ。


「おーいノラ、部屋の書置き見たぞ。入ってもいいか?」

「ユ、ユウト!どうぞどうぞなのですよ!!」

「お、おう……」


 あまりの嬉しさについつい大きな声をだしてしまったのですよ。ユウトはちょっと驚いてたみたいだけど、直ぐに笑って部屋に入ってきてくれたのですよ。

 ユウトは部屋の椅子に、私はベットに座ってお話しをしたのですよ。


「それで、お出掛けしたいんだろ。どこに行きたいんだ?」

「どことかないのです。ユウトと出掛けるだけで、私は十分なのですよ!」

「そ、そうか……なら、今からでも行くか?」

「え?でも、もうすぐ暗くなっちゃうですよ?」

「大丈夫さ。街は明かりもあるし、夜の街ってのも良いかもだぞ」

「行くですよ!」

「よし、準備しろ」

「はいですよ!」


 ユウトとのお出掛け、それだけで体がうずいちゃうのですよ。ワクワクしてドキドキして、もう何が何だか分からないのですよ!

 私は急いで準備をしてユウトと宿を出たのです。外はすっかり暗くなったしまっていましたが、街はまだ明るかったのですよ。


「ユウト、行くですよ!」

「引っ張るなって!ちょ、ホントに止めて!」


 この時の私はユウトの声が聞こえないくらい興奮していましたですよ。だって、だって久しぶりにユウトと二人になれたのですよ?嬉し過ぎて爆発しそうですよ。

 ユウトを連れて街を歩いていると、あるお店が気になったのですよ。そこは、キラキラした物がたくさんあって女の人しかお店の中にいないお店だったのですよ。

 ユウトは、そんな私を見て優しく声を掛けてきたのですよ。


「どうした、入りたいのか?」

「は、はいなのですよ」

「そうか。じゃあ。入るか」

「えぇ!い、良いのですか!?だって、女の人しかいないですよ?」

「関係ないさ。ノラが行きたいとこだったら、どこだって付いて行ってやるさ」

「ユウト……」


 私はユウトの優しさで涙が出そうだったですが、何とか耐えてお店の中に入ったですよ。お店の中は外から見ていた時よりもキラキラしていて眩しかったですよ。見ているだけで楽しくて、ユウトと一緒にお店の中を一周したのですよ。

 その途中、あるものが目を引いたのですよ。それは、4色の宝石がそれぞれに嵌ったアクセサリーだったのですよ。濃い青い宝石が嵌ったピアス、水色の宝石が嵌ったネックレス、赤い宝石の嵌ったブレスレット。そして、一番目を引いたのは黒いのにとても輝いて見える宝石が嵌った指輪だったのですよ。


「どうした?……ん?おぉ、この黒い宝石凄いな。黒いのに輝いて見えるぞ」

「そ、そうなのです。スゴイと思ったのですよ」

「……もしかして、ほしい?」

「……は、はいですよ」

「よし、買うか」


 あっさり!あっさり過ぎなのですよ!一応ここは高級なお店なのですよ!?そんな即決で買うなんて言ってもいいのですか?

 私の気持ちなんて知らず、ユウトは私が見ていた4つのアクセサリーをカウンターに持っていき買ってしまったのですよ。


「ほら、この赤いやつをノラにやるよ。ほしかったんだろ」

「ほ、ホントですか!?あ、ありがとうなのですよ!」


 嬉しいのですよ!ユウトが買ってくれたことよりも、ユウトが私のことをよく見てくれていることが分かったことが嬉しいのですよ!

 私はユウトから受け取ったブレスレットをすぐに右手につけてみたですよ。宝石がキレイというよりも、ユウトからのプレゼントと思うと何よりも大切だという気持ちが湧いて来るのですよ。


「さて、次はどこに行こうか」

「うーん、この街のことはよく分からないのですよ」

「……星でも見るか」

「星ですか。見たいですよ!」


 いつもは見たいと思わない星でも、ユウトと一緒に見ると思うとなんだか楽しみなのですよ。私はウキウキ気分でユウトの後ろを付いて行ったのですよ。


 ユウトと歩いて約10分、街の明かりが少なく星が良く見える場所まで来た。まだ街の中みたいですが、この辺りはまだ建物も少なく野原みたいになっているのですよ。


「ノラ、空を見て、キレイだよ」

「……わぁ」


 ユウトの言う通り空を見てみると、そこには満天の星空があったですよ。いつも村で見ていた星空とは少し違う、とってもキレイな星空だったですよ。

 それから地面に座ってユウトと一緒に星空を見上げてたのです。しばらくして、ユウトがこんなことを言ってきたですよ。


「ノラ、お前はこれからも俺に付いて来るのか?」

「どうしてそんなことを聞くのですか?」

「たぶん、これからもっと強い敵や厄介な相手と戦わないといけない気がするんだ。そんな時、ノラや皆に何かあったら、俺は……」


 そう話すユウトの顔はとても苦しそうだったのですよ。そんなユウトを見て私は、やっぱりユウトと一緒に居たいという気持ちが強くなったのですよ。

 私は苦しそうにしているユウトにそっと抱き着き落ち着かせてあげたのですよ。


「ユウト、私はユウトとずっと一緒に居たいのですよ。だからユウト、私をずっと守ってほしいのですよ」

「ノラ……」

「でも、私だっていつまでも守られてるだけじゃなくて、ユウトを支えるくらいには強くなるつもりですよ!だから、それまでは守ってください。ですよ」

「分かった。ノラが強くなる間、俺も強くなるから。ノラには絶対に悲しい思いはさせないから」


 抱き着く私をユウトは優しく撫でてくれたのですよ。いつの間にか苦しそうな表情も消えて、いつも以上に優しい顔をしたユウトがいたのですよ。私は安心とユウトの温かい優しさで眠くなってしまって、そのまま眠ってしまったのですよ。


 眠る直前、私は誓ったのですよ。私は強くなって、ユウトを悲しませない。ユウトが安心できるように、私たちのことで気を張り詰めなくていいように……。

 それまで、待っていてくださいですよ。絶対、絶対に強くなってみせるのですよ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

視点変更


 おっと、寝てしまったようだ。それにしても、まさかノラに慰められるとはなぁ……。でも、ノラと一緒に居るとやっぱり落ち着く。なんだか抜けてるというか、いい意味でアホっぽいところが癒しなのかもな。あれ、褒めてるはずなのに馬鹿にしている気が……。

 俺はノラをおんぶしながら宿へと歩き始めた。その時、不意にどこからか声が聞こえた。


『ユウトを愛する者に、祝福を……』


 それはささやくような声だったけど、俺にはハッキリと聞こえた。これは、フローリアの声だ。フローリアがノラを祝福してくれているんだ。これなら、きっとすぐにでも強くなるだろう。俺の手助けなんかなくても、ノラは自分自身を守れるくらいに強く。


「ありがとう、フローリア」


 俺は空を見上げ聞こえるかも分からない、どこにいるかも分からないフローリアに向けてそう呟いた。すると、返事が返ってきたようで一言『どういたしまして』と聞こえた。


 その後、俺は笑顔のまま宿に戻った。ノラをベットに寝かせるときに見えたノラの寝顔は、寝ていると疑うほどに笑顔だった。

最後に女神さまがちょっと出ましたね。出番のないのは女神さまも同じだったので、出してみました。


次回から新たな章です。


お楽しみに~。

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