おまけ ノラの気持ち/ミリアの気持ち
今回の話はノラとミリアの気持ちを書いたものとなります。
ノラは11話と12話のを、ミリアはユウトに買われた時からの気持ちを書いてみました。
読まなくても本編にはあまり関わってこないと思いますが、より感情移入しやすくなるとは思います。
では、おまけをどうぞ~。
おまけ
ノラの気持ち
ユウトが本当に助けに来てくれた。いつものユウトじゃないけど、でも、私のことを心配してくれているのは分かるのですよ!
ユウトが心配してくれている。なぜか、それだけで胸がいっぱいになってしまうほど嬉しいと感じた。しかし、それはモヤモヤと心の中に居座る何かによって打ち消された。
ユウトは新しい奴隷を買ってしまったのですよ。だから、きっと私のことは……。
それからユウトと男の人の会話がしばらく続いた。男の人がまるで別人のような笑いやしゃべり方をしているのを見て、恐怖が膨れ上がった。
怖い怖い、と思いながらもユウトと男の人の会話を聞いていると、ある言葉が私の心を締め付けた。
「コイツが自分で言ってたよ。まったく、奴隷は<道具>だろ?何でそんなに固執する?壊れたらまた<買えばいい>じゃないか」
その言葉に、私はドキリとしましたですよ。男の人の言う通り、奴隷というものは世間一般的に言えば道具。誰かの物。
自分からなったとはいえ、ユウトからした私は奴隷でしかない。あぁ、こんなことなら奴隷になるなんて言わなきゃ良かったなぁ……。
そんなことを考えると、自然と涙が零れそうになってしまいましたですよ。あんなことを言ってしまった自分が恨めしくて、でもそうしないとユウトの傍に居れない自分が悔しくて……。
首元が痛い。けど、そんなこと関係なく心が痛い。
「ッ……うぅ、ユウトぉ」
また、口から出てしまったユウトの名前。本当はユウトなんて言っちゃダメなのは分かっているけど、それをやめてしまったら本当に私は奴隷にしかなれない。そう、思ってしまったから。
もう諦めよう。ユウトの傍に居られるなら、奴隷もいいかもしれない。心の中の暗い部分が、そうささやいて来る。
「(もう、奴隷で……私は、ただのどうg)」
そこまで考えた瞬間、私の暗い部分を吹き飛ばした言葉が叫ばれた。
「たとえ奴隷でも、俺はノラのことを大切にするって決めたんだ。守るって、決めたんだよ!」
ユウトが真剣な顔で、私の目を見ながらそう言ってくれていた。ユウトが言ってくれた言葉の意味、ちゃんと分かったですよ。
ユウトは奴隷としてではなく、私という一人を大切に思ってくれているんだと……。
そこで初めて分かったのです。あのモヤモヤの正体が、何なのかが……。あれは、ユウトの恋人には自ら奴隷となった私もなれないという事を、無意識に忘れようとしていたのです。
でも、ユウトは奴隷でも大切にしてくれると言ってくれたのですよ!
ありがとうですよ、ユウト。私はまだまだ幼くて、心も弱いです。だから、強くなるまで……守ってください、ですよ!
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ミリアの気持ち
私は生まれた時から奴隷だった。つまり、生まれも育ちも奴隷商ということになる。だから、奴隷だからと言って悲観する気持ちは薄かった。
けど、新しく入ってくる人たちを見ると、やっぱり奴隷とは酷いものだと感じるときが多々あった。
そんなことを考え続けた十数年、色々な人たちと話したり仲良くなったりしたけど、皆買われていってしまった。そして今日、私の番が来た。
私を買った人は若い男の人だった。一言で言えば、かっこいいお兄さんだった。でも、奴隷を買うってことはきっと自分の欲望を叶えるための道具としか考えていないのだろう。
戦闘奴隷として私を買ったみたいだけど、この人は冒険者なのだろうか。それにしては、武器を持っていないように見える。
それから、私のご主人様になった彼に連れられ宿屋のようなところに来た。そこで、ご主人様のご友人と思われる人が焦った顔でご主人様と話している。
聞くところによると、ノラという人が家出をしたらしい。それを聞いたご主人様はとても焦って、慌てて探しに行った。
数十分後、ご主人様は必死に探していました。しかし、成果はなし。そこで私は、自分のスキルで手伝うことを決めた。
しかし、私が話しかけるとご主人様は驚き、心なしかガッカリしている様子でした。失礼な人です。
私はご主人様の特徴に合う人というイメージを思い浮かべ、そしてここまで見つからないということを考慮して、裏路地のみを探してた。すると、案の定ヒット。
私はご主人様を連れ、ノラという人の元へと急ぎました。何故なら、ノラさんと一緒にもう一人、誰かが居たから。
それから、ノラさんがいるであろう場所に来ると、ノラさんが男の人に襲われているのが見えました。嫌な予感が当たってしまった。早く助けなけらば。
そう、思っていたのですが、ご主人様がすごく怒っているのが分かった。
そして、それを見た時「あぁ、この人に逆らったらダメだ」と直感で感じてしまった。それほどの、怒りだった。
その後、ご主人様と男の会話を聞いていると、不思議な言葉を聞いた。
「たとえ奴隷でも、俺はノラのことを大切にするって決めたんだ。守るって、決めたんだよ!」
私はこの言葉を聞いた時、理解できなかった。奴隷は道具…というのが普通の考えだ。なのに、大切にするって、どういうことなのだろう。
しかも、それは奴隷ではなくノラさん自身を大切にする、という意味を含んでいた。
私が混乱していると、ご主人様からの合図が聞こえてきた。そこで私は、一旦考えをやめ魔法の詠唱をし始める。
「はい。凍れ、全て凍れ、この景色を白銀に変えろ。《アイス・フィールド》」
私が放った魔法は地面を凍らせ、男をも凍らせ始めた。
男がほとんど凍った時、ご主人様が一瞬で男を殴り飛ばしノラさんを助けた。その光景を見て、この人は本当に大切にするんだな……と、思った。
この人は不思議な人だ。普通じゃない。けど、こんな人に買われた私はもしかしたら……世界一幸せな奴隷なのかもしれない。
「これからよろしくお願いします。ご主人様」
私は誰にも聞こえない声で、そう呟いた。
どうでしょうか。ちゃんと書けていたでしょうかね?
私は満足です(^▽^)
というか、ミリアは色々考えてい過ぎて会話メインじゃなくなったけど、気持ちを書いたから仕方ないね。それと同時に、ノラの気持ちをメインにしようとしたはずなのにミリアがメインになっているような?私の計画ガバガバ過ぎ(;´・ω・)
そんなことはどうでもいいか。第2章へ続く…。




