第10話 奴隷を増やす!異論は認めない
題名、勘違いしないでほしいです。別にユウトがノラを捨てる訳じゃなりません。
これでハーレム予定がハーレムに進化できる……かもしれない。
では、第10話どうぞ~。
それと、1000PVとユニークも100を超えました。ありがとうございますm(__)m
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これからもよろしくお願いします!
第10話 奴隷を増やす!異論は認めない
Cランクに上がったことと、ノラのことをジーンに話すために宿に帰還した。
宿に着くまでの間、ノラの頭をナデナデし続けた。ノラは顔真っ赤になった。うん、分かってた。だからやった。
「うーっす、ナタリアちゃんただいまー」
「あ!ユウトさん、おかえりなさい!」
宿に着くとナタリアちゃんが出迎えてくれた。テトテトと俺の元に近寄ってきてぺこりとお辞儀をした。
可愛い、まったくもって最高だ。とか思ってたら、後ろから何か冷気が漂ってきた。
「ご主人様、その子は誰です?」
「……ノラさん?どうしました?」
「誰、です」
冷気の原因はノラさんでした。怖い、怖いよこの娘!
この後、散々質問攻めされて……僕はもう死んでしまいました。とういうか、いつの間にかナタリアちゃんがいない!?
「お?おぉ、ユウト無事……じゃ、なさそうだな」
屍となった俺を見て、ジーンが憐みの目を向けてくる。
「……う、うるせぇ。まだ、俺は死んで……ねぇ」
「そこまで言ってねぇよ!?」
うるさいやつだ。ちょっと正座のし過ぎで足が麻痺してたり、長時間の説教で頭空っぽになってたりするだけだ。
それはさておき、ジーンに依頼中に何があったか、それとノラのことを話した。
「レッドグリズリーか……お前、強くなったな」
「そうか?それより、聞きたいことがあるんだがいいか?」
「ん?なんだ」
「奴隷を買うにはどこへ行けばいい?」
俺の言葉でこの場の空気が凍った。主に、ノラのせいで。
~数十分後~
「お前、馬鹿だろ」
「な……なぜ……(ガクッ」
またこってりとお説教されました。ホント、ノラの説教は命を削るぜ……。
「もうユウトなんて知らない!……ですよ」
ノラが怒って部屋へ行ってしまった。ちなみに、一部屋しかとってないのでノラが向かったのは俺の部屋ということになる。
「何であんなに怒ってるんだ?」
「お前、あの子がお前の奴隷になるって言ってるのに、まだ奴隷を増やすとか……デリカシーないな」
「仕方ないだろ。ノラは料理はうまいが、戦闘はできない。でも、ノラはきっと俺に付いて来る。だったら、ノラを守るための戦闘できる奴隷を増やすしかないじゃないか」
俺は痺れた足でどうにか立ち上がりながら理由を話した。それを聞いたジーンは考え事をしたかと思うと「それなら」と呟き、奴隷を売っている場所を教えてくれた。
もちろん、ノラは連れて行かないぞ。
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「いらっしゃいませ、本日はどのような奴隷をお求めで」
奴隷売り場?に来た。入り口、内装共に綺麗だったのは驚いた。しかし、奴隷が運ばれていくのを見ると、やっぱりここは奴隷を売るところなんだなと思わされる。
「戦闘ができる奴、性別は女だ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
戦闘奴隷、ジーンの話によるとそこまで高くはないらしい。今の手持ちが約50万コル。これで買えなければ、今日は諦めようと思う。
しばらくして、奴隷商人が一人の少女を連れて来た。見た目の年齢はノラといい勝負だろう。いや、別に深い意味はないが……。
「こいつはミリアと言いまして、一番有能な戦闘奴隷です」
有能……ねぇ。正直、奴隷の有能無能の判断は何でするのか分からない俺からしたら、この子有能というのはあまりセールスポイントにはならない気がするなぁ。
「有能とは、どういったところだ?」
「はい。まず、こいつは剣術の中級スキルを持っていまして、しかも、魔法を使えます」
な、なんだって!?ま、魔法が使えるなんて……珍しいな。これは、買えれば買いたいな。
「なるほど……ちなみに、適正属性は?」
「なんと、この世でも珍しい、水魔法の上位の氷魔法の適性を持っています」
氷魔法、これは水魔法を極めた者にのみ与えられる上位の魔法だ。だが、稀に水魔法が使えなくても氷魔法が使えるやつがいる……というのを例の本で読んだ。
「ほう……それで、値段は?」
「ここまでの奴隷となりますと、100万コルくらいにはなりますが……」
高い、100万コルなんておいそれと払える額ではない。だって、家が50万コルで買えるんだぜ。
「しかし、今回お客様は初めての来店ということで、特別50万コルでかまいません」
「……そんなに安くしていいのか?」
「はい。またご来店していただくための、投資のようなものです」
ニコニコとしている奴隷商人を見ながら、半信半疑で有り金全部を取り出す。
「50万コルある。だがその前に、本当に氷魔法が使えるのか、見せてもらえないか?」
「分かりました。おい、アレをやれ」
奴隷商人に言われ、ミリアが右手を部屋の誰もいないところに向ける。もちろん、俺は聞こえないように「コピー・オン」と呟いておく。
「氷の矢となりて、私の敵を討て。《アイス・アロー》」
ミリアが詠唱らしきものをし終わると、右手から冷気を帯びた30㎝くらいの氷の矢が現れ飛んで行った。結構な速さで飛んで行った氷の矢だったが、壁にぶつかる一歩手前で砕け、跡形もなく消えてしまった。
正直驚いた。自分で魔法を使った時よりも、誰かが使っているところを見る方が感動する。やはり、見る視点が違うと抱く感情も違うものらしい。
とは言っても、やはりあれは状況が違うし、比べる対象ではないか。
「どうでしょうか。これで、信じていただけましたか?」
「これを見せられて、信じない奴はいないだろ。分かった、買わせてもらう」
「ありがとうございます。それでは、奴隷契約に移りましょう」
奴隷契約、文字通り奴隷を自分の"物"とすることだ。
俺はあまりこの考えは好きじゃないんだが、奴隷とは本来、所有される物であって人じゃない。つまり、人権もくそもないのだ。
「それでは、これが契約書になります。お客様、血を一滴もらえますか?」
「血?……あぁ、分かった」
俺は自分の親指を噛み傷をつけ血を一滴、契約書に垂らす。ミリアも俺と同じようにして、血を契約書に垂らしている。
俺とミリアが血を垂らし終わると、契約書が一瞬光った。その光はすぐに収まり、奴隷商人はそれを見て満足そうに頷いた。そして、契約書わを手に取り渡してきた。
「これで契約完了となります。ミリアはお客様の物になりました。どうぞ、そのままお持ち帰りください」
「あぁ…」
何度聞いても慣れないな、人が物と言われるのは……。
俺はモヤモヤする気持ちを抑えながら、ミリアを連れて奴隷売り場を後にした。
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ミリアを連れて宿に帰ると、ナタリアちゃんとジーンが困った顔をしながら話をしていた。
「おい、どうした?」
「あ!ユウトさん!」
「ユウト、良く帰って来てくれた」
俺が話しかけると急に明るくなった。一体、何だっていうんだ。
「何があった」
「あ、あぁ、それが……」
………………な、ナンダテー!?
奴隷購入、金がねぇ……。この奴隷商人、できるぞ。
それと「性別は女だ」これは譲れない(`・ω・´)
そして、最後の気になる終わり方。引っ張るいやらしい戦法。
次回はユウトとノラの仲を一歩進展させるきっかけになる……そんな話になると、思います。
お楽しみに~。




