時間を止められたら
時間を止められたらどんな面白いことができるだろうと考えたので、題材ごと適当に仕上げました。
下校中に茶色のコートを着た紳士に出会った。
その紳士に時間を止められるスイッチを貰った。
見るからに怪しいスイッチである。
悩んだ末、とりあえず押してみることにした。
ぽちっ
周りの景色が全て止まった。
不思議な感覚だ。
戻してみよう。
ぽちっ あれっ
ボタンが凹んだまま元に戻らない。
何時間も格闘してみたが、元に戻らないらしい。
どうやら自分はこの一瞬に閉じ込められてしまったようだ。
どうすれば時間を元に戻せるだろう。
さっきの紳士に聞いてみよう。
紳士は道の先に佇んでいた。
紳士の時間も止まっているらしい。
紳士に話しかけても触っても一切動かない。
というか時間が止まっているのですべてのものが動かない。
動けるのは自分だけだ。
食べ物も動かせない。
いろんな場所に行ってみた。
川の上を歩けるし、人の上も歩ける。
だけど一切干渉はできない。
ただ硬いだけだ。
はぁ、何の悪戯もできないよ。
こうしてまた一人、一瞬に消えた。