なろうテンプレ小説に挑戦してみて、挫折した話。【改訂版】
こんにちは、僕はモブだ。
顔もスペックも平均なごく普通の男の子だ。
そちらの方が読者のみなさんが、主人公に感情移入しやすいからね。
そんなモブの鏡である僕は異世界にトリップすることになったよ。
何故かって?なんと、父親が病気で亡くなってから僕を女手一人で育ててくれた母親が恋人と一緒になるからと言って、僕を捨てていなくなったんだよね。
当然、まだ高校1年生の僕は絶望をして別の世界に行きたいと強く願ったんだ。
まあ、モブにもモブなりの事情があるんだなとふーんと聞き流してね。
それがご都合主義的展開によって異世界の神様に聞き届けられました。
ここでやっと主人公らしくなった僕。
モブっぽいのには変わらないんだけどね。
そんな感じで、異世界に行くと何と僕は主人公補正として強大な魔力を秘めていたんだ。
初めのころは、何故か言葉は通じるんだけど苦労して過ごしていた僕はそのことを知らなかった。
夜盗に襲われていた美少女を助けるために何か力が覚醒したわけです。
ここはまあ、お約束だよね。
しかし、この出会いは本当に幸運だったのだ。
何も知らなかった僕には無害な女の子に見えた彼女は実は凄い人だったのである。
その美少女こそ、大陸随一の賢者と謳われる魔法使いだったのだ。
助けた後で、実は邪魔だったとかさんざんに言われました。
この人が僕の素質を見抜いてくれて、弟子にしてくれました。
鬼畜なお師匠様(見た目はロリ美少女、ここテストに出るから覚えておくように。)に血へどが出るくらいしごかれ、どうにか一端の魔法使いになったよ!
お師匠様に恩返しをする為に仕事の依頼をどんどん受け始めました。
その過程で清楚系妹タイプ、妖艶系お姉さまタイプなど様々な顔の綺麗な女の子に好かれました。外見モブなのに不思議だけど、主人公だから当然じゃないかな。
うん、お前は私のもの?分かってますよお師匠様。
そんな感じで敵国に攫われたお姫様を助けたり、ややこしいダンジョンに行って伝説の秘宝を入手したりしているうちに「向かうところ敵なしの黒の魔術師」とか「全てを闇に帰す漆黒の者」とか厨二センス爆発の異名をもらいました。これをゲットしてこそ、ラノベの主人公だよね。
そんな僕に目をつけた王室に雇われることになって、この国の第一王女に魔法使いとして仕えることになりました。腐った王侯貴族が多い中で彼女は、芯が強くて情に厚く、更に聡明だったんだ。最初は僕のことを信頼してなかった彼女もなんやかんやあってすっかりいい主従となった。
けれど、最近王女様がおかしいんだよね。
僕の方を見ると良く顔を赤らめたり、声が震えていたりするんだ。
彼女が困っていれば僕は主人公として、颯爽と助けれるはずなのに…。
この後すぐ、魔族と人間の全面抗争の戦争になったんだ。
お姫様も必死で内政を取り仕切り、紛糾する城内をまとめていて、我ながらいい主君を持ったなと思いました。僕はと言うとガンガンに戦場に出されていました。
そこでも主人公的チート能力を発揮してどんどん功績を立てて行ったんだ。
最終的に魔王とのラスボス戦に勝利して、世界に平和をもたらしたよ!
その後、僕は英雄としてお姫様と結婚することとなりました。
夫婦仲はいいのけど、他の可愛い子にもモテモテでちょっとしたハーレム状態なのが困りどころだったりします。
どうです?自己投影をして頂いてスカッとして頂けたなら、しち面倒くさい目にあった僕も報われるんですが。