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愛から生まれた悪魔

作者: マリアンヌ

ちょっと中二!?って思うかもですけど中二病ではないです(笑)

僕は「人の愛し方」を知らなかった。


まず愛を知らなさ過ぎて、人との関わりに怯えていた。

だけどキミという存在に出会ってしまった。

か弱くてどこか消え入りそうで、だけどそれ以上に太陽の様な暖かさを持っていた。

僕はキミに憧れた。

そして愛した。

めちゃくちゃ大好きで、キミに何かあるのだったら全部背負おうとも思った。


だけどキミの愛している人は僕ではなかった。


僕とは正反対と言ってもいいほど性格は違うし、共通点なんてほぼ無いといってもいいかもしれない。

そんな子を、キミはこよなく愛していた。

確かにその子は愛らしい。

見ててこっちまで自然と笑顔になれる様な存在感があって、勉強もできて僕と比べモンにならないくらい素敵な子だった。

だからこそ、とてつもなく悔しかった。

「しょうがない」

「仕方がないことなんだ」

そう流してはいたのに、あの時僕がキミを助けていればとばかり思っていた。

その感情はやがて病へと姿を変えて、僕のココロの中の魔物、闇と化した。


毎晩のように震えながら、キミの名前を叫びながら泣いていた。

泣くたびに訪れる過呼吸は、死ぬほど辛くていっそ足掻くのをやめて死んでしまおうかと思ったくらいだった。

学校へ行っても授業ははかどらず、常に24時間、キミが頭から離れない。

また夜になれば僕の魔物が暴れだす。

正気を忘れないようにもがき続け、最後はひたすら息をしようと、死にかけの釣られた魚みたく酸素を求めた。


やがて僕のココロの魔物は成長しきって、間違った愛し方を覚えた。

それは今から思えば病んでいた。の一言で表せる。

その日からはキミのことを想いながら笑い、手首を赤に染めることを楽しみとしていた。


どんなに止めたくても魔物は聞かない。

何も通用しないのだ。

僕は通用しないと分かった時、自分が悪魔になってしまったことを初めて確信した。

眼は茶色から赤へ、爪と歯は吸血鬼のように鋭く尖った。痛みと共に背中の皮を破いて出てきた立派な羽根は、すぐにでも夜空を飛びまわれそうなくらいだった。


「なんて残酷なんだ」


寒い夜空に浮かぶ星々を見上げながら涙を流し、そして笑みを浮かべて僕は吐いた。

もうこのまま世界を潰してしまおうか。

そして僕とキミだけの世界に塗り替えようか。

口元を歪ませ僕はぼそぼそと言った。


きっと朝日が昇る頃には、世界は灰色一色であろう。

それは歪んだ、間違った愛から生まれた世界なのだろう。

それがキミを幸せにするものなのかは、誰でもわかる。


これはキミを幸せにはしてくれない。


イコール、僕はキミの幸せを世界と共に崩してしまったのだ。

最低最悪、きっと僕のようなヤツのことを悪役非道というのだろう。


幸せを奪ってしまってごめんなさい。

キミに許してもらおうなんてさらさらない。

僕は悪魔になってしまったみたいだ。

キミはおそらく天使か女神・・・いや、むしろキミが神様なのかもね。


もしまた生まれ変われるのなら、僕はちゃんと愛と、愛し方を十分に学ぼうと思う。


灰の世界よこんにちは。

ここでは僕がルールだ。

なぜなら僕が作り出したからだ。

必ず守らなきゃいけないルールがこの灰の世界にはある。


「大好きで愛しい者は、壊しちゃいけない」

誰しもココロが必ずあり、そこには魔物が宿っているでしょう。

でも、決して悪魔になるまで育ててはいけませんよ・・・。

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