表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お前は神を信じるか  作者: 美里亜
田口 誠 1
5/43

4. ゲーム

どこかで読んだんだか聞いたんだったか。

神は世界を動かすもので、個体には影響しない。

悪魔は個体に力を貸し、世界に無頓着である。

その定義でいくなら、世界を改変したこいつは神と言えるのかもしれない。




『こんにちは?こんばんは?まぁどっちでも良いよ。お決まりの文言から始めようか。』

この声が嫌いだと断言できる自分がいる。聞くたびに耳鳴りのような頭痛がする。


『つまらない世界よサヨウナラ!すてきに楽しいゲームをしよう!!さてさて、僕のところに何人来れるのかな?』

知らないと言い切れない開始の合図。

そもそも、この声はどこから聞こえてきているのだろうか?反響しているような、頭に響くような、スピーカーのノイズのような。あぁ、考えがまとまらない。


『私が作り替えた世界で楽しく生き残っておくれ。なに、弱いあなたたちのためにステキなプレゼントも用意してあるから安心していい。』

何に安心しろと?プレゼントって何だよ。第一、生き残る(・・・・)ってことからして不安しかない。


『素晴らしい世界。何故拒む?受け入れるのが賢い選択だ。拒絶は死へ直結する。順応せよ。適合できないなら消えるだけ。さぁ、遊戯の時間だ。』

何この煽り文句。つーか同じ声なのに、なんで区切れる度にキャラかわってんの?一人称まで違うし。今のはきっと我とか言い出すね。


『既に選ばれたのです、あなたたちは。逃げることはできません、クリアしない限り。権利ではなく義務になるのです、生きることは。』

文章は正しく主語・述語の順で言ってください。英語の下手な和訳みたいで気持ち悪い。


『ここまで来て。そしたら教えてあげる。そしたら叶えてあげる。生き残って。それが唯一の道だから。それが最低限のルールだから。』

ここってどこだよ。最低限だけじゃなくて基本的なことも教えといてほしいんですけど。


『The time it came.Let's start the game.』



きれいな発音で告げられたその瞬間、世界が軋んだ。

ひどい頭痛。思わず目をつむる。それと同時に頭に響く声。


「世界が書き換えられました。個々のデータを更新します。

 クラス、スキル、パラメーター適合完了。

 ———特典により、能力解放します。

 ゲーム、スタートします。」


言葉が終わると同時に目を開く。動き出すと思った世界が、


固まった。(・・・・)


「あ………」


無意味な言葉が口から漏れる。目をこれでもかというほど見開く。


「やあ。」


笑顔のモノ(・・)がそこにいた。それが発した声はさっきの長い演説のものと瓜二つ、いや、同一だった。


「ボク、いつものところで待ってるからね?ちゃーんと、答え教えてよね?約束だもんね!」


一歩づつこちらに近づくそれは、ひどく幼い子供のような、純粋な色をしていた。

手を伸ばせば届くそんな距離でピタリと止まる。

にっこりととてもきれいに、わらっ、た。



[—みの——事は——だ—?]

[俺が———は———を———。違う———を。]



「マコ!!」


ちいの声にはっとする。声の方をむこうとするとソレはつまらなそうに眉を下げた。


「あぁ、時間ギレぇ。ま、しょうがないかなぁ?」


「マコ!こっち!!」


さねが手を伸ばす。それでも俺は動けない。ソレから目を離せない。


「マコト!また、ね?」


友達にするようにソレは手を振って、消えた。

心臓が早鐘を打ち出す。嫌な汗がどっと出る。

すぐに二人がそばまで来て俺の顔を覗き込む。


「大丈夫か?!なんかされたとか!?」

「マコ、水いる?」

「だい、じょぶ。うん。……平気。」


心配そうな二人になんとか落ち着きを取り戻して答える。

さねはほっとしたように笑って、ちいは忌々しそうにアレの消えた場所を見た。

なんとなくいつものような緩んだ空気が流れ出した。


しかし、そんな風にのんきにしている暇なんてなかった。



ガシャン!ゴン!



にぶい、何かが割れるような音。そして少し遅れて響く悲鳴。


「ぅ、ああああああああ!!!!」


音と声のした方を向く。あぁ、世界が変わるって、こういうこと?どこかのんびりと考えた。


「まじかよ。」

「オーク?だっけ。もうちょっと雑魚ぽいやつの方が、まだよかったかなあ。」


半分現実逃避である。

鬼の様な浅黒い肌をした人型が木の棒……棍棒?を振り回し、人に襲いかかっている。

数は一体なんてわかりやすくチュートリアルのようなことは一切なく、目に見えるだけでも五体はいる。下の階からも悲鳴が聞こえ始めているのを聞く限り、このビルの中には数十体似たようなやつがいると考えられる。


「世界が、か。………って!さね!!」


呆然とつぶやいてる暇なんてないのを忘れてた。黒い影がさねのすぐ近くで動く。

どう考えたってゲームオーバー=死とか、冗談じゃない。体を引こうと手を動かす。しかし俺が手を伸ばすより早くさねが振り向き声を上げる。


「っ!フレイム!!」


声と同時、さねの手から炎の固まりが飛び出し、相手を焼尽す。


「は?」

「さね、おま……」


俺は呆然とつぶやき、ちいは何か言いたげに眉根を寄せる。


「初期値だとこんなものか。ま、いいや。とりあえず、この後どうする?」

「うんまぁ、話は後な。どうするよ?」


二人で何かわかり合っているみたいで疑問しかない。だがそれよりも、


「なぜ二人とも俺に聞く?」


どう考えたってわかり合えてたっぽい二人の方が状況把握してるだろ?なんで俺に聞いてんの?


「「いいから、はやく。」」


まぁ確かにこのままここにいても良いことはなさそうだし、いいんだけどね?

まぁとりあえず建物の外に出るのが先だろうか。多分交通網はあんなのがいる時点で機能してないだろうから駅はパス。もう少し広いところに出ていつでも逃げられるようにして作戦会議?

そのままできるなら安全な場所の確保。雨風がしのげて、ああいうモンスター的なのに攻められてもすぐに動けるか迎撃できるところが好ましい、と。家とかどうなってるかわからんし。


そもそもモンスターってどこか出現ポイントとかがあるの?それとも絶対数が送り込まれた状態でこれから先増えることがない感じなの?それによってだいぶ違うような……まぁともかく、


「一階まで生きて降りるのが一番最初?」


先のことはとりあえずおいといて目先のことだけ答える。


「機械類は止まってるみたいだし階段かエスカレータを駆け下りることになりそうだね。」


ですよねー。


「非常階段であいつらに遭遇したら狭いし、危ねぇからパスだな。」


あぁうん。さねの魔法で何とかなったけど狭いとこじゃこっちも巻き添えだよねー。


「やっぱり、そこのエスカレータを降りながら危なそうなら別のところのか階段使う感じかな?」

「だな。オレ目とかには自信あるし最初にいくわ。さねは一番後ろで上から来ないか見といてくれや。」

「うん。智加もすぐ声かけてね。」

「おーけー。」


……やっぱり俺いらなくね?二人で決まってんじゃん。え?拗ねれば良いの?なんなの?


「マコ?」

「ほれマコ、いくぞ。」


うーん。俺ってば足手まといポジなんじゃ……普通二人に守られながらとかヒロインちゃんのポジだろ?男でそれって……二人が気にしてないなら良いんだけどさー、うん。


「りょーかい!」


俺には空元気で笑って答えるくらいしかできなかった。


場面描写って難しい………書きたい事はいろいろあるのに上手く文章にならない……そして、ファンタジーってどうかくの(←

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ