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勇者side6 忍者side6


 勇者side6


 勇者たちの休憩は終わった。

「そろそろ先に進みましょうか。鍵を探す時間は少しでも欲しいですしね。疲労回復の瓶はあと数本になりましたが、疲労は割と回復できましたし」

 フウセンは立ち上がった。それにつられ、周りの面子も立ち上がる。

「同意する……のんびりしすぎて、鍵に時間かけれなくなったら本末転倒」

 最後にという気持ちで、水筒にいれた砂糖などをいろいろ入れた水。現代でいうスポーツドリンク的なモノをソラは口に含む。緊張の糸を張り直す。

「了解だよー」

 アカネは剣の位置、瓶の位置、補助道具の位置を確かめる。冒険するもののとって、アイテム類は生命線だ。

「さて、行きましょうか」

 勇者たちは歩きだした。先程引き返した部屋に向かって。


 勇者たちは、先程ゴブリンと戦った部屋についた。

「うわっ……血なまぐさいな……」

「これは、ひどいですね。自分たちでやったとはいえ、この部屋には近づきたくないですね」

フウセンは下、床を見ながら言う。

「オカルト的なことを考えそう……早く次の部屋に行こう……」

 ソラもこの部屋には耐えられないようだ。獣臭い獣人の臭いに、それから出ている、血。瓶のなかに入ってた液体も、いい臭いとは言い難く、この三重奏の臭いが鼻を刺激する。

「今後三週間は鉄分はやめときたいですね……」

 そうして、次の部屋へ行った。


 勇者たちは新たな部屋……その前の扉を見つけた。

「この部屋は……ほかの部屋より豪華な扉ですね。扉が無い部屋も多々あったというのに、ここまで豪華な扉があると――武器を構えたくなりますね……」

 フウセンが狂戦士じみた声色を出す。鞘に収まった大剣をだし、瓶を出しやすいところに設置する。

「興奮しすぎだよーフウセン。もっとゆっくりとしないとねーでも、戦闘体制を整えたくなる気持ちはわかるねー」

 細剣を構え、瓶を数個装着する。

「さて、開けよう……」

 既に手榴弾と瓶を手の届きやすいところにバッグから出したソラが、豪華絢爛な装飾を施された扉を開けた――」


忍者side6


「なんだ……このビンの量は……」

 コガネは絶句した。

「きつめのダンジョンなら普通だと思いますけどね。僕が持っている瓶の三分の一くらいですかね?」

 ミドリが魔法使い的な観点で解説を入れる。その中、コガネが瓶を手にとった。

「疲労回復系か……」

「魔法使い的観点から言うと、結構安全重視のパーティーの場合、これくらいの量を持ちますね。カバンは、三人で分担でしょうね」

 コガネが瓶に入っている液体の臭いが辛いと思い始めた。瓶は液体、薬草などの物質、地脈から作られる魔法から作られる場合が多く、薬草などの物質はキツイ臭いを放つ場合も多い。

「そろそろ行きましょうか。ここで瓶を見続けても仕方がないですし」

「そうだな。そろそろ次の部屋に行ってもいいだろう」


 次の部屋にコガネたちが入って最初にもった感想、それは、

 地獄

 だった。

「これはひどいな」

 血、獣、液体、臭いの三重奏。

「そうですね。軽く火薬の臭いもするので、手榴弾も使われてる気がしますね」

「どんだけ、激しい戦闘だよ……死体も横に積み上げられてるし」

「戦利品の剥ぎ取りも途中で終わってますね。実際、ゴブリンの戦利品ばかり手に入れても、あまり金になりませんけど」

「まぁ、少しもらってくか。一晩の酒代くらいにはなるだろ」

「僕は、この臭いの中、作業したくないですけどね」

「臭い位気にしたら負けだ。臭いなんて気にせず、酒だ酒だー」

「というか、さっきの獣人に同情する姿はどこへ?」

「こんな臭いを発する奴に同情することができるか?俺は無理だ」

「現金ですねぇ」

 死体の剣と衣服を次々と剥ぎ取る。

 数分後――

「こんなもんだろ。取りすぎて臭いが写っても嫌だしな」

「現金ですねぇ」

 そばに離れていたミドリが呟く。

「まぁ、死んだ奴は道具を使えないから、俺は有効利用しているんだよ。何もやっていなかたお前よりはましだろう?」

「僕は、回復魔法の亜種で消臭をしてたんですよ。あなたのために」

「気付かなかったぜ……」

「地脈から抽出できる割合も大きいですし、便利なんですよ」

「魔法を使えない俺には関係ないがな」

「魔法なんて、誰でも勉強すれば使えるのに……」

「才能で使えるか使えないかが決まる地脈抽出魔法を使えるお前にだけは言われたくないな」

「僕以外にも、地脈抽出魔法が使える人は結構な数いますし、地脈主義者みたいな活動していないので、大丈夫だと思いますけどね」

「地脈を叩く、瓶主義者も、瓶派に威圧的になる地脈主義者も魔法使えないものからすれば、ウザイだけなんだけどな」

「というか、剥ぎ取りがおわったのなら、先に行きません? 早く鍵見つけて帰りたいですし」

「そうだな。そうするか……」

 その先には――空いている扉があった。




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