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3話: 断片の迷路:心理戦の影
迷路の奥へ進む慧と雫の前に、別の参加者が姿を現した。
その者は静かに歩を進めながら、断片情報の配置を利用して心理的圧力をかけてくる。
「……他者の意図も計算に入れないと」
慧は心を冷静に保ち、相手の動きのパターンを解析する。
微細な視線の揺れ、手の動き、足音のリズム――すべてが情報だ。
雫は直感で、揺らぎの少ない空間を感じ取りながら進む。
「左側の通路が安全……ただし、相手もそこを狙うかもしれない」
心理戦が本格化する。
相手の動きを読みつつ、偽情報に惑わされず、断片情報を組み合わせる必要がある。
瞬時の判断ミスは迷路全体を混乱させ、進路を閉ざす。
慧は情報の断片を繋ぎ合わせ、最短経路を割り出す。
雫は直感で最も安定する光の揺れを頼りに、慎重に歩を進める。
「右に迂回……光の揺れが収まった瞬間に進む」
二人は呼吸を合わせ、相手の心理戦をかわしながら前進する。
迷路の中心に近づくと、情報の断片はますます複雑化する。
しかし、慧の分析と雫の直感は確実に噛み合い、二人の連携が迷路を攻略する力となった。
やがて、二人は迷路の出口を見つける。
「突破……成功」
雫が微笑み、慧も小さく頷く。
断片の迷路は、情報解析、直感判断、心理戦の総合力を試す試練であり、
二人の成長と信頼があってこそ突破可能だった。




