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17話: 心理戦区域:二重の影

通路を抜けた先には、長い円形の廊下が広がっていた。

壁には、それぞれの参加者の「過去の記憶」が断片となって浮かび上がっている。


「……俺たちの記憶まで使うのか」

慧は苦々しげに呟いた。


記憶の回廊では、過去の選択に対する後悔や葛藤が具現化し、進む者の精神を揺さぶる。

雫の記憶の中には、幼少期に見た不可解な光景が映し出され、彼女の特異体質の片鱗が露わになる。


「雫……無理に思い出さなくていい」

「ううん、大丈夫。これも“私”だから」


慧は自身の記憶の中から、過去に失ったものの影を見つけ、胸が締めつけられる。

しかし彼は冷静に断片を並べ替え、廊下の構造と対応させて出口の方角を割り出した。


二人は互いの記憶の痛みに触れながらも、補い合い、前へ進む。

やがて廊下の記憶が薄れ、出口への扉が静かに開いた。


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