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14話: 深部迷宮:偽装の連鎖
迷宮の深部を進む慧と雫。
前回の裏切りを経て、心理戦の緊張は一層高まっていた。
このエリアでは、断片情報が複雑に偽装され、真実の通路と罠の境界が曖昧になっている。
壁や床、空間そのものが断片情報の偽装で揺らぎ、どれを信じるかが試される。
「……偽装の連鎖か」
慧は分析者として、断片情報の矛盾を見極め、真実にたどり着くルートを割り出す。
雫は直感で揺らぎの少ない安全箇所を感知する。
「ここを進めば安全……でも相手も同じ情報を狙っている」
迷宮内では他の参加者も偽装情報を使って心理戦を仕掛ける。
表情や動作の微細な揺れから、意図を見抜き、行動を予測することが必要だ。
突然、通路の一部が偽装で閉ざされ、迂回を強いられる。
慧は分析で最短ルートを再計算し、雫は直感で最も安定した経路を導く。
「左に迂回、光の揺れが収まった瞬間に進む」
二人は呼吸を合わせ、偽装の連鎖を突破する。
迷宮の深部は、心理戦・情報解析・直感判断の複合試練であり、
連携と信頼がなければ突破は不可能であることを痛感させる場だった。
やがて、空間の揺らぎが静まり、次なる試練への通路が姿を現す。
「突破……成功」
雫は微笑み、慧も静かに頷いた。




