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10話: 断片迷宮:影との対話
試練の連鎖を抜けた慧と雫は、迷宮の奥で「影の領域」に差し掛かる。
そこでは光と影が複雑に交錯し、空間そのものが揺らいでいる。
歩くたびに影が伸びたり縮んだりし、微細な囁き声が聞こえる。
「……この影、ただの幻じゃない」
慧は分析者として、影の動きと囁きのパターンを解析する。
「誰かが意図的に操作している可能性が高い」
雫は直感で、影の揺れが安定する瞬間を見極め、安全な通路を導く。
「右の光が落ち着く瞬間に進めば安全……でも相手もそのタイミングを狙ってくる」
影の中には他の参加者も潜み、心理戦が開始される。
視線のわずかな動き、囁きの微細な変化、歩行のリズム――
慧は全ての情報を解析し、雫の直感と組み合わせて進路を選択する。
突然、影が壁から突き出し、二人を包み込むように迫る。
雫が直感で迂回ルートを指示し、慧は計算で最短の安全経路を割り出す。
影との対話は、一瞬の判断と連携が求められる。
心理戦、情報解析、直感判断が同時に試される試練だ。
やがて、二人は影の領域の中心にたどり着く。
光と影の揺らぎが収まり、次なる試練への扉が開く。
「突破……成功」
慧は微笑み、雫も小さく頷く。
断片迷宮のこの領域は、心理戦と直感判断を鍛える重要なステージであり、
二人の連携と信頼をさらに強固なものにした。




