きりん座と君
北極星のすぐ近くに、きりん座があるって、君が言うけど、
僕には、どれか分からなかった。
それでも、空を見上げる君の横顔が明るくて、
僕も見上げていた。
隣にいるのが、うれしくて。
ただ、それだけのことなのに。
一緒にいる、そのことが、とてもうれしくて。
星に詳しい君と、星のことはよく分からない僕。
そんな君を初めて見たのは、春。
それから二年経つけど、なかなか言えなくて。
星には、綺麗だよと言えるのに、
君には、同じことが言えなくて。
後、一年。
一緒にいられる日は限られてるって分かってるけど、
僕は、なかなか言えないんだ。
君への、本当の気持ちが。
心の中では、何度も、叫んでいるのに。
まだ、君に直接、言えなくて。
どうか、きりん座よ。
僕に勇気を分けてくれ。
本当の気持ちを、君へと伝えたいから。