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過去への扉がひらくとき  作者: 成城諄亮
FNo.07 支配人 カノウ
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第4話

 ついに、わたくしは部品が外れてしまい動かなくなってしまったロボットのように、電池が抜かれてしまって身動きが取れない電動のおもちゃのように、すべての気力を失い、そして仲間も失い、生きる意味を見出せなくなってしまいました。くたばってしまったのです。


学校に行っても、つまらない授業を受けるだけ。休み時間や給食の時間、掃除の時間となれば、仲間外れにされて終わる。それでは何の面白みも無いと思っていました。さらに、ひねくれていたとでも言えますかね。そもそも、わたくしは一人でも生きていける人間だと、小学生ながらに感じてしまっていたのです。今思えば、何て寂しい人生を選んだんだと言いたくなってしまいますが・・・。まぁ、こういう選択をしたからこそ、今のわたくしが形成されているとも言えてしまう。なんとも変なお話ですね。


 あの時、なんであの道を選んでしまったのだろう。そんな後悔を今まで何度してきたことか。選択しないで生きられるなら、どれだけ楽できるのか、なんてことを考えることもありました。でも、誰かに大切な自分自身の人生を決められてしまうのは、正直言ってつまらない。かと言って、自分自身で決めた人生が順風に行くとも限りませんし、笑ってもらえるほど面白いとも限りません。なんともまぁ難しい話なのです。


 勉強だって、別に学校に通わなくても一人でできる。そういう安易なる気持ちで、わたくしは塾にも通わず、家庭学習を選びました。しかし、分からないところがあって両親に訊いても、分からないの一点張りで教えてくれない。分からないからと別の問題に取り組んでも、同じところで躓いてしまう。何度やっても分からないから、結局両親に訊くしかない・・・。それの繰り返しでした。


そのため、中学校では勉強の面で苦労しました・・・・・・。わたくしの中では、五本の指に入るほどの暗黒なお話ですので、深くは語りません。語りたくもありません。まぁ、今のお話は無かったことにしていただいて・・・。


 ぼろぼろの状態で過ごしていたわたくしに、心にも、そして脳にも潤いをもたらしてくれたのが、ドラムでした。唯一の相棒・自分を支えてくれる存在といっても過言ではありません。


 幼少期、そうですね、四歳頃だったように記憶しているのですが、浜中仁様という、当時三十代後半の、大柄な男性の方に、ドラムの演奏技法について教えてもらっていました。


浜中仁様は二十代前半まで音楽活動をなさっておられたのですが、結婚をするにあたり、音楽の世界から身を引き、会社員となられたお方でした。そのため、ドラムを習えるのは週一回、土曜日の十五時から十七時までと決められていました。それでもわたくしはその一回のレッスンが楽しみで仕方ありませんでしたし、レッスン終わりからすでに来週の土曜日が来るのを待ち侘びていたのです。


 浜中仁様にはお二人のお子さんがいらっしゃいました。お兄様のほうは将来警察官になりたいと夢を語り、弟様のほうは将来消防車になりたいと、まぁ子どもらしいと言いますか、とても可愛らしい夢をお持ちになっておられました。


 っと、すみません。つい話が逸れてしまいましたね。引き続き、わたくしの小学生時代の話をさせていただきます。

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