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恋愛って楽しいか?  作者: ケイゴロウ
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親睦会開催前日、和樹とともに。

今日は親睦会がある前日。明日の親睦会の説明を帰りのHRでしている。俺と同じ班の藤宮舞と新井和樹は俺の近くにいる。グループの人数は一年生が三人と三年生が三人の計六人だ。


「それじゃ~、明日の親睦会のおはなしを~します~」


このおっとりしている話し方は吉川紗友里先生だ。

相変わらずの話し方だな。ちょっと面白くなってきている自分がいるのが怖い。


「明日の親睦会は~っ、出し物が二つあります~」


たまに『っ』ってはいるのは何なんだ。違いがわからんな。


「一つ目は~、かんたんなテーブルゲームです~っ」


「紗友里先生、テーブルゲームって何をするんですか?」


生徒の一人が先生に質問した。


「それは~っ、内緒です~っ」


先生は右目をパチっとウィンクしながら言った。質問した生徒が頬を赤く染めていた。

なんで紅くしてんだよ。ウィンクされたぐらいでそんなにうれしいか?


「あんな先生にウィンクされただけで照れるなんてたかが知れるわね」


呆れながら言った女の子は藤宮舞だ。


「それは言いすぎだろ。たかが知れるって女の子が使うんじゃない」


俺は舞にだけ聞こえるような声で言った。

まったく舞は悪びれなく言うから怖い。この子は本当にオープンな子だな。それだけはっきりしてるからこそ()()になりたいって思えたんだよな。

舞と話している間に二つ目の話になっていた。


「二つ目は~、チーム対抗でスポーツをしてもらいます~っ」


先生が不敵な笑顔で言った。

俺やにしかわからないような普段と変わらない笑顔で。スポーツ?不敵な笑顔で言ったからこそ何か意味があるだろうな。明日になればわかることか。


「ねぇねぇ茂。今日茂の家にいってもいい?」


和樹が小声で俺に聞いてきた。


「俺の家に?なぜだ?」


「ちょっと相談したいことがあるんだ。和樹にしか言えないことなんだ。だからお願い!」


和樹は小さく頭を下げた。

ここまで友達にされたら聞くしかないか。俺も一つ話さないといけないことがあるしな。






時間が過ぎ俺と和樹は家に着いた。

俺の家はどこにでもある二階建ての一軒家だ。俺の家に入り一階にあるリビングに向かった。和樹をリビングにある三人用もソファに腰かけさせた。俺は冷蔵庫にあるお茶を取りコップに入れ和樹に渡してからソファに腰かけた。


「大したもてなしはできないけどよかったら飲んでくれ」


右手に持っていたお茶を差し出した。


「ううん、全然大丈夫だよ。僕のほうこそごめんね。急に家に行きたいなんて言って」


和樹は悪びれた表情をしながら軽く頭を下げた。


「俺に相談っていうのはなんなんだ?」


俺はさっそく本題に行くことにした。


「相談っていうのはね....」


和樹の言葉が止まる。

そんなに言いにくいことなのか?いったい何の話なんだろう?


「どうしたんだ?そんなに言いにくいことなのか?」


「いや違うんだ。茂に嫌われたくないんだよ!」


和樹が静かなトーンで言った。


「嫌われたくないって何がだよ」


俺は内心訳が分からず動揺しながらも落ち着いてきいた。

すると和樹は言った。


「今から話すことは二つあるんだ。そのうちの一つが絶対嫌いになる内容なんだ!だから話したくないんだ!!」


和樹がさっきよりも取り乱し言った。


「何言ってんだよ!話したいって言ったのは和樹だろ!それに話さないことにはわからないだろ!」


動揺を露わにしたが言った。


「嫌いにならないって約束してくれる?」


和樹は怯えた表情をして声を振るわせながら言った。


「それは断言できない。けど、話すだけ話してみたら?じゃないと和樹がつらいままだろ?」


俺は落ち着きを取り戻して和樹の目を見ていった。


「実は....」


ここで俺は初めて親睦会をする本当の意味を知ることになる。

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