自己紹介で、変わった女の子を見つける
俺と和樹は教室の中に入り席に着いた。
「どうやら俺らが最後だったみたいだな」
「そう見たいだね」
そういい、一番前の席に座った。
みんなを待たせてしまったみたいだ。次は絶対に早く来よう。
「B組のみんな~、ちゃんと席についてるかな~」
教室に入ってきた先生が言った。
なんだ、あのおっとりした言い方は?眠たいのかやる気がないのか、はたまた両方なのか?
まあ大した問題いじゃないから聞かないでおこう。
「きょ~から~、いちねんかん~、Bクラスの担任の~、吉川紗友里といいま~す。仲良くしてくださいね~」
「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」」
クラス中の生徒が先生の表情や表現で全員が悩殺状態だ。
確かに整った骨格、声の高さ、そして何よりあの大胆な服装だよ。なんだよあの服装、胸出しすぎにも程があるぞ。先生がしてもいい恰好かあれは?
「はぁ~い、静かにしてね~。今から自己紹介をしてもらいま~す。順番は私が指名していきま~す」
先生と目が合った。まじか、俺が一番最初か。
「俺ですか?」
「あなたから~、お願いしますっ」
やっぱり俺かよ。まあいいや。
俺は席を立ち黒板の前にでた。
「俺の名前は古木茂。特技はスポーツと勉学です。趣味はトレーニングで、腕立てなら百回はできます。目標は...特にないかな」
自己紹介が終わり自分の席に座った。
周りからは拍手とキラキラした眼差しが向けられた。
めっちゃ照れるんだよなー。
「はぁ~い、ありがとうね~。じゃ~次は~、新井君にお願いしてもいいかな~?」
先生が和樹のほうに視線を向ける。
「ぼ、僕ですか!?」
「そうですよ~。新井君はあなたしかいませ~ん」
「わ、わかりました」
和樹が黒板に向かった。
「ぼ、僕の名前は新井和樹です。遊ぶことが大好きなので気楽に遊びに誘ってほしいです。この学校では楽しい学校生活を送りたいよ思います」
上手く自己紹介ができたようだな。最初は緊張していたように見えたが気のせいだったか。
「ありがと~、次は~、そこのおんなのこ~おねがいしま~す」
窓際の女の子に視線を向け言った。
無言のまま窓際の女子が席を立ち前に向かった。
「私の名前は藤宮舞です」
ん?終わりか?他のことで何か話すことは無いのか。
「え~っ、も~終わりですか~?」
「はい、他に紹介するものがないんで...」
「わかりました~。もう結構です~」
舞と先生のやりとりが終わり舞は自分の席に戻っていった。
舞って女の子、なんか違和感があるんだよなー。なんていうか人と極力かかわりたくないっていうオーラが出てるんだよな。誰かに似てるんだよな。
考え事をしていたらいつの間にか自己紹介が終わっていた。
「自己紹介もおわったし~、今から学校の中を~説明しま~す」
ダメだちょっと腹が立ってきたな。
学校案内が終わり帰りのHRの時間になった。
「きょ~は~、これで学校は終わります~。気を付けて帰るようにしましょ~ね~」
これで終わりか。案外長く感じたな。
Bクラスの生徒たちは席から立ち教室を出た。
「茂、一緒に帰ろうよ」
和樹が俺に話しかけてきた。
「おー和樹か。すまん、ちょっと用事ができたから先帰っててくれ」
俺は和樹に言葉を残して教室を後にした。