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第14話 もう冬で、そして B

テストや模試などが重なってなかなか更新できませんでした。

今日から復活したいとおもっています~

皆さん再びよろしくお願いします


次の日、登校した俺の目に飛び込んできたのは黒板にでかでかと

書かれていた言葉だった。

『もうすぐクリスマス! 今年は誰と過ごすんだぃ?』

別に俺宛へのメッセージではないのだから気にすることもないのだが、

青春時代の絶頂期にいる少年少女たちにとっては大きな問題だった。

「有志くん!有志くん! 」

朝からでもテンションが高いコイツは空気も読めないらしい。

「なんだよ、猿山。 朝からテンション高けーよ、というか黒板のないようはシカトか?」

「ちがぁう! 黒板のことについてだよっ!………これ、誘ってるよね」

………限りなく馬鹿だった。

「これはこのクラスの女子が僕達に対して誘っているんだ! そうに違いない!」

「どうしたらそんな答えに行き着くのか俺には分からんよ」

「なにっ! そうとしか読み取れないだろう!? よし、俺はクリスマスまでのこの期間で

 絶対に彼女をゲットしてみせる! そのために今日から髪形を変えるっ!」

坊主であるその髪型をこれからどうしようというのか。

というか、その前に性格から改善したほうが効果的だと思うぞ。


「誰と過ごす………か」

「ま、それは去年と同じく俺とでしょ!」

「そうだな……ってええ?」

俺の独り言を会話につなげたそいつは、雪丸だった。

「おっはー、有志」

「お、おう」

「まー、負け組みは負け組み同士、ってなー」

そういえば去年もコイツと過ごしていた様な気がする。

そのときは、ほかのクラスの負け組み(雪丸チョイス)もいたっけな。

地獄だった気がする………。

そりゃあ……男だけでむさくるしいのもあったけど、そいつらの会話がなぁ。

クリスマスをぶっ壊すやら、暴動を起こすやら、外国の行事なのに盛り上がるなとか……

いや、俺らもその名目で集まってますから。

敵はすぐ近くにいたな。

「おーい? どしたー、有志」

「ああ、いや、………去年の地獄を思い出してな」

「あー、まぁ、仕方ないね。 そういう奴らだから集まったんだし」

正解です。だから盛り上がるんです。

唯から電話がかかってきた時は死ぬかと思いました。

「うぉぉぉぉ! これはどういうことだぁー!」

教室のドアを突き破るようにして栗原は入ってきた。

そのまま黒板と睨み合いをしている。

「なんだこれはっ! 彼氏のいないあたしへのあてつけかっ! いや、挑戦状か? 

 どちらにせよ削除ー!」

黒板消しを両手に持ち、教壇の上で舞う栗原。

コイツもコイツでテンションが異常なほどに高い。初期の雪丸の設定を

ぶち壊すかのようなキャラだ。

「設定とか言うな! というか、本当に俺のキャラはどーなってんだー!」

雪丸が頭を抱えて崩れ去る。

地雷に触れてしまった。確かに今の雪丸はただのクラスメイトと同等だからなぁ。

「分かってる………そうだよな、俺のピークは第7話 繋がりは… までだよ」

「やめろ! なんか糞リアルだ! お前は鬱キャラにでもなる気か!」

「ええーい! 今から彼氏を作るぜっ! そのために私はテンションから変えていこう!」

あ、なんか聞いたことのある台詞だ。

そしてこちらは自分の改善すべき点が多少分かってた!

「あ、でも私はこれが売りだから無理かな?」

リアルに断念しましたー!


「うぉぉぉぉい! 蜂の巣にされたくなければ道をあけなぁ!」

ガトリングガンを抱えた里中と、呆れたような顔をしている織宮が教室に入ってきた。

というか、銃なら何でもいいのか里中は……。

そういえば、雪丸との会話で思い出したが織宮の木刀は? 最近見てないんだけど……

キャラの軸がぶれてきてるな。

「とりあえず危なっかしいガトリングガンはしまえよな、里中」

「なにぃ!? 私は黒板の状態が知りたくて」

ああ、コイツでしたか。なんとなく予想はついてたけどな。

「言っておくけどお前のせいで猿山が何か勘違いを起こしていたからな」

「うむ、私には関係がなさ過ぎる」

いや、むしろ関係しかないと思う。

「んで、織宮もおはよ」

「お、おはよ」

「みつけたぁー!」

猿山が転がりながら教室に入ってきた。

「いよぉし! 単刀直入に言う、みやびちゃん! すきだぁぁぁぁぁぁ!」

「え、ぇ? そ、そんなこと急にいわれても……」

おい、いつものテンションはどうした。

栗原は目を潤ませて、顔がだんだん赤くなっていく。

髪を縛っている黄色のリボンに触れ、もじもじし始める。

え、なにこれ、いつからのフラグ?ドッキリか?

そんな光景に、その場にいた誰もが固まる。

猿山は手を前に突き出して、頭を下げたまま動かない。

ボケもなしか………、んで栗原のテンションも無しぃ?


「わ、私は……えっと、その……猿山君のこと、嫌いじゃないよ」

「え……じゃあ」

猿山は下を向いたまま言った。

「でもね、好きな人が……いるの。だから……ごめんね」

「ぁ、、ぃ、、そ、そうっすか」

うっわー、なにこれ。こんなシーン今までにあったか?

「う、」

「う?」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

猿山は高速でこの場から逃げ出した。


「ふぃー。これでいーかな?」

栗原が肩を回しながら言った。

「え?」

「いやさー、いつも通りこのテンションで断ったら面白くないじゃん?」

面白さを求めるなよ。

「ま、これで猿山君も普通に傷ついたでしょ」

「お前はドSだったのか!」

何気にひどいことしているからな。

「おー、いいなそれ。私にも教えてほしいわ、ガトリングつきで」

まったくもって意味がわからない!

つうか教わって何するつもりだっ!

「ま、とりあえずお前ら座っときなよ。先生が困ってる」

火乃村の冷静な声が聞こえたのだった。








今年はどーするの?って聞かれたってどうともいえない。

だって相手が何考えているか分からないんだし、そもそも私が誘えるのかどうか……。

いっそのこと思い切って誘っているべきか?

でもでも、恋人同士でもないのに誘ったりとかしたら……。

『これを機につき合っちゃえばいいじゃん』って千恵は言うけど。

簡単なことじゃないでしょー。



みんなが思う、それぞれのクリスマス。















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