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第14話 もう冬で、そして A

今のところ、第14話で最終回にしようかと考えています。

すでに夜は超冷える時期になっていて、外に出た自分が馬鹿みたいだった。

とはいえ、冷蔵庫の中身が空だったのだからしょうがないが。

こりゃ雪でも降りそうだなーと考えていたら本当に降ってきそうだったので

考えないことにした。

それにしても寒い。

マフラーでも引っ張り出してくればよかったと本気で思った。

町はなにやらイルミネーションで彩られていた。

ああ、クリスマスも近いもんな、と納得した。

今年はホワイトクリスマスになるのだろうか?

雪が降るのは嫌いだな。

寒いから。………まぁそんだけの理由なんだけれども。

そんなことを思いながら、スーパーの自動ドアをくぐった。



中に入ろうが、体感温度は変わらない。

そりゃあ……生鮮食品を扱ってるからそうなんだけれども。

かじかむ手をさすりながら今日の晩御飯を考える。

別にそんなに料理のレパートリーが多いわけではないが、それでもそこらの

男子よりかは出来る……と思う。

魚か肉か、どちらがいいかとそう考えていたとき、

何やら向こうのほうで声が聞こえる。


「うわっ! 猿山君がいるよぉ………」

「なんだその、どうせ会うなら違う人がよかった、見たいな反応は!」


………猿山と里中だった。

なんでこんなところにいるんだよ、というか何で今日に限って!?

他人のふりだなここは。

近くにあった魚のパックを買い物かごに放り込む。

今日は鮭のムニエルで決定だ。簡単だし。

というか早くこの場から帰りたい。

早足でレジに向かおうとしたところ、


「ああっ! 杉水君じゃん! おーい!」

「おおっ! 有志くんか! こっちー!」


呼び止められた。









「で、お前ら何してんの?」

レジに向かうのはやめにして、話すことにする。

「私は今日一人だから晩御飯買いにきたの」

「僕は

どうやら里中は今日親がいないらしく、晩御飯を買いにきたといったところだった。

買い物かごには………惣菜、惣菜、……。

「ってか惣菜ばっかじゃん!」

「僕の話は!?」

「いやー私って料理できないからさー」

「僕の存在は!?」

「んなら今日俺んちで食べてくか? 唯とかも呼んで」

「おーそりゃいいねー」

「僕の買い物かごの中身は!?」



と、まぁ、猿山をシカト気味に(さすがに家には招いた)家への帰路に着いた。




家に帰る途中、唯が曲がり角から飛び出してきた。

いや、最初はミイラかと思った。

なんてったってマフラーをぐるぐるぐるぐるぐる巻きにしていたから。

「お前はミイラか!」

突っ込むしかなかったのだが。

「ふはは! メールにいち早く反応してピラミッドから出てきたぜ!」

あ、乗ってくれるんだ……。

「ならば! 私が射殺してやんぜ! 火を噴けマグナーム!」

「ちょ、千恵………いいかげん夜なんだから」

ノリで織宮も入ってきた。

「どーだい! 私のこの『自然導き術』! これに頼ればあら不思議、いつの間にか友の輪の中に!」

「こいつらはなに言ってんだ……」

突っ込むのもそろそろ疲れてきた気がする。

「そういえば織宮、なんやかんやで久しぶりだな」

「えっ! ああ、そうね。うん、そうだそうだ……」

一人で何やら納得している。

「あっ………星」

織宮が小さくつぶやいて上を見上げる。

俺もそれにつられて上を見る。

黒を背景に、宝石がたくさん散りばめてあるようだった。

綺麗─────だった。

「オリオン座──────か」


誰かがつぶやいた。


「クリスマスも………もうすぐだもんな」

そんな俺の言葉に、女子軍が反応を示す。

びくっと飛び上がって見たり、うつむいてみたり、ニヤニヤしてたり(これは里中)

「そーだねぇ……そのときまで彼女つくらんとなぁ~」

言ったのは猿山。

「ほう、ほう! 誰を狙ってるんだぃ? ミスター猿山!」

また何を思いついたのか、里中が猿山に寄っていく。

「そうだなぁ、本気ガチでいったら………雅ちゃんあたりかなぁ」

栗原 雅。俺たちのクラスのクラス委員であり、明るい性格と髪に結んだ

黄色のリボンが特徴的な女子。

テンションの異常なときもあるが、まぁ、いい奴ではある。

「う、うわ! 猿山君ガチで選んでるかも!」

里中のリアクション………最近は自分のキャラ見失ってないか?

いや、キャラなんてなかったか……。



風がひゅん、と吹いて俺たちを縮こまらせる。

もう、冬で。そして、クリスマス。

 













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