第12話 文化祭♪ B
結局のところ、クラス別の出し物は『お化け屋敷』となった。
素人のお化け屋敷なんて萎えるだろ、という案もあったが、
文化祭は、学校外からも人が来るので、子供向けにということでおさまった。
「にしても……お化け屋敷とは……」
微妙である。確かに食べ物や、喫茶店などに比べたら楽な方なのかもしれないが。
「いいじゃん!お化け屋敷〜 俺はヴァンパイヤ役やりてーな!」
雪丸が目を光らせて言う。
「そんなかっこいい役なんてねーだろ。普通に吸血鬼とかだろ。」
「え?何が違うの?」
そう問われても……俺にはわからん。
「いやぁ!冬島君はちっさいから死んだ子供の霊役ね!」
テンションにさらなるエンジンをかけてやってきたクラス委員長──栗原 雅。
「何で俺そんなリアルなのやるの!?」
「普通のお化け屋敷だと思うなよ!こんにゃくぷらーん!?甘いわ!
うらめしや〜!?糞食らえ!一枚足りない……!?馬鹿かっ!」
▼くりはらのてんしょんがあがった。
▼すぎみずはにげようとした。
▼しかしまわりかこまれてしまった!
「こんなもんでやってられっか!超完璧究極最強天上天下無双完璧神のお化け屋敷作ってやんぜ!」
▼くりはらはさらにテンションアップした。
▼すぎみずはつっこんだ。
「かんぺきって2かいいってるぞ……」
▼くりはらにはぜんぜんきいていない。
「とりあえず……心臓の弱い方はご遠慮させてもらおうか……
後、念のためにAED置いておこう!ガキには悪いがトラウマを
植えつけさせてもらうぜ!」
「お前は一体どんなのをやるつもりなんだっ!」
有志の突っ込みむなしく、栗原は止まらない。
「さてぇ!役決めだぁ!」
「僕はなんかかっこいいのをやりたい!」
そこに出てきたのは馬鹿──猿山 輝。
いつものようにキザったらしい笑みを作ってこちらにやってくる。
言っておくがかっこよくないぞ。
「ならばキミには、こんにゃくの役をやろう!」
「あれ!?こんにゃく甘いって言ってなかったっけ!?」
その場のノリで。猿山→こんにゃく………と。
「ねぇ!?聞いてるかな!?こんにゃくなの?」
「さーて次は……と。」
すでに猿山はスルーされている。栗原の目にはもう映っていないようだ。
目にキラリと光るものがあるのは気のせいか?
「いいえ、涙ではありません。こんにゃくです。」
「俺、俺!この雪丸めにふさわしいのは!?」
元気よく腕を伸ばしてはーい!と手を挙げて見せる。
別に今は休み時間です。
とくにMRということは無い。
「あ、君はさっき言ったでしょ?」
「え!?本当にそれなの!?うわぁマジか!」
▼ゆきまるはこうぎした。
「もっといいやくをやらせろ」
▼くりはらはきいていないようだ。
▼ゆきまるはせいしんてきに9999ダメージをうけた。
「ぐわぁぁぁぁ!」
雪丸が力尽きてしまった。
容赦ないなぁ………栗原。
「つ〜ぎは〜〜里中っちに〜〜〜」
そういって栗原は里中を探しに行った。
とてつもなくいやな予感がするし。
そして授業中。クラス委員であるにもかかわらず、授業そっちのけで
ルーズリーフに何かを書き込んでいる。
(お化け屋敷案?つうか授業うけろよ……)
俺の念力?が伝ったのか、こっちを振り向く。
「お、おぅ?」
手を振って返してみる。
ニヤリッ!
不吉な笑みを作り、即座に先ほどのルーズリーフに何かを書き込んでいく。
マジで不安。あの笑みに一体何が含まれているのかかなり気になる。
今日2回目。いやな予感がする。
親指を立ててこちらを見ている。ルーズリーフは、完成したようだった。
折りたたまれて筆箱のしたにひかれている。
(何がGOODなのか理解ができない。とりあえず怪しいことだけは確かだ。)
雪丸と猿山は、うなだれている。
それもそうだろう、(猿山なんか特に)変な役があたったのだからな。
教師は、大丈夫か?保健室行くか? などと話しかけている。
保健室で治せない傷がそこにあるのです。
つうか保健室行ったら逆効果だと思う。
なんてったってあの先生だから。
そんなことを考えているうちに授業が終った。
ついに第40部分までいきました!
皆さん応援ありがとうございます!
▼なりつきとこよはてんしょんがあがった。
▼しかしらんきんぐはあがらない!
▼せいしんてきに9999ダメージをうけた。
へんじがないただのしかばねのようだ。
いや!生きてますから!これからもがんばります!