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第12話 文化祭♪ A

体育祭が終って一段落………できると思ったがそうでもなかった。

この学校は行事が連なる。いま、MRは体育祭の反省ということになっているが、

「いやほーいっ!こんな面倒くさいことさっさと終らせて次行こうぜっ!」

クラス委員。栗原 雅がテンションアップした。

次、とは、次の行事のことである。

それは、たぶん体育祭より盛り上がるといわれるだろもの。


文化祭である。


「栗原さん。しっかりと反省会、してね?」

そう促すのは、超?久しぶりの登場。担任のうめさき先生。

「先生、お久しぶりです。反省会……やりますか。」

そう、栗原がつぶやき終えたのと同時に、梅崎先生は叫んだ。

「ひさしぶりっ!じゃない!あなた達とはいつも会ってるわよ!

 作者が描写しないだけで、ちゃんといるんですからっ!」

私のこと分からない人はキャラクタープロフィールを見てね、と。

「先生、そういえば彼氏とはどうなりました!?」

テンション高めに栗原。

誰もがそれは触れてはならない部分だと分かっていた。

なぜなら、自分から話を振ってこないから。そんなときは大抵、よからぬことが……

しかしときすでに遅し、地雷のスイッチを入れた。

「ふふふ……、彼氏?そーんなのいたなぁ……」

確か彼氏は小説家とか言ってた。

「彼ね。作品を出版したんだけど、全然駄目だったの。しかも自費出版。」

ドンマイ、としか言いようが無い。

自費出版て……、どこの出版社にも所属してないのかっ

「それでね、大量に本が売れ残って、しかも全部家に帰ってきて………

 そんで彼はヒステリック起こして、人工ダイヤモンドの話を永遠にされて……」

何故に人工ダイヤモンド?というか自分の本が返ってくるって

地獄絵図に近いのかもしれない。しかも売れ残り。

「私は、そんな彼が馬鹿馬鹿しく思えて、そして思い知ったの。

 人間は、最初だけ自分の外面を取り繕うんだって………」

かなりリアルでしかも悲しい。

誰かこの先生を止めてやってくれ。

「さーて!そんなことより!文化祭のクラスの出し物を決めよー!」

さらに一段階テンションを上げての栗原の発言。

「いや、まてよ!この事態どーすんだよ!しかもそんなことよりじゃねぇ!」

流石に突っ込まずに入られなかった。放置って……

先生は、パイプ椅子に顔をうずくめて、泣きだしている。

それはもうなんというか……表現しがたいものであった。

………一言で言えば……『痛い。』

「せんせー!そんな過去のことばっか言ってても何も始まらんですよ!

 前だけ向いて進めば!いつかは!」

がっし、と先生の肩を強く抱く栗原。

何だこれは、なんなんだ。

「そうね!栗原さん!私が間違っていたわーーー!」

目を輝かせて復活する先生。

この状況に対応できる生徒は、残念ながらこのクラスにはいなかった。











「さ、気を取り直して。文化祭の出し物、何にするー?」

よく通る声がクラスに響く。

しかし、出し物などと急に言われても思いつくものが無い。

「ま、例を挙げれば 喫茶店、演劇、展示会、などがあるだろう。」

いつも通り火乃村がいった。

例を挙げてくれるなんて……助かるぞ、

それが通じたのか火乃村は、フッ と小さく笑ってみせる。

「僕に考えがあるぞっ!」

言い出したのは猿山 輝。地上最強の馬鹿と言われるほどの男。

ろくな考えが出てきそうも無い。

「火乃村君の意見の中に喫茶店というものがあったよね。僕はそれがいいと思うんだ。

 でもね、ただそんな店じゃあ誰も食いつかないと思うんだよね。」

これだけで周りからは、驚きの声が。


 おおっ、猿山がまともなことを言っているぞ!

まじかっ!ここに来て覚醒を始めたかっ!



「それでね。やっぱりインパクトが必要なんだよ。だからね………」

クラスのみんなが息を呑む。

初めて覚醒した猿山の意見を受け止めるために。

口が開く。

みんなは、身構える。

そして──────言った。

「メイド喫茶にすればいいんだよ!」


………唐突に訪れる音の無い時間。

白けた。いや、みんなが口を空け、魂を抜かれたようになっている。

やっぱり─────コイツは馬鹿だったと。

「ふ、ふざけんな─────っ!」

代表して織宮が木刀を取り、身体を捻って思いっきり体重を乗せた木刀を振るう。

ズドン、と危なっかしい音が。

骨は………無事だろうか?

「じゃあ!私は有志のメイドになる!」

そういいながら教室のドアを勢いよく開けたのは唯。

「てめぇは違うクラスだろうが!」

つい立ち上がってしまった。

「え?わーーーーー!」

梅先先生に連れられて、廊下へと消えて行った唯。

何故に来た?つうかタイミングがおかしい、じゃあって……


「わかったわかった。そうだな、んなら射的屋にするか。」

そういったのは、言うまでもなく里中。

いつも通り、銃関連の話をねじ込ませてくる。

「射的にすんのか……?やっぱ銃はお前の持ってる奴で……」

「ふふふ。私の改造を施した最強の猟銃、じゃない!エアガンを……」

「待て!なんか今おかしかった!明らかにおかしいもの混ざってた!」

不気味に笑う里中は、すでに危なかった。

というか改造するな!マジ危ねぇから!

この教室穴だらけになるんじゃないのか?とありそうな情景を

思い浮かべるが、すぐにかき消す。

「それ却下───!」

栗原から却下宣言。

「商品どうするのさ、てかあぶないでしょーが!」

「うっ!し、商品は……エアガン?」

銃で銃を落とすのか……なんかすっげえ微妙だぞそれ。












そんなごたごたがあり、いまだに決まらない出し物。

結局メイド喫茶は廃案になった。

どうしてか、一部の男子ども(俺達じゃないぞ!)は、残念そうな顔をしていたが。















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