表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/53

第10話 キャラ設定? B

「まぁ、誰と会うかなんて予想してたけどな。」

目の前には、織宮の回し蹴りを食らったと思われる、

猿山が転がっていた。

「やぁ、有志君。僕は今にも死にそうだよ。」

いつもよりもキツイものを食らったのだろうか、目が生きていない。

「憂緋ってすごいんだ……」

ほえ〜、と唯が感心している。

そこは真似るべきではないと思うんだが。

「さて、ここが一つの違いだ。」

火乃村が人差し指を立てて言う。

「まず、告白魔・織宮LOVEという設定がコイツにはある。

 しかし冬島、お前にはこんな馬鹿げた設定は無い。ここが違うぞ。」

「火乃村くぅ〜ん……馬鹿げた設定って……ひどいよ〜〜〜」

猿山が大の字になりながら涙目になって言う。

「そうか……違いを見つけるとキャラが生きてくるのか……?」

おーい。キャラが言うな、キャラが。

「まぁ、はっきり言えばだな。馬鹿とドジは違う。」

「そうなのか……」

火乃村と雪丸が頷きあっている。

うむ。これで一件落着なのか?

「何してんの?あんたら。」

不機嫌そうに眉をひそめた織宮がそこに立っていた。

「おう。織宮か、なんか雪丸がキャラ設定がどうとか言ってだな。」

「そ、そう。で、何してるって?」

今言ったんだが……

「憂緋っ!回し蹴り教えて〜」

パチっと織宮と唯は目を合わせた。

「っわっ!………いいわよ!まずは構え、こう!」

どうした、いきなり堂々としだしたけど。

「こう?」

同じように唯もやってみせる。

「そう!そして一回転してどーん!だよ。」

「憂緋っ!やるね!(いろいろな意味を含め)」

足が当たったら死にそうだ。効果音がおかしい。

あんなもの食らってよく生きていられるな。猿山……

ヒラッとスカートがはためくのを見た。

「お、おい。お前ら……あんま足上げると……えと……

 見えるぞ……?」

「なっ─────!」

織宮の顔が完熟トマト以上に赤く染まる。

爆発しないだろうな……?

「もう、有志ったら〜。言ってくれれば唯はいつでも見せるのに〜」

「自分で言っといてなんだけどお前は黙れっ!」

織宮は、カタカタと震えている。震えている?

「あああああああっ!」

「な!?」

叫んだあと織宮は走り出した。

それもスカートがはためくのを気にせず。

「憂緋ちゃーん♪見えてるよっ!」

猿山が馬鹿言った。

そこで織宮は、猿山の前で急停止し、技を繰り出した。

今までに見たことの無い技を。

「死・に・さ・ら・せぇぇぇぇぇぇぇっ!」

織宮が飛翔した。






 









「ま、幻の2段飛び回し蹴り………」

火乃村が震えながら言った。

「ひ、人ってあんな高く飛べんの……?」

雪丸も目を見開いている。

「2段飛びって不可能技だろ。」

「憂緋すごい……」

廊下に横たわった猿山の頬には、織宮の内履きの跡がくっきりついていた。

織宮は、猿山に一撃を決めた後は、何処かへと走り去っていった。

「あれ、死んだだろ……、というかあいつやられキャラじゃないか?」

今ひとつ気がついた。

「それもそうだ。あいつはたくさん設定を持っているな。冬島、どうだ?」

火乃村は、雪丸を見る。

「や、おれはやっぱこのままでいいかも……」



織宮最強説が出回った日であった。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ