第8話 ライバル?仲間? D
久しぶりの更新です〜〜
なんかすいませんね。テストやら部活の試合やらで
パソコン開く暇がなくって・・・
でも、これからは更新していきますよ=3
「なぁ……どうしたんだよ?なんか気に障ったか?」
授業が終わったので、彼女の筆箱を持って彼女の席まで来ていた。
「べっ……別に…なんでもない。」
語尾が徐々に小さくなっていく。
「なんでもなくて筆箱が飛んでくるわけが無いだろ?」
「そ、それは……手が滑ったの!」
何をしようとしてだよ…… と突っ込みを入れたかったが、
やめておいた。何かがおかしい。いや、いつもおかしいが今日は特に……
織宮は、こっちを向かない。これ以上話しても無駄か?と思い、
席を離れようとした時。
「憂緋ちゃん!憂緋ちゃん、」
猿山登場。コイツは空気読めない奴でしかないな……
織宮は、勿論シカトしている。
「あのさ、チケットがねー」
それにかまわず話しかける猿山。
いったんこの場を離れようと、背を向けた時───
「っ!何で私は────!気がつかない……?」
織宮は、立ち上がってそう言い、廊下へと駆け出していった。
彼女の横顔は少し寂しそうであった。
「憂緋ちゃん……?」
猿山は、蹴られると思っていたのだろうか、両手を頭の上でクロスさせている。
「有志っ!」
「ぐわっ!」
突撃していたのは唯。思いっきり腹に頭入ったぞ……
「すまん。今よく分からん状況にあるんだ。お前が来るともっと面倒なことになる。
とりあえず教室に戻れ、以上。」
簡潔にまとめて言ってやった。
「へ〜〜え。それってあの髪の長い女の子のことかな?」
唯は、大きな目を細めていった。
こ、こいつ……鋭いな。
「ま、そういういうことなら私に任せなさいって!」
いきなりなにを言い出すかと思えば……
「お前、別に織宮と仲良い訳じゃないだろ?」
「朝、あの子のこと見て分かったよ!有志は鈍感だもんね。
だから私のように積極的に行かないと駄目なのよ〜〜。」
「どういうことだよ?」
唯はため息をついてからいった。
「そういうことだよ〜」
意味が分からない。俺がなんだって?
「とりあえず!私に任せてくれればいいの!分かった?」
そう言って織宮と同じように廊下へと駆け出していった。
「だからどういうことだよ……?」
鈍感な有志は、混乱するばかりであった。
───屋上───
「こんにちわっ!」
一発目、唯は印象が大事だと明るくいった。
「あんたは……」
彼女のテンションは地につくほど低かった。
「私の名前は一ノ瀬 唯っ!有志の彼女───と言いたいところだけど
相手はそう思ってないらしいのよ。」
「………」
「有志って鈍感だと思わない?」
「………」
彼女は、一言もしゃべらない。
なら───いいや!
「もう!あんた有志のこと好きなんでしょ!?」
「っ!そんなわけ──」
「私には分かるの!朝だってそうでしょ?私が有志に抱きついた時
びっくりしてたじゃん!」
「そ、それは誰だって……」
「嘘ついたって無駄だよ!分かってるって言ってんじゃん!」
織宮 憂緋は、正直この子には、勝てないと思った。
考えが明確、自分に素直、そして───ぶつかっていく勇気がある。
それに比べ私は────。
「さっきの返事、まだもらってないよ。」
ずいっ と唯は、憂緋に一歩詰め寄る。
「私は……」
「何をそんなにためらってるの!?本当は分かってるんでしょ?
心に答えがあるんでしょ?」
彼女の眼差しからは逃れられない。
瞳の奥に炎が灯っているようで────
この子のようになりたいと思った。
初対面の人に本気でぶつかってくるこの子のように。
この子は────強いよ。だから………私も対抗しなくちゃならない!
やられっぱなしはイヤだから。私は負けず嫌いだから────!
「私だって!………杉水有志のことが────!」
言った。言い切ってしまった。心のうちを……
でも後悔はしてない。なんかスッキリした。
彼女が近づいてくる。
そうだ。私を引き出してくれた彼女は、これからはライバルなんだ。
「よしっ!これからは仲間だね!」
「え?」
予想外の答え。思っていたことの逆。え?え?
それだけ言うと彼女── 一ノ瀬 唯は、スカートをはためかせ、
走っていってしまった。
「なか………ま?」
唯の行動に困惑する織宮憂緋であった。