第8話 ライバル?仲間? A
朝、目が覚めた。
ベットから身体を起こし自分の部屋を見渡す。普通の女の子らしい部屋。
机に立て掛けている木刀以外は……
ふと、部屋の中にある鏡に目がいった。
腰の辺りまである長い髪、ボサボサになっていた。
「最悪っ………」
そうつぶやいて部屋を出た。
洗面所で髪を梳く、鏡に映るは自分の顔。
周りからは、可愛いだの綺麗だのと言われるがどうでもいい。
何故あの人は…………
「おっはよー!憂緋!今日もかわいいよ〜〜〜!」
考え込んでいる中、朝からテンションの高い彼女。私の姉、憂姫である。
姉は大学生で、美容系の学校に通っている。人のことをかわいい、かわいいと
言うが、姉も容姿は結構いいほうだと私は思う。
同じブラウンの髪、しかし長さは、肩までしかない。
「さすがは、私の妹〜〜〜。ああ……可愛い〜〜。」
頭を撫で回してくる。
「お姉ちゃん、朝からうるさいよ……」
「ふふ〜〜ん。今日も髪、綺麗だね〜〜 なんだっけ……?
そう、杉水君!最近どうなの?」
「なな!なんで杉水なのよ!」
鏡に映る自分の顔が赤くなっている。
こればかりはどうしても直らない。顔がすぐに赤くなること。
「あはは〜〜憂緋、顔が赤くなってるよ〜〜」
そう言いながら姉は洗面所から出て行った。一体何しに来たのか……?
私をからかうためだけに……?
簡単な朝食を済ませ、家を出た。
学校への道中、髪をピンで止めた少女。里中千恵がいた。
「おはよ、千恵。」
彼女は、見た目と違って結構、問題児でもある。
彼女はいつのカバンを2つ持ち歩いている。
一つは、学校に必要なもの、つまりは、教科書や筆記用具。
もう1つは、エアガンが入っている。彼女は、いつも通り怪しく笑いながら言う。
「へっへっへ……お嬢さん。今日はどの作戦でいきますかい?
私のお勧めはですね………この階段から────」
「ち、ちょっと 千恵………」
わけの分からない感じがプンプンする作戦を遮り、言った。
「ふんむぅ……憂緋はいつも乗り気じゃないね〜」
「だ、だって……」
「そんなんじゃあポッと出の奴にとられちゃうかもよ〜?」
「べ、べつにあいつのことなんか……!」
「素直じゃないんだなぁ〜〜」
そうこうしている内に学校に着いた。
教室に入り、一番最初に目に飛び込んできたのは、とある3人組。
もう仲は、修復完了だそう……早い……
1人は、冬島 雪丸。髪の色も形もすっかり元通りになり、もう問題は無いと思う。
思えばあの時………言わなくてよかったのかも…………
教科書を眺めている彼は、火乃村 誠。頭もよく、料理もできる。
さらにこの間、不良を一瞬にして蹴散らしたと聞いた。この人は………謎だ。
そして最後、冬島とじゃれあっているのは、杉─────
「どーーーん!」
説明はおろか、名前すら言っていない彼に一発の銃弾が当たる。
言わなくても犯人は分かる。
「っ────!あー里中!なにしやがんだ!」
彼が叫んだ。千恵は、黒い笑みを浮かべている。
私が思うに、千恵はSなのだ。
「ふはは!廊下で決着をつけようではないか!」
たいてい千恵の言っていることは意味が分からない。
「やってやろーーじゃんか!」
私の横を通り過ぎ、彼は廊下へと出た。
そして里中と対峙する。
「エアガンにかなうものか!」
そういってもう1度引き金を引こうとしたとき。
1人の女子生徒が目の前に現れ、彼に抱きついて言った。
「私の有志になにしようとしているの?」
彼女は、大きな瞳で里中を見つめる。
小柄でショートヘアー、クリクリッとした可愛い瞳。
このクラスではない、他のクラスの女子だ。
「わ、わたしの………?」
「お、おまえっ…………一ノ瀬 唯っ!」
彼が頬を赤くして叫んだ。
私はただその場に立ち尽くすだけだった。
また新キャラですね。なんかすいません。
いろいろキャラが増えてきたということで1話使って
プロフィール的なものを書こうかと思っています〜
まぁ、あんまり期待しないで下さい………