第7話 繋がりは… G
とある発電所、昔はここら一帯の電気を発電していたが、
今は、もう廃墟となってしまっている。
俺は今、ここで兄貴+3人の男といる。
「雪丸。お前は見張りをしていろ。厄介な奴が来たら知らせろ。
お前ら!10万だ。」
お前らと呼ばれた3人は、指の関節を鳴らし始めた。
10万とは目標のこと、何をするかは分かるだろう。
そして俺はいつも見張り、人を寄せ付けないようにと髪型も変えられた。
「んだよ、その目つきはよ!」
ガッ! ドゴッ! ドン バキッ………………
兄貴は変わった。頭がおかしくなった、父を殺してからだ。
人に危害を加えるのが、普通になってしまったのだろうか?
「雹さん、そこらへんにしておきましょうや。」
金髪オールバックの彼が言った。
兄貴、────冬島 雹 とは主従関係にある。他の2人も同じだ。
「っ!まぁいい。行くか、おら!いつまで寝てんだよ。」
暴力から解放され咳き込んでいると、先ほどの彼の声が響いた。
「な、なんだ、てめぇら!」
目の先────発電所の入り口には、あのおせっかいな2人がいた。
頭が、体が熱い。怒りで燃え滾っているのかもしれない。
友を────雪丸をダメにした奴らを前に。
4人か。下っ端が3人にリーダー格1人、後ろにいるあの赤髪……
あれが雪丸の兄だろう。
「なんだ……てめぇ?」
雹は、恐ろしく低い声で言った。しかし今の俺には、何の障害にもならないだろう。
「雪丸を取り返しにきました。とりあえず────殴らないと気がすまない!」
「舐めるなよ!」
金髪オールバックの目の前にいた彼が殴りかかってくる。
バキッ!
有志はそれを頬で受けた。
「ってぇな……この痛み……感じたことあんのかよ!」
こぶしを強く握り締め、裏拳で相手のこめかみを狙い、なぎ払う。
ガッ!
鈍い音がし、金髪の彼は気絶した。
いつの間にか残りの下っ端2人が火乃村のほうに向かっていった。
「先にあいつをやっちまえ!」
「ぶっ殺せ!」
などと吐き捨てながら走っている。
「ふぅ………俺が目当てなのか?」
火乃村は、瞳の奥に殺気を溢れさせた。
バン! バキィ、ドドッ!
次の瞬間、野郎2人は床に倒れていた。
「ちょ……火乃村どんだけ強い……」
もちろん火乃村は、無傷。何が起こったのか分からなかった。
「そんなことより、行ってこいよ。」
そういって火乃村は、雪丸の兄を指差した。
「てめぇら……好き勝手やってくれるなぁ。」
赤髪の彼、冬島 雹は言った。
「何でだ……」
「あ?」
「なんで雪丸にこんなことさせてんだよ!お前は兄貴じゃねぇのかよ!」
心からの叫びだった。だがそれをあざ笑うかのように雹は言う。
「あ?兄貴だから、だろ?兄が弟の面倒を見るのは当たり前だろう?」
「ふざけんなよ………こんなことして恥ずかしくねぇのかよ!」
イライラがたまっていた。コイツは頭がおかしい。
「ないな。」
「っ!お前…………どうなっても知らねぇからな。」
「は、お前に何ができる」
有志と雹は、しばらくにらみ合ったままだった。