第5話 勉強会 A
季節は秋───校舎内にある木々は、もう
緑色から茶、黄色になっていた。
外の風景は、もうすでに秋をジリジリと感じさせてくれる。
「う・・・んむう・・」
授業中だというのに寝てしまっていたみたいだ
教壇の上では、担任の梅崎 百合が何か言ってる。
「テスト・・・」
は?テストがなんだって?
「すぎ・・・み・・・く・ん」
えーと誰が?
「杉水君!テスト取りに来てくださいー」
「・・・・」
「杉水有志!テスト取りに来いっての!」
「はひぃ!」
本当に寝ぼけてた・・・どーした俺。
つーかテストか。今回もいつもどうりにやった・・・って!
答案用紙に書かれている数字を見て驚愕する
65・・・・点?
いつもより10点近くdown↓・・・・
これは・・・・危機!?
「ギャーーース!」
前方で雪丸の悲鳴が聞こえる
「お前も死んだのか?」
恐る恐る聞いてみる
「私に神が舞い降りたぁー!自己最高点記録!」
「何ぃっ!」
ついに雪丸に負ける日が来たのかもしれない・・・
お疲れ様ーと天使が空から・・・
「60点!」
はい?
「60点だー!やったぁーーー!」
・・・早とちりした。すまん、こいつの基準点は低いらしい
しかし5点差とは・・・俺も落ちたものだな・・・
「火乃村君〜テスト取りに来て〜〜」
「はい」
いつもどうりいたって冷静に、何かに期待することなく
テストを受け取り、それをながめる。
「火乃村・・・どうだった?」
動揺を隠しながら聞く。
「ん、96点」
まぁ、今回は難しかったよね。ってえええぇぇぇぇぇぇ!
96!?何様!?神様!
脳のつくりが1から100まで違うのか!?
「どうした杉水、キャラ崩壊起こしてるぞ。悪かったのか?」
こいつの『悪い』ってどれくらいの点数なんだろうか
「あ、ああ。心の防衛ラインが崩されたよ」
「そうか・・・明日もテストあるけど大丈夫か?」
「え・・・うーん」
正直、大丈夫といえる自信がなかった。
たった今、過去最低記録をたたき出したからな
そんなとき火乃村が1つの提案をしてきた。
「じゃあ、勉強会でもするか?」
テスト前日の勉強会、というありがちなパターン。
勉強会が途中からお遊び会になるのは、眼に見えてるような気がするが・・・
「おお、パターンだけど何もしないよりはマシかな?」
「んじゃ決定な、杉水ん家OKか?」
「いいぞ、お前の家でやるわけにはいかないだろ」
弟達とのたわむれで勉強する暇なんてなくなるだろう。
「決定か。おーい冬島ー、それと里中ー織宮ー」
火乃村が3人を呼んだ
雪丸は、すぐに飛んできたが織宮と里中は、
不思議そうにしていた。
「えーと、今日杉水の家で勉強会やるんだけど来るよな?」
雪丸はすぐに
「いく!!!」と。
織宮は、
「私90点だったし、勉強する必要なんて無いし」
冷ややかに言い放つ
しかし、火乃村は逃がさない
「いや、お前は教える側に回ってもらう
有無は言わせない。強制参加だ。」
「え!ちょ・・・なんで!」
「俺だけで教えるのは、荷が重い
ほら!杉水も頼んで」
「え・・・ああ、頼むよ織宮。」
「え・・・じゃあ・・・まぁ・・・ぃぃ・・・・!?」
顔を赤くし、うつむいて答えた
あれ?おれなんかしたか?
一方。里中は、
「ナナナナ!ナイスだぞ!2号ーー」
と意味不明なことを言っている。