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第4話  休日  C

中央区─スーパーマーケット─


夕食の食材が無いことを思い出し、

買い物に行くことにした。

ここは俺のマンションから歩いて10分と、

けっこう近くにあるので、便利で助かっている。

「今日の夜は・・・・鮭でも焼こうかな?」

ムニエルがいいかな・・・?と手を伸ばした時、

1つの鮭のパックを2つの手がつかんだ。

「あ・・・すいません。」

「いや・・・こちらこそ・・・って!火乃村!?」

もう1つの手は、火乃村のものだった。

「おお・・・お前なにしてんの?」

「俺は、夕食の買い物だが・・・」

意外だ、でも調理実習の時、料理の鉄人並の

腕前だったし・・・・※1話 杉水有志 参照

「そーいやお前料理すごかったもんな」

「ああ、──そうだ。今日家に食べに来るか?」

「いいのか?家族とかに迷惑じゃないか?」

「大丈夫──!1人や2人増えたってかまわないよ」

・・・どういうことだ?




と、いうことで火乃村家にやってきたわけだが・・・

「何だこの人数は!!!」

リビングには、子供、子供!子供ぉ!

4・・・いや、5人はいるぞ!

「ああ、俺んちって大家族なんだよ」

やっぱり・・・『1人や2人増えたってかまわない』

って言ってたのも、マイバック2袋も持ってたのもこういうことか・・・・

「にーちゃんおかえりーーご飯作ってーー」

「あー、にいちゃんがともだちつれてるーー」

「お、おう杉水だ・・・」

子供たちが群がってくる

「スギにーちゃんだねー」

「そだねーふたりめのにいちゃんだー」

「お、おいスギにいちゃんって・・」

「すまんな、相手してやってくれ」

火乃村は、そういうとエプロンをつけ台所に向った。


ストトトトトン

ジャーー  ジャーー


すごい手際のよさだ。

それにしても兄弟が多いな・・・

弟3人に妹2人か・・・

しかし父、母は───いないのか?


少しの間そんなことを考えながら子供達と

戯れている間に、料理に運ばれてきた。

「てか弟ども、いつもこんな料理食ってんのか?」

「うんー。とーってもおいしいんだ!」

おお・・・・なんてぜいたくな!

あのスーパーの鮭が!どこぞのレストラン並みの

料理に変わってるんだが!



結局、食事を終えた後も火乃村の両親は帰ってこなかった。

いや、食事が終ったから帰ってくるというわけじゃないんだけど・・・

そもそも両親どこにいる?

こんな子供の多い家を置いて・・・

深く関わるのはよそうか。


「んならごちそーさま、帰るわ」

「えースギにいちゃんかえるのー?」

「もっとあそぼーよー」

なつかれてしまったらしい。

「ほらほら、杉水だって忙しいんだ。

 わがまま言うなよ。」

「「はーい。」」

素直ないい子達だな、と思った。

火乃村も楽だろう。



「ありがとな、飯うまかったよ。」

火乃村は、途中まで送ってくれた

「いや、礼を言うのはこっちだよ。

 父さんなかなか帰ってこなくて・・・弟どもが暇してたんだ」

「はは・・・」

正直なんていっていいか分からない。

すごいな、とか がんばってるな、など

そんな言葉で表現していいものじゃないだろう。

父さんが帰ってこないといった。

金には困ってない様子だったから仕事で外出か・・・?

だとしたら母は、・・・・

いや、深くは関わらないと決めたはず。

「杉水?」

火乃村は、顔色を伺うようにしている

「あ、ああ・・・大丈夫、じゃあまた明日な。」

「おう」

もう何も考えないようにした。

街灯の電気が消えかけている

バヂィィィィ・・・バチバチ


今日は─忙しい1日だったよ・・・母さん。


夏が終わり・・・秋になろうとしていた・・・・






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