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詩 三編 梅野りつ
詩 三編
梅野りつ
瞳に
瞳に瑠璃の輝きを
濃紺の空に
金色の砂を
宝石のような
砂漠のような
瞳に星の輝きを
夜のなかで
海のなかで
燃える炎の
まばゆい魂の
瞳に月を
瞳に花を
瞬きするたび
こぼれるほどのきらめきを
その瞳に、光を
流れ星
流れ星よさらば
悲しみは消えないけれど
流れ星よさらば
ひとつなぎのわたしだけれど
ねえ、流れ星
わたしの螺旋は終わる
そしていつか塵になる
だからそのときは一緒に
炎を上げて
風を切って
海
生きていくうえで
ひとひらの物語と
海が必要
物語は
自分の中身と、
相容れないものとを混ぜる
ときには、
混ざって沈んだ自分をすくいあげてくれる
透明な言葉にふれれば
透明なふりができる
海は
おまえは、
どこへでも溶けて行けるのだとうそぶく
じっと耳を傾けると
世界をふるわせるさざ波の音を
そっと囁きかけてくる
生きていく、そのときに
わたしはわたしを何度も手放し
そしてひっそりと拾い集める