その1! 誰か説明してください!
はあ、学校疲れた。ま、部活楽しかったし、いっか!
あ。自己紹介遅れました。現在、高校二年生、影山彩月と言います!
あ、ちなみに文芸部です。
この小説では、私のキラキラした高校生活をお見せしたいと思います!いや、思ってました。
いや、学校疲れたなーって思いながら寝たんですよ!
なんで?何故?なんで、箱みたいな、いや、棺桶的なものに入ってんの?
棺桶の外で、家族や友人が悲しんでいる。死んだの?私、死んだの?体を動かしてみる。
あれ?うごかない。本当に死んだの?嘘だ。嫌だ。なんて考えていれば、視界が急に明るくなった。あまりの明るさに思わず目を閉じた。
目を開ければ、開いている棺桶。でも、さっきみたいに、お葬式とかで使うやつじゃない。映画とかでよく、吸血鬼が入ってるやつ。よくみれば、服も違う。さっきは白い着物だったのに。吸血鬼が着てるマントみたいなやつに変わってる。体も動く。見知らぬ部屋にいる。何があったのだろう。なんて立ったまま考えていると、部屋のドアが開いた。
「ようやく起きたか。」
なんていう男っぽい口調の女の子のような高い声。それと、
「そうだね~」
なんていうゆるっとした口調のこれまた女の子の声。
ただ、見た目が普通じゃなかった。
男っぽい口調でしゃべったのは、痛々しい傷や火傷の跡をつけた、ゾンビのような見た目の女の子。
ゆるっとした口調でしゃべったのは、額にお札を貼り、右目に包帯を巻いたキョンシーのような女の子。
二人とも、私と同い年ぐらいに見える。
は?え、ちょっと待って。
するとゾンビの子が「待たねえよ」と言った。
恐る恐る「声に出てましたか?」と聞くと
キョンシーの子が「うん、ガッツリ言ってた。」とうなずきながら教えてくれた。
「変なこと聞きますけど、何で私はこんな所に居るんですか?吸血鬼みたいな格好して、
見知らぬ場所に、何で居るんですか?」
思い切って聞いてみると、
「そりゃ死んだからだろ。」
「死んだからに決まってるでしょ~。変なこと聞くなあ~。」
と口々に言われた。
え、死んだら吸血鬼になるんですか。そう、内心思っていたつもりだが、口に出ていたらしく、
二人は黙って頷いた。
「いちいち、新人が来るたびに説明すんの嫌なんだよね~。」やる気のない発言。
「まあ、これも仕事だからな。やるしかねえんだろ。」意外とやる気のある発言。
ゾンビの方ってやる気ないと、思ってた。
そう考えていると、「おい、今失礼なこと考えてただろ。」と言われた。
何で分かったんだろう。魔法的なものかな?なんて考えていると
キョンシーの子が、
「うん、魔法あるよ。」と言ってきた。
「まあ、立ち話もあれだから、別のところで話そうぜ」という、気の利くゾンビの発言により、
私たちは、洋館のダイニングのような場所に移動した。