2話「虎か!?悪魔か!?魔王か!?」
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最悪だ。俺の人生は今日終わることになるかもしれない。何故なら……寝坊したからだ!ヤベェよ!
だが俺は悪くない!全て昨日の雨宮とか言う奴のせいだ!恐ろしい脅迫への解決策を10時50分から考えてたら11時に寝ることになってしまったからだ!
えっ?お前ぐっすり寝てるじゃんって?うるせー!あいつが悪いって言ったらあいつが悪いんだい!
『先に行ってるね』
と一件だけメールが俺のスマホに入っていた。
なんで起こしてくれなかったんだろうとも思ったけどなんとなく察しはついた。
どうせ、和樹と一緒に登校しようと企んだんだろう。
にしても最悪だ。咲に続き佐藤も失敗するという失態を犯した。まさか二回も親友に邪魔されるとは思ってもいなかったんだもん。
「学校サボろうかな。なんかあいつらに会うの気が引けるし、遅刻してるから怒られるし…」
この時突然俺の頭の中に2人の自分が出てくる。学校に行けと言う天使とサボろうと言う悪魔だ。
「サボっちゃダメだぞ!俺」
「いいじゃねーか。サボろうぜ!」
「ダメって言ってるだろ!」
「いいんだよ!」
頭の中で天使と悪魔のケンカが始まった。まぁ、個人的に応援してるのは悪魔だけどな。俺も学校行きたくねぇし。
やれ!悪魔!天使をぶっ殺せー!
「何言ってんだ俺!」
「話しが分かってるじゃん!俺」
天使と悪魔の俺が俺に向かって答える。
すると悪魔の俺が天使の俺をボコボコにして天使の俺が頭の中から消える。
いえええい!!ざまぁみろ!二度と出てくんな!天使の俺!
ピロロロロ♪
悪魔が天使を倒して俺の中で学校をサボるという決意が固まり、家に戻ろうとした瞬間俺のスマホがなった。
「えっ?誰…?ってなんだぁ和樹かぁ」
電話をかけてきているのは和樹だ。ん?和樹!?えっ?授業中のはず…。じゃあ誰!?きみ悪いわ!世にも奇妙な物語出れるんじゃね!?題名はかかるはずのない電話が…って題名で。
なんてことを考えている間に電話の着信は切れる。
「あっ、切れた」
電話の着信が切れたかと思えば次はメールが送られてくる。しかも一件なんかじゃない。凄い勢いで30件、40件と増えていく。俺は恐る恐るメールの内容を確認した。
『なんで学校に来ないんですか?』
あれ?和樹なんでまた敬語を…?なになになに!?オネェに目覚めたとか!
『もしかしてまだ寝てますか?』
いや、寝てないけど…。なんで?えっ!?どうしたのー!?
『電話に出て欲しいです』
えー、なになになに?どうしたっての!?
『本当は気づいてるんじゃないんですか?』
いや、まぁ、絶賛今確認中ですね。
『電話に出ろ』
げっ!?
『出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ出ろ』
怖いわ!なんだよこのメール!呪いかと思ったわ!
ふざけんな!そんなに言うならこっちからかけてやるよ!
俺は和樹へと電話をかけ直す。
「おい、和樹!お前のメール……」
最初は俺も大声で電話に向かって叫んでいたが聞覚えのある声のある一言で声が次第に小さくなる。
「おい、着信気づいていたんだな?」
「そ、その声は!?」
電話越しで聞こえる声、それは担任の山村 亜希。ちなみに担任は国語科の先生でみんなからは裏で亜希ちゃんだとかババァだとか言われている。
ついでに言っておくがめっちゃ厳しい。
「おい、黒崎」
「は、はい!」
「何故、今日学校に来ない?」
先生のこの一言で俺の頭の中にいた悪魔を自ら消す。
「やめろー!!」
と、悪魔は叫んでいたけれど知ったこっちゃない。天使が後から出てきて「ざまぁみろ!」と言わんばかりに喜んでいる。
最初から天使の言うことを聞いておくべきだったな。
「寝坊しましたので今からそちらに向かおうとしていた次第であります!」
「そうか、なら5分やる。それまでに教室に来い」
「へっ?」
「返事は!!」
「は、はい!」
その場の先生の勢いに負けてはっきりと返事をしてしまった。
実際、5分と言う時間で学校に到着するのは不可能だ。何故ならここから学校は2キロ以上ある。まだ、荷物もなんも持っていない状態ならいけないこともないが荷物を持った状態でだったら確実に無理だと断言できる。
それなのに先生は無茶振りをする。全くもって理不尽と言える。許せない。だからババァなんだとも思う。
だが、このまま先生の言葉を無視することもできないので渋々走り出す。
だいたい7分くらいだろうか?それくらいの時間で教室に着くことができた。もちろん門は閉まっていたのでちゃんと飛び越えた。
「ハァハァハァハァ、先生!着きました」
全速力で走ったせいで息は上がっている。今までにないほど苦しい。
うぇー、 死にそう…
「3分」
「へっ?」
「約束の時間から3分遅れている」
「はぁー?そんなの間に合うわけ…」
なんとかかった時間は7分ではなく、8分だったらしい。ってそんなことどうでもいいんだよ!理不尽な要求がおかしいだろ!
「お前は放課後反省文を持って私のところへ来い」
ひぇ〜!鬼だ。最悪だ。理不尽な要求をしたあげく反省文をかけと。理不尽にも程がある。これだから…
「これだからアラサーのおばさんは…」
「なんだと?」
あっ、やべっ!口に出しちゃった。心で留めておくはずがついつい口に出てしまったのを山村先生に聞かれてしまう。
一応先生のご機嫌の様子を確認…
「スミマセンデシタ」
と、ついつい萎縮してしまう。もう、まじでやばい。先生の目が獲物を狙う虎のような目をしている。別の表現をするなら悪魔だ!いや、悪魔なんかでは物足りない。これはまさしく人外を外れた魔王とも言える…
「反省文、追加な」
「つ、つ、追加ですか!?」
「あぁ、異論、反論、抗議、質問は一切受け付けない」
それもうパワハラだ!訴えてやる!くたばれババァ!
「おい、お前今私のことをババァと思ったろ?なぁ?」
おいおいおい!エスパーかよ!怖すぎんだろ!
「ソンナコトナイデス…ボク、イイコ。イイコダカラソンナコトオモワナイ」
「そうか、まぁいい。席につけ」
俺は先生に言われるがままに自分の席へと向かった。
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