第1章 転校・・・!?
「お前たちには、転校してもらう」
いきなり父さんがそう言ったときは、なにかの冗談だと思った。
「出発は明日。・・・早く荷物をまとめておけ、恭介、詩織」
ここで、やっと冗談ではないことに気づいた。
「て、転校ってそんな急な!むちゃくちゃだよ、父さん!」
俺の名前は、明石恭介。ごく普通の高校二年生だ。
「そうですよ!まだ何の準備もしてないのに!」
そんで、こいつが高宮詩織。隣同士に当たる明石家と高宮家は、以上に仲がよかった。
朝、夜の食事は一緒。遊園地に行くのも一緒。葬式に行くのも一緒・・・という、ありえないぐらいの親交の深さだった。
中でも詩織とは、ほとんどすべての行動が一緒だった。小、中、高、すべて同じ学校、同じクラス。なぜか行かされていた空手道場も一緒に通い、さらには、兄妹と間違えられることもある。幼馴染と言えばそれまでだが、ここまで一緒だと何か不思議な力を感じる。
だが、そんな俺と詩織の必死の反論も、
「前から決まっていたことなんだ。・・・諦めろ」
と、軽々と打ち砕かれてしまった。
父さんは、若くして教育委員会の上層部に勤めている。だから、一度言ったことを絶対に曲げない。そんな父さんのことをかっこいいと思っていたが、どうやら今回はそれが裏目に出てしまったようだ。
「仕方ないですね・・・はあ・・」
嫌そうな顔をする詩織。だが、付き合いの長い俺にはわかる・・・こいつ、喜んでる!!!
「まあ、いいんじゃないですか、恭介くん。平凡な高校生活にあきあきしていたところですし」
それはお前だけだろ!!!と心の中で突っ込んでみるも、わくわくしている自分がいる。
「まあ、転校っていうのもいいかもしれないな。こうなったら、秀才系にイメチェンでもしてみるか?」
それを聞いて、フフッと鼻で笑う詩織。
「なに言ってるんですか、恭介くん。恭介くんの成績じゃ、秀才キャラなんてとうてい無理ですよ〜?」
ウッ、痛いところを。
「な、何を言ってる!この俺が本気を出せば、学年トップなど簡単に・・・」
「取れません。無理です。」
断言する詩織。
その通りです。すいません。調子に乗ってました。
「あー、そうだ、言い忘れてたけどな、」
ん?俺と詩織の視線、父さんに集中。
「お前ら、同じ部屋に住むことになってるから」
・・・ハ?
俺と詩織の目が、点になった。
どうもどうも。竜騎士666です。
第1章、投稿させていただきました。
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(私が踊り狂います)
それでは、第2章 同棲・・・!? でまたお会いしましょう。
では、失礼。