第七話
連続2話目
「失礼します。」
・・・・ざわ、ざわ、ざわざわ
「あのー、」
「は、はい!えっと、どちら様でしょうか?」
「今日からこちらの学校に通うことになった、二橋です。」
「・・・ああ!!あなたが転校生の二橋君ね!?よろしくね!!」
「はい、よろしくお願いします。」
この先生はすごく明るい先生みたいだ。
「校内で迷ってしまって遅刻してしまったのですが・・・」
「大丈夫よ!遅刻くらい!(こねーやつの方が多いし・・・」
「はい?」
「ううん!なんでもない!それじゃあ、クラスに案内するね!」
「お願いします」
怒られなくて少しほっとした。
?奥のおばさんがすごく残念そうな顔をこちらに向けていたが、何かあったのだろうか?
「えっと、二橋君が入るクラスは、1-Cね。」
「ちょっと緊張しますね。」
「大丈夫よ。二橋君ならすぐに人気者になれるわ。(やべーくらいに。先に私がファンクラブ作っておこうかしら)」
「友達が出来るといいのですが・・・」
「うーん、友達はどうかしらねぇ。・・・とりあえず、その固い口調をやめれば皆とはなしやすくなるんじゃない?」
確かに、同い年なのに敬語というのもおかしいですよね。
「わかりました。出来るだけ敬語を使わないように心掛けてみます。」
「男の子なのにチャレンジャーだねぇ!じゃあ、ちょっとまってて。」
「分かりました。」
どんな子たちがいるのだろうか・・!
____________________________
「はい、というわけで___に~~~が代入されて・・・」
「少し授業中にすみません。」
「?どうされましたか?」
「遅刻してた転校生が着いたので少しお時間頂けないかと・・・」
「!!?・・・例の子ですか?」
「はい」
「わかりました。皆さん!周りの寝ている人をたたき起こしてください!」
「オラァ!」
「アチョー!」
「プギャ!?どんな起こし方!?」
「全員起きましたね?それでは、ここで一旦授業を中止します。」
「?何かあったんですか?」
「あります。これから、転校生が入ってきます。」
「「「「おお!」」」」
「どうせ、女子でしょー」
「いいえ!」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
「これから入ってくるのは、男子です!」
「・・・・・・・ゴクッ」
「それも、美少年です!」
「「「「「WEEEEEEEEE!!!!!!!!!」」」」」
「春が来たぞー!」
「夏のアバンチュール!!!」
「美少年!美少年!」
「た!だ!し!・・・皆さんの授業態度や、接し方によって転校生のクラス移動もありえるので、気を付けるように。いいですね?」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
「それでは、入ってください!」
____________________________
「入ってください!」
なんかほんの少しの間に僕に対する期待度が すごく 上がって困るのだが。
「し、失礼します・・・」
「「「・・・・・・・」」」
物凄く静かだ。なのに、女子の顔はすんごく笑顔で、むしろ恐怖を覚える光景ですらある。
「き、今日からこのクラスでご一緒にお勉強することになりました。二橋 とき と言います。よろしくお願いします。」
「「「「・・っ、っ、・・・!」」」」
喉がすごく動いていて、顔の主張も激しいけど誰も喋ってない・・・。ていうか何人か息すら止めてない?
「はい。二橋君はこの学校でも数少ない登校男子生徒なので、皆さんくれぐれも危ない目に合わないようにしてあげてくださいね?」
「「「「「はい!」」」」」
「それではー、二橋君に」
その時、不動だった女子は動き出した。このときが来た、と。
その身を前屈みにしながら自らの片手を挙げる準備を・・・
「何か質問が━━」
私が一番最初に話すんだ。彼の初めてを━━━。そんな気合いを込めて女子は皆、挙手をした。
「ある人ー。」
「はい!」「はい!!」「はーい!」「はいはいはい!!」「はぁぁいぃぃ!!」「はいいいいぃぃぃ!!!」「はぁぁぁぁぁぉい!!」「はい。」「わたし!!!」「はーいーい!!」「ワタシをぉぉぉ!!」
「ぅぉ━━━!」
女子の気迫の乗った挙手が凄すぎて気圧されてしまった・・・。ていうか、軽く顔が風圧で歪んでた人すらいた・・・。
「えーと、じゃあ、いつも真面目に授業聞いてるユー」
「よっしゃぁぁぁぁ!!!!」
「ああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!なんで、数学を真面目に受けなかった昔のワタシー!!??」
「ちくしょぉぉぉぉぉ!!!」
「え、えっと、わたひ、上条夕凪と言います!二橋君は、、えっと、彼女はおりますでしょうか!?!?」
彼女?葵さんは妻だから・・。
「いえ、彼女はいません。」
「やったぁぁぁぁ!!出来れば是非私t」
「*おおっとぉ!*手が」「足が」「頭が」「ローキックが」
「「「「滑ったぁぁぁぁぁ!!!!」」」」
「ゲウッ!━━━私、と━━━━」
どう見ても狙ってお腹と膝を狙っていた気がするが、彼女は大丈夫なのだろうか・・。
「あの、大丈夫で」
「大丈夫大丈夫!この子昨日夜更かししちゃったみたいで!」
「朝からずっと眠いって言ってたんだよねぇー!」
「何でも好きなアイドルの番組を見てたらしくてさー!」
「に、二橋君の、ためなら、あんなアイドル、すて、る・・・」
どれだけ眠ければ背中を反らせて白目を剥きながら寝れるのだろうか。・・・一応反応はあるから生きているみたいだけど。
「じゃあ、次は、一番成績の良いあなた。」
「はい!私は、東海 青菜と、言います!よろしくお願いします!二橋君は、女性に対してどう思いますか!?」
過剰までにきびきびした動きとやけに発音の良い喋りに、やはり少し圧されながらも質問に対して答えた。
「えっと、普通ですかね?とりあえず皆さんとは(クラスメイトとして)仲良くなりたいな、と思います。」
女性に対してどう思うかと言われても普通な感じとかしか思い浮かばなかった。あ、守らなきゃとか言うべきだったかな?
「ありがとうございます!私の電話番号h」
以
下
略
「二橋君。年上の将来的安定性のある女性ってどう思う?」
「安定なのは良いことですよね」
「そうよねー(脈ありだな)」
(((ババァが盛りやがって・・・!!)))
キーンコーンカーンコーン
一瞬クラスの空気が黒いものになった感覚に陥ったが、チャイムの音ですぐに収まった。
「あ、時間。日直ー」
「起立!気をつけ、礼!」
「「「「「ありがとうございました(帰れ)」」」」」
「あ、二橋君の席、後ろの空き机ね。」
「わかりました。」