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理想の夫がやってきた  作者: 九つ重ねた数字
彼がやってきた
2/13

第一話

今回は続くといいな!(予定は未定)

ミーンミンミンミンミン


「・・・」


暑い。夏が、暑くて、慈しみの心も忘れて、そこら中の蝉を撃ちたくなる。


ミーンミンミンミンミン


何故こんなに暑いのだろうか。簡単である。


クーラーが死んだからだ。


昨日の夜に調子が悪い感じがして、朝起きたら御臨終していた。まあ、結構古いものだったから仕方ないのだけれど。


ここまで暑いと仕事のやる気も起きない。



が、


「やらないと期末に間に合わないか・・・。」


よっこらせと体を起こし、ノートパソコンの前に座る。



二橋(にのばし) (あおい)。23歳。高校教師である。



「あっつー・・・」



━━━━━━━━━━━━━━━



「はぁー!きもちー!!最新型サイコー!」


夕方になったら業者さんが来て、最新型のクーラーをぱっぱっと設置して帰っていった。


「へー、最近のクーラーって人体識別機能による風量調節とかあるんだぁ。人間進んでるなぁ。」


一応読んどけ、と渡された取扱説明書を読みながら最新機能に感心する。他に瞬速冷房とかマイナスイオンモードとかがあって、いつ使うんだよそんなもんなどと考えながら最後の機能にたどり着いた。


「男性が体を冷やしすぎないようにするための連動システム?」


・・・・・・独り身にはまったくもって不要な機能である。


「・・・はぁ。さっさと買い物行くか。」


どこかに私好みで私のことを愛してくれる旦那さまいないかなぁ




スーパーにてカレーもとい、夕食の買い出し。


「とりあえずにんじん、じゃがいも、たまねぎ、肉、なす・・・うん?何あれ、笹?」


適当に籠に商品をぶちこんでいると、目の前にながーい緑が立っていた。


「そういえば今日は七夕か・・・。」


懐かしい。昔は七夕に本気で色々と願ったものだ。漫画の中のキャラクターを恋人にしたいとか、ラブラブしたリア充になりたいとか。まあ、無理だったけど。


(ていうか、最初のは黒歴史だな。)


まあ、皆一度は同じようなことを願うのだから大丈夫だろう。小学校の時に「セイビングのアキラ様の豚になりたい」という願いを書いたやべー性癖のやつよりはマシだ。やつは今何をしているのだろう・・・


「・・・久々に書いてみるか。」


さて、何を書こうか。自分はもう25歳の大人だ。ろくに男の知り合いもいないダメ人間ではあるが、昔のような願いは書かないだろう。




『私に尽くしてくれる癒し系美少年夫が欲しい!(切実)』




書いた短冊を即、ポケットにインした。


これは無いだろ私ぃ・・・。夫が欲しいという欲望と仕事の疲れを癒して欲しいという願望と年下の方が好きという性癖が混ざった結果とんでもない爆弾を産み出してしまった。


学校にバレたらクビにされかねん・・・。


ていうか、美少年は結婚出来ないだろ!せめて美青年と書け!


「・・・とりあえず、仕事円満とか書いておくか」


代わりに、3,4番目くらいのことを書いて吊るした。仕事上手くいけば結婚出来るかもしれないし。


「はぁ・・・。帰ろう」


なんだか妙に疲れた体を引きずって買い物を終わらせて家に帰った。


ただ、あの短冊は捨てられなかったので部屋の窓に吊るしておいた。


あれを捨ててしまうと、自分の本当の願望を諦めたように感じたからだ。


(願うのはタダだしね。まだ私は理想を捨てない!)


この後、好きなテレビを見ながら夕食カレーを食べて、月曜日である明日の用意をし、寝た。


「ん?いや、明日日曜じゃん」


訂正。明日は日曜だったので月曜日の準備は脇に置いといて、追加でビール2本を飲んでから寝た。


いやー、最新型クーラーの夜間モードって快適だなー。もうこれ無いと死ぬわ。


(おやすみなさい・・・・)


夜は更けていった━━━━━━━━





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