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「特技・・・ですか?」
ケンの言葉に、ミケルンが怪訝な表情を浮かべながら、
そう尋ねる
「はい、シュウ兄ィは子供の頃から、
人の本質を見抜くのが得意で、
一目見ただけで、その人が信頼に値する人かどうかを、
正確に見極める事が出来るんですよ」
「本当に、一目で分かるんですか?」
「ええ、シュウ兄ィが積極的に近づく人は、
ホントに誠実な人ばかりで、長い事付き合いが続いてますね、
逆に、シュウ兄ィが、
『アイツとは、余り深く付き合わない方が良いぞ』っていう人は、
裏の顔があったり、詐欺で捕まったりしていました。」
「へ~、そのシュウさんに認められたなら、
私も、そうそう悪いもんじゃ無いって考えても良いのかしら?」
「『悪いもんじゃ無い』ぐらいなんて物じゃ無いですよ、
長い事、シュウ兄ィの弟をやって来ましたけど、
シュウ兄ィが、結婚したいだなんて言い出した女性は始めて見ました。
僕は、ミケルンさんが、女神様が変装して地上で暮らして居る、
仮の姿と聞いても、『なる程な・・・』って納得しますよ」
「女神様だなんて、幾ら何でも大袈裟じゃ無いんですか?」
「いえ、それ程までに、シュウ兄ィの直感は信じられるんですよ」
「は~、ケン君の、お兄さんへと寄せる信頼感は、
もの凄いものがあるわね・・・
まあ、ラビ子ちゃんや、ウサ太君の懐き方から見ても、
シュウさんや、ケン君が、悪い人じゃ無いっていうのは分かるけど、
出会ったばかりの人と、いきなり結婚ってのは流石にね・・・」
「ええ、常識的に考えても、
有り得ない事だっていうのは、僕にも分かりますし、
シュウ兄ィも、少し落ち着いて来れば理解出来ると思いますので、
まずは、友達付き合いから、お願いするっていうのは如何ですかね?」
「まあ、始めは、その辺からっていうのが普通でしょうね」
「では、シュウ兄ィを含めて、
僕らと、友達に成って頂けますでしょうか?」
「ええ、それなら全然、構わないわよ」
「そうですか!ありがとう御座います!ミケルンさん
シュウ兄ィ・・・シュウ兄ィ!」
「ん?何だ、ケン、
今、俺の事を呼んだか?
俺は今、彼女を愛でる事で忙しいんだが・・・」
「シュウ兄ィ、今までの、
僕達がしていた話を聞いていなかったの?」
「ああ、俺は今、彼女のネコミミを愛でながら、
ネコミミが人に齎す癒しの効果と、
f分の1ゆらぎ効果との因果関係への考察に、
余念が無かったからな」
「訳の分からない事を言ってないで、
ちゃんと僕が、これから言う事を聞いてくれるかな?
この店員さんは、ミケルンさんていう名前の女性で、
友達としてからだったら、
シュウ兄ィを含めた僕らと、付き合っても良いってさ」
「おおっ!でかしたぞマイ・ブラザー!
友達付き合いは、結婚への第一歩だからな!」
「「「「いやいやいやいや・・・」」」」




