上がジャージャー、下もジャージャーな~んだ?
「それでは一応の御確認なのですが、
今回、当ギルドへと御売り頂ける家具類は、
前回と同等の造作にて、『保温』と『快癒』の魔法効果が付与されたものと、
お考えすれば宜しいでしょうか?」
受付嬢のイイネが、そうシュウらに尋ねる
「ああ、家具類の造りと、食卓セットに付与した魔法効果は同じなんだが、
食卓に付与する魔法に『除菌』を追加したのと、
応接セットの方には、リラクゼーション効果の『弛緩』と、
心が穏やかになる『穏当』が付与してあるのが、
違うっちゃあ違うかな?」
「そうだね」
「食卓に『除菌』の魔法効果を追加ですか?」
「ああ、旅の途中の村々に立ち寄ってて気が付いたんだが、
以外と皆、食べ物の傷みに無頓着なんだよな、
子供のオヤツにって、糸が引き始めているイモを与えてたのを見た時には、
流石の俺も、肝が冷えたぜ」
「シュウ兄ィ、慌てて皿に『除菌』の魔法を付与してたもんね」
「その魔法を付与すると、食べ物が痛むのを防止出来るのですか?」
「いいや、防止までは行かないが、
大幅に遅らせる事は可能だな」
「2~3日程度なら大丈夫だよね」
「それならば安心ですね、大概の家庭では、
朝作った料理を、その日の夜に食べる程度ですから」
「ああ、俺達も、そう聞いたんで『除菌』にして置いたんだよ、
『殺菌』にまでしちゃうと、味が変わっちゃう食べ物とかも考えられるからな」
「発酵食品とかヤバそうだよね」
「なる程、そういう事なのですね、
まあ今回、御二人が造られた家具を御購入になられるであろう富裕層の方々なら、
料理は、その都度に作って出されると思いますから大丈夫だと思いますが、
その様な魔法効果が付与されてれば、より安心と言えますね」
「ああ、食中毒はホント舐めちゃいけないからな、
俺も前に、糸が引き始めたメシを『このぐらいなら大丈夫だろ』って、
食っちまって酷い目にあったから、
結構、食いモンに関しちゃ神経質になってんだよ」
「シュウ兄ィ、仕事先に行ってから、
上からも下からも大放出状態だったもんね」
「それは、大変な思いをされましたね、
では、後は御購入金額の相談となりますが、
食卓セットの方が1セット100万ギルで、8セットなので800万ギル、
応接セットの方が1セット300万ギルで、3セットなので900万ギル、
合計金額で1700万ギルとなりますが、如何でしょうか?」
「えっ!?そんなに高く買い取ってくれるのか!?」
「そんな高い金額で買い取って、利益は出るんですか?」
「はい、十分な利益が出るから大丈夫で御座いますよ、
御二人の、お造りになられた家具は、
材料、造作ともに最高級となられているうえ、
付与されている魔法の質も上々なので、
長く、その効果が持続する事を確認しております。
従って、売りに出す金額も、十分な利益が出せる金額で設定出来るという訳ですね」
「そういう事なら、俺達は、その金額で十分だな」
「その金額で、お願いします。イイネさん」




