ピョロリの街にて・・・
「それじゃ俺達は、これで失礼しますね。」
「「「失礼します!」」」
シカバーネ奴隷店での用事を終えたシュウ一行は、
店の前で、兄の死により新たな店主となったイケルと、
街の警備兵隊長のマモルーヨに別れを告げた。
「ああ、シュウ君にケン君、色々とありがとうね、
頼まれた冒険者だった彼らの遺品は、
ちゃんと冒険者ギルドの方に話を通して置くから安心してくれて良いよ」
「君達、今回の御協力を感謝するよ、
盗賊共の売上金に関しては、先程聞いた君らのギルドカード口座に後日、
振り込んで置くから確認をしてくれたまえ」
「「はい、分かりました。」」
「さ~て、用事も終わった事だし、
これから、如何するかな?
まずは今夜、泊まる宿を探して、落ち着いてからでも何するか考えるか?」
イケルらとの別れの挨拶を済まし、
ケン達を連れて、街の中心街へとブラブラ歩き始めたシュウが、
そうケンに問い掛ける
「宿を探す前に、ラビ子ちゃん達の着替えや、
日用品を揃えた方が良いんじゃ無いかな?」
「あ~そうだな、宿で風呂に入っても、
着替えが全然無いんじゃ意味が無いからな」
「シュウ様、ケン様、私達は今着ている服を、
洗濯しながら使いますので大丈夫です!」
「その服は長い事、着の身着のままだったっぽいから、
結構、傷んできているだろ?
気に入ってるって言うなら、新しい服を買った後も手直しをして着ても良いから、
取り敢えずは、着まわせる様に何着か買い揃えて置いた方が良いぞ」
「思い出の品とかって言うなら、そのまま保存して置いても良いしね」
「いえ、確かに、この服はパルプンの街から唯一持ち出せた品物ですが、
それ程、思い入れがあるという訳では御座いません
私が、シュウ様方に申し上げたいのは、
通常、自らが所持する奴隷に、何着もの服を買い与える主人は居ないという事です。」
「あ~、そう言う事か、
それだったら心配いらないぞ、前にも言ったけど思うけど、
便宜上、ラビ子たちは俺の奴隷って事にはなっているが、
実際には、旅の仲間であり、今後も色々と手伝って貰う事になるだろうから、
服や日用品は、今後の働きで得られるであろう報酬の前渡しみたいなもんだな」
「そうそう、一緒に快適な旅を続けるには装備も整えなきゃね」
「それは・・・分かりました!
お言葉に甘えさせて頂く事とします。
その代わり、今後はお二人のお役に立てる様、
弟と共に誠心誠意を持って、勤め上げる事をお約束致します!」
「僕も約束する!」
「いや、まあ、そこまで堅苦しく考える事は無いんだが、
ラビ子が、それで良いって言うなら、まあ良いか・・・」
「まあ、もっと気楽に、一緒に楽しく旅を続けようってぐらいで良いと思うよ」
「はい!ありがとう御座います。」
「ありがとう。兄ちゃんたち」
「よし、そうと決まったら、
まずは、買い物の為に軍資金を下ろしてこなきゃな」
「うん、建築業ギルドのカードで、
商業ギルドでも引き下ろせるって聞いたから、
品揃えの良い、お店の情報を仕入れる為にも、そっちに行った方が良いかもね」
「おう!ナイスなアイデアだなケン。」




