表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
8/215

戦闘スタイルの考察

「ところでさ、シュウ兄ィ

あの中に建ってる平屋って、父さんが造る家に似てると思わない?」


「ん? そうか、ケンは小さかったから憶えて無いのも無理ないよな、

あれは、ケンが3歳になるまで住んでた親父が建てた家だよ」


「そうなの?」


「ああ、俺達が大きくなってくると手狭てぜまになりそうだったから、

今の家を建てて引っ越したんだ」


「へ~そうなんだ

どうりで初めて見たはずなのに、何かなつかしい気がしたわけだね」


「ああ、記憶を引っ張り出せないだけで、

心のメモリーには、ちゃんときざまれているのかもな」


「うん、そうだね」


「さて、こいつの呼び名なんだが、

一般的にはアイテムボックスって、生き物は入れられない設定が多いから、

何か別の呼び方を考えた方が良いのかな・・・」


「そうなの?」


「ああ、それにアイテムボックスってのは、

通常つうじょうだと個人が所持しょじするスキルの場合がほとんどだから、

コレの場合は、どちらかと言えば亜空間へとつながる魔導具のあつかいになるんだろうな」


「魔導具って、魔法の道具って事?」


「ああ、その認識で大体合ってるぞ」


「じゃあ『魔導式倉庫』って、どうかな?」


「確かに倉庫の役割も持ってるけど、

木材の加工場とか、住居も付いてるからなぁ・・・」


「じゃあ『魔導式秘密基地』は?」


「う~ん、トラックで移動出来るメリットとか、

亜空間を利用してるってところも、盛り込みたいところだよな」


「移動出来る倉庫や住居か~・・・何か、トレーラーハウスみたいだね」


「おっ、『亜空間トレーラーハウス』ってのは、どうだ?」


「ちょっと名前が長過ぎ無いかな?」


「じゃあ、りゃくして『亜空トレウス』にするか」


「おお~!何かカッコイイひびきだよね」


「じゃあ、これで決定だな」


「うん、僕も『亜空トレウス』で良いと思うよ」


「よし、俺達の本拠地ほんきょちの呼び名も決まったところで、

まずは『亜空トレウス』内の設備の確認をするか」


「賛成!」


2人は、一応いちおうトラックが目立たない様に、

背の高い草がしげっていて街道から見通しづらい場所まで移動させると、

荷台の部分から亜空間へと入って行った。


「シュウ兄ィ、この木材を加工する機械類って電源がつながって無いんだね」

まず、亜空間に入ってぐに目に付いたのは、

右手にある加工場に置かれた機械類なのだが、機械自体は普段使っている見慣れた形でも、

電気やエアを供給きょうきゅうするコードやホースが見当たらなかったのであった。


「ああ、まだ村や街を見て無いんで、

合ってるかどうかは分からんが、この手の異世界ってのは、

魔法があってすごそうなんだが、生活水準せいかつすいじゅんは中世ぐらいの所が多いんだよ、

したがって動力源は電気では無くて、魔力とか自然エネルギーってとこなんだろうな」


「ふ~ん、そうなのか」


「ああ、ためしに何か稼働かどうさせてみろよ」


「うん、分かった。」

ケンは、取りえず一番近くにあった

丸太を2つに出来る程の大きさを持つ円形のノコギリ刃が付いた

機械の稼働かどうスイッチを入れてみる、

すると、ヒュイ~ンという機械音を上げながら機械が動き始めた。


「やっぱりな、俺達の魔力を吸い上げながら稼働する様に出来てるんだよ」


「ふ~ん、機械に触ってても全然魔力を吸われている様な感じがしないって事は、

トラックみたいに、魔力の消費効率が良いって事なのかな?」


「ああ、そういう認識で合っていると思うぞ、

しかし、これで俺達は強力な武器を手に入れられたな」


「え? どういう事?」


「コードレスって事は、自由に持ち運べるって事だろ?

例えば、コレなんかも持ち歩きが出来るって事さ」

シュウは、整理棚に置いてあった工具を手に取って持ち上げて見せた。


「あっ! 釘打ち機!」

シュウが手に取って見せたのは、エアなどの力を利用して木材へ釘を打ちこむ機械であった。


「ああ、こいつを魔獣の頭に押し当ててバスッ!と釘を打ちこめばイチコロだろ?」


「う~ん、確かに攻撃力は高そうなんだけど、

生き物を殺すのは何かヤダな~」


「まあ、地球に帰れば、人の親のケンはそうかも知れないな、

ケンはスキルに剣術(きわみ)がある事だし、

手作りで木刀でも作って敵を無力化させてもらえれば、止めは俺が刺すから良いぜ」


「うん・・・分かったよ、シュウ兄ィ

そう言えば、そんな武器を使わなくたってシュウ兄ィにも、

格闘技全般とか武器使用全般とかいうスキルが有ったんじゃ無かったっけ?」


「ああ、有るには有るんだがケンと違って『(極)』じゃ無いだろ?

って事は、その武術や武器の『(極)』を持ってるヤツには敵わないって事だ

そこで、スキルで不利な俺が敵と対等たいとうに戦うとすれば、

どうすれば良いと思う?」


「う~ん、自分に有利ゆうり状況じょうきょうを作り出せば良いのかな~?」


「ああ、まあ正解ってとこだな、

そして、そういう状況を作り出す為に重要になってくるのが、

歴史物とか戦記物とかで定番ていばんの『敵を良く知る事』ってわけ

この点に関しては、俺はこの手の世界を舞台とした本を読みあさってるから、

大概たいがいの事は分かると思うんだけど、

俺が勝つ為には、相手の意表を突く攻撃が必要になって来るだろ?」


「そうか! そこで敵が見た事無い武器を使う訳か」


「ああ、相手に警戒感けいかいかんいだかせて攻撃を躊躇ためらわせる事が出来るし、

萎縮いしゅくして体の動きが悪くなるかも知れないからな、

ケンだって、相手の攻撃方法が分からないって怖いだろ?」


「うん、確かにそうだね」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ