奴隷登録
「俺的には、そう言う事情があるなら、
ラビ子たちの刑期が明けるまでの間に限って俺達の奴隷にしても良いと思うんだけど、
ケンは、どう思う?」
「僕も、それで良いと思うんだけど、
首都のポルポートの図書館で日本に帰れる方法が分かった時は如何するの?」
「その時は、アナポーの街のポキール神父に頼むとか、
陛下にお願いしても良いんじゃないのか?
それに、俺はケンと違って、どうしても帰らなきゃならない理由とか、
気持ちが無いから、遅れて帰るとか、こっちに永住とかでも良いしな・・・」
「そうだね、僕的にはシュウ兄ィにも帰って欲しいけど、
最終的にはシュウ兄ィの判断を尊重する事にするよ、
そんじゃ、取り敢えずは僕も、
この子達を連れて行く事に賛成って事で良いかな」
「オッケー!そう言う訳で、ラビ子とウサ太は刑期を終えるまでの間、
対面的には俺達の奴隷って事にするのが決まったんで宜しくな!」
「はい!ありがとう御座います。」
「よろしく、お願いします。」
「そんで、その奴隷の契約なんだけど、
やっぱ、奴隷商とかに行って魔法とかで、やって貰わないと駄目なのか?」
「はい、通常だと、そうなんですが、
私達の場合は、まだ売出し前で御主人様が決まって無い状態でしたから、
奴隷商のシカバーネさんが仮の所有者として登録してあったので、
その所有者のシカバーネさんが、お亡くなりになられた為、
所有者が空白の状態となってるんだと思われます。
その場合は、私達の手の甲にある奴隷紋に血を一滴付けて頂き、
ご自身の御名前と、私達を奴隷にすると宣言して頂ければ、
自動的に所有者の更新が行われると聞いた覚えがあります。」
「なる程な、そんじゃ、その方法でやってみるとするか、
登録は、俺の名前にしといても良いか?ケン」
「うん、それで良いと思うよ」
「そんじゃ、やってみるから2人とも手の甲を出してくれるか?」
「「はい。」」
2人が腕を上げて、手の甲の奴隷紋をシュウの方へと差し出したので、
シュウは、八重歯を使って自らの指に小さな傷をつけると、
ポツリと漏り上がって来た血を2人の奴隷紋に付けて、こう宣言した。
「私シュウは、ラビ子、ウサ太の両名を自らの奴隷として認める」
シュウが、そう宣言をすると2人の奴隷紋がピカッと僅かな光を放って、
直ぐに消えた。
「ちゃんと登録が出来た様ですね」
「今のピカッってのが登録出来た合図なのか?
やけに、あっさりと終わるもんなんだな」
「はい、一応は、ちゃんと登録が出来たかどうかを確認する方法があるんですが、
御主人様は、どちらかのギルドカードをお持ちになられて、いらっしゃいますか?」
「おう、建築業ギルドのカードがあるけどよ、
それより、俺の柄じゃないから御主人様ってのはやめてくれないかな、
呼ぶんならシュウって呼んでくれよ」
シュウは、胸のポケットから建築業ギルドのカードを取り出しながら、
ラビ子に、そう告げる
「畏まりました。
では、シュウ様とお呼びさせて頂きます。」
「まあ、それなら良いか、
そんで、カードを出したんだが如何すれば良いんだ?」
「はい、魔力を通して表示の状態にしてから、
備考という欄を御覧になって下さい。」
シュウが、ラビ子が言う様にギルドカードに魔力を通して表示をし、
一番下にある備考欄の場所を見てみると、
確かに所持奴隷としてラビ子とウサ太の名前が記載されていた。
「おお、確かにラビ子たちの名前が載ってるな、
へ~、ギルドカードには、こんな機能も付いているのか、
何気にハイスペックな代物だよな」
「ホントだね、シュウ兄ィ」




