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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
64/215

プロフェッショナルとは・・・

バス!バス!バス!バス! 

夜の静寂しじまに、圧力あつりょくけた空気が破裂はれつするような音がひびく。


「うぎゃ~~!」

いてぇ~~!」

「た、助けてくれぇ~!」

「だ、誰かコイツを抜いてくれ~!」

その音が鳴るたびに、教団幹部きょうだんかんぶらの用心棒ようじんぼうたちが上げる、

野太のぶとい声の悲鳴ひめいが上がった。


「おいおい、俺達の腕を切り落とそうとしていた お前らが、

たかくぎが手足にさったぐらいの事で、なさけない悲鳴を上げるなよな、

まあ、『じゃあ、自分が刺さってみろよ』って言われたら、勿論もちろんの事、ことわるがな」

先程の、音と悲鳴は、シュウが右手につかんだ魔導釘打まどうくぎうちから打ち出される、

5寸釘(約16.5センチのクギ)で手や足を立木たちき石畳いしだたみに、

い止められた用心棒たちが上げたものであった。


シュウがセッセと、ケンが無力化した用心棒たちが逃亡できない様に、

文字通り『クギを刺している』間にも、ケンの躍動やくどうは続いて、

ほんの20分もたないうちに教団幹部らをふくめた全員が、

はりつけけいしょされた。


「口の割には大した事が連中れんちゅうだったな、

えらそうなセリフをほざいていたのに、

ケンの服にさえも剣をかすらせる事が出来なかったじゃねぇかよ。」

全国クラスの見切みきわざを持つケンは、

相手が強敵きょうてきの場合、自らの服をかすらせるほどのギリギリでけてすきを作らせてから、

敵をつのである。


「シュウ兄ィ、それは、この人達が、

僕達が子供だからってめて掛かって来ていたからだよ、

最初から身体強化のスキルとかを使われて居たら、

僕も、もう少し梃子摺てこずってたと思うよ」


「それも、ふくめての連中の実力だろ?

もしケンだったら、相手が子供でも最初から油断ゆだんしたりはしないよな?」


「うん、全国大会とかだと、

僕より年下でもすぐれた使い手が、いっぱい居たからね、

わずかな油断が負けにつながる世界だったから、

どんな相手でもつねに最初から集中してのぞんでいたよ。」


「その心構こころがまえが持てなかった時点じてんで、

この連中がプロフェッショナルじゃ無かったって事さ・・・

さて、そんじゃ俺がここでコイツらが逃げ出さない様に見張ってるから、

ケンは街に戻って、一応商業ギルドのミコチャさんに声を掛けてから、

警備兵とかを呼んで来てくれるか?」


「うん、分かったよシュウ兄ィ、

そんじゃ、ひとっぱしり行って来るね」

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