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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
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異世界ものの定番

「よっしゃ!じゃあ早速さっそくトレントの伐採ばっさいを始めるとするか」


「うん!そうしようシュウ兄ィ」

ラッセン村の住人フツーニを見送った2人は、

村で販売する家具の材料とする為に、森からトレントを切り出す事とした。


「でもシュウ兄ィ、トレントを切り出すのは良いんだけど、

切り出す為の道具とかは、どうするの?

何でかは分からないんだけど、トラックの荷台に乗せてた

僕達の道具箱も消えちゃってるし・・・」


「それは、俺の建築魔法にある『切り出し』ってのが使えると思うぞ、

名前からして、それ以外の用途が思い付かないしな」


「なる程、確かに名前からしてソレっぽいよね、

残念ながら、僕の建築魔法には無いみたいだけれども、

倒れたトレントの運搬うんぱんは手伝えるからまかせてよ!」


「おう!魔法の種類が俺とケンで微妙びみょうに違うのは、

適材適所てきざいてきしょみたいなもんで分かれてるんだろうから気にするなよ、

ほんじゃやってみるから、ケンは倒木・・・いや、倒トレントに巻き込まれ無い様に、

少し離れた所で見てろよ」


「うん、分かった。」


シュウは、ケンが少し離れた所まで下がったのを確認してから、

先程、フツーニの大声に反応していたトレントに向かって建築魔法を発動してみた。

「確かコイツだったよな、よ~し『切り出し!』・・・おっ?

頭の中に、倒す方向を指示するようにって浮かんで来たぞ、

他の木を巻き込まないように、木と木の間に倒れるようにイメージしてから実行っと!」

すると、トレントの根元にスッと横一線のスジが入ったかと思うと、

ゆっくりとトレントがかたむき始めた。

「た~おれ~るぞ~!」

シュウが、お約束のセリフを大声で告げると、

トレントは、シュウのイメージした通りに木々の間にスッポリとまり込む様にして、

ズズ~ン!という地響じひびきと共に倒れ込んだ


「シュウ兄ィ、実際のきこりの人達は『た~おれ~るぞ~』なんて、

言わないって聞いた事があるよ」


「ああ、それは俺も知ってるが何となく言ってみたかったんだよ」


「まあ、安全の為に合図を送る事は、悪い事じゃ無いよね」


「だろ?じゃあ早速、トレント丸太を森から運び出そうぜ」


「えっ!?こんな大きな丸太のままで運び出すの?

ここで、ある程度小さく加工してから運ぶんじゃ無いの?」

ケンは、直径60センチ、長さ30メートルは有りそうな丸太を見ながら、

シュウに、そう問い掛けた。


「ああ、俺達のステータスに身体能力上昇ってのが有ったろ?

多分たぶんだけど、俺達の筋力は地球に居た頃と比べると、

段違いに強化されてるはずだから、

取りえずは、このまま運んでみようぜ」


「ふ~ん、そうなんだ、

分かったよ、持ち上げられるかやってみよう!」


「良し!じゃあ俺は頭の方を持ち上げるから、

ケンは根元の方を上げてくれるか?

タイミングを合わせる様に『いっせ~の、せっ!』で上げる様にするからな」


「うん、了解!」


2人は、それぞれ々の持ち場に付くとシュウの掛け声を合図に、

トレント丸太を持ち上げてみる

「よ~し行くぞ~、いっせ~の「「せっ!」」


「「あれ?」」

トレント丸太は無事に持ち上がったが、何故なぜか2人は首をかしげていた。


「ケン、取り敢えず、一度下に降ろすぞ」


「うん、分かった。」

2人は、一度持ち上げた丸太を元の場所へと降ろした。


「ちょっと、どいててくれるか?」


「うん」


シュウは、ケンが丸太から少し離れたのを確認すると、

今度は丸太の中央部分辺りに移動してから、再び丸太に手を掛ける

「よっ!って・・・軽っ!?」

シュウは、大きな丸太を一人で抱え上げて、

その軽さに驚きの声を上げた。


「シュウ兄ィ、シュウ兄ィ、今度は僕にも持たせて」


「おう、良いぞ」

シュウが、再び丸太を地面に降ろすと、

今度は、ケンが丸太の中央辺りに手を掛けて持ち上げてみた。


「やっぱ、ビックリする程、軽く感じるよね・・・

トレントって、こんなに軽いもんなのかな?」


「俺も最初は、そう思ったんだけど、

自分の足元を見てみろよ、クツが地面にめり込んでるだろ?

トレント丸太が軽いんじゃなくて、

俺達の力が、とんでも無く強くなってんだよ」


「あっ、ホントだ!

確かに僕のクツが、地面にめり込んでるね、

って事は丸太が軽い訳じゃ無いんだ・・・

このぐらいなら僕一人で運んで行けるから、そうしようか?」


「いや、一人だと森から街道に出た所で見通しが利かなくて、

人とか馬車とかに、ぶつかる危険があるから、

さっきみたいに2人で運んだ方が良いだろう」


「うん、分かった。」

2人は、先程の様に丸太の前と後ろの方に分かれて持ち上げると、

森を出てトラックの方へと丸太を運んで行く


「この丸太を加工するには、この場所じゃ狭すぎるから、

トラックに、このまま積んじゃって広い場所を探してから加工するか」


「その方が良さそうだね」


「よ~し、じゃあ積むぞ~、よっこらせっ!」


「「えっ!?」」

2人が驚きの声を上げるのにも無理はなく、

シュウが、トラックの荷台に丸太の先端せんたんを乗せた途端とたん

丸太がシュッと消えてしまったのだ


「シュウ兄ィ、丸太が消えちゃった・・・」


「ああ、消えたな」


「一体、どこに消えちゃったんだろう?」


「俺達のステータスに、お約束の便利スキルが見当たらないと思ったら、

こんな所に付いてたのか」


「えっ?シュウ兄ィ、何が起きたか知ってるの?」


「ああ、このトラックの荷台は異世界ものでは定番の、

アイテムボックス的なもんに成ってるんだよ」

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