地下探索(ちかたんさく)
「そんじゃケン、その下に降りてくっていう階段を出してくれよ」
「うん、良いよシュウ兄ィ、
え~と、建築魔法の基礎を加工するヤツを使えば良いかな?
『基礎開口』と・・・どうかな?」
ケンが建築魔法の呪文を唱えると、
地下室の壁が自動ドアの様に両側へと開いていって、
下方へと続く階段が、その姿を現した。
「うん?下の方まで見える程に明るいな、
地下室みたいに魔導具でも使ってるのかな?」
「違うみたいだよシュウ兄ィ、
ほら、見て見なよ、この階段わきの壁に張り付いた
コケみたいな植物が光を発してるみたいだよ」
ケンが言う様に、シュウが壁を見ると、
確かに壁にビッシリと張り付いているコケの様な植物が、
緑色に発光しているのが見て取れた。
「へ~、なる程な、
地球で言うところのヒカリゴケみたいなもんなのかな?」
「うん、こっちの方が、
かなり明るいけど、そんな様なもんだろうね」
「よし、魔導リュックには一応、
懐中電灯やヘッドランプも入ってるけど、
この明るさなら、ちゃんと足元も見えるみたいだから、
このまま降りてみようぜ」
「うん、行って見よう。」
2人はシュウが先に、そしてケンが後へと続いて、
地下深くへと下って行く階段を降りて行った。
「おおっ!こりゃ凄ぇな・・・」
「うん!シュウ兄ィ、コウヤサン教会の地下に、
こんな壮大な空間があるなんて驚きだよね」
2人が体感で1キロメートル以上はあるであろうと感じられた
幾重にも九十九折りになった階段を降りた先には、
何本もの巨大な鍾乳石の柱に支えられた地下空間が広がっていたのだ、
シュウが見た感じ、その空間は奥行300メートル程、横幅500メートル程で、
巨大な鍾乳石の柱に支えられた天井は高さ30メートルはあると見えた。
巨大なホールの壁には、階段に生息していた様な緑の光を発する苔の他、
その亜種と見られる、青や黄色やピンクに光る苔が蔓延って居り、
その様々な色鮮やかな光に照らし出されたホールを、
神秘的な雰囲気へと演出している、
しかし、この巨大地下ホールという舞台の主役は、
その色鮮やかな光では無く、
ホールを埋め尽くす程に高い場所から下方に向かい扇状に広がる、
白く輝く鍾乳石のテーブル状になった小さな泉たちが作り上げる、
白銀に輝く棚田の様な景観であった。
「こりゃ、何て表現すれば良いのかが思い付かない程に、
美しい景観だな・・・」
「そうだね、この景観を言葉で表現するには無理があるね」
「確か、海外の温泉か何かで、
こんな風景になってる所があったよな?」
「うん、僕もバラエティー番組か何かで見た事があるな、
あそこもテレビの映像で見ただけでも、
吃驚する程に綺麗なとこだったけど、
この地下空間で天然の照明でライトアップされた泉たちは、
その神秘的な雰囲気において越えてるよね」
「ああ、生で見てるってのもあるんだろうけど、
それに付いては俺も同感だな・・・」




