魔導リュック
「兄ちゃん達、次は魔導バックが買える店に案内すれば良いのか?」
商業ギルドから出た所で、ポン吉が聞いて来る
「ああ、商業ギルドのミコチャさんは、
俺達が使いそうな魔導バックは、
『ホッコリー魔導具店』で扱ってるって言ってたから、
そこに案内してくれるか?」
「お願いねポン吉くん」
「ホッコリーのオッチャンの店に案内すれば良いんだね、
うん、分かったよ」
シュウとケンは、ポン吉の案内で、
商業ギルドから100メートル程離れた場所に建つ店へと訪れた。
「ここが、そうだよ」
「おう!サンキュなポン吉、
俺達が買い物している間は、お前どうする?
また、どこかでお茶でも飲んでるなら小遣いをやるぞ?」
「お団子でも食べて待ってる?」
「ううん、今何か食べちゃうとお腹が一杯になっちゃって、
ウチに帰ってから、ご飯が入らなくなっちゃうし、
オッチャンの店には面白い物が色々あるから見て周ってるよ」
「そうか、そんじゃ一緒に行くとするか」
「そうだね」
一行はシュウを先頭にして、
店の入り口の扉を開くと、中へと入って行った。
「ほい、いらっしゃい!」
入り口正面にある店のカウンターには、
ドワーフらしきズングリムックリとした体型の人物が、
椅子に腰を下ろしていて一行を出迎えた。
「オッチャン、お客さんを連れて来たよ!」
「おおポン吉か、それは、ありがとうよ、
お前さん方、ワシがこの店の店主でホッコリーと申す者じゃ、
宜しくのう、
それで、今日は如何いった物をご入用かな?」
「はい、宜しくお願いしますホッコリーさん、
俺達は兄弟で、俺がシュウ、弟はケンって言います。
今日は、商業ギルドのミコチャさんの紹介で、
背中に背負えるタイプの魔導バックで、
魔導リュックってのを買いに来たんですよ」
「2人分で、お願いします。」
「おお、そうかい、
ミコチャの紹介と、ポン吉の案内で来たんじゃサービスせんとな、
魔導リュックなら、あっちの奥の棚に並んでるのがそうじゃぞ、
気に入った大きさや色合いの物を持って来れば、
ワシが空間魔法を付与してやるでな」
「ホッコリーさんが空間魔法を付与するんですか?」
「出来合いのじゃ無いんだね」
「ああ、そうじゃぞ、
ちなみに、あれらのリュックやバックもワシの手作りじゃ」
「えっ!?あれらの品物もホッコリーさんの手作りなんですか!?」
「ドワーフの人達って言うと鍛冶師のイメージだけれども、
他の生産物でも器用なんだね」
「うむ、今、弟さんが言った様に、
我等ドワーフ族は鍛冶職に就く者が多くいるが、
他の生産職に向いて生まれる者も少なからず居るんじゃよ、
ワシの場合は革細工と空間魔法持ちだったから、
この職に就いたという訳じゃな」
「へ~、そうなんですね、
そんじゃ俺達は、これから気に入った物を探させて貰いますけど、
予算的には、どれくらい見て置けば良いんですか?」
「そうだね、余り高い様だったら1個にした方が良いかも知れないもんね」
「リュック本体の方は、大体3千から5千ギルじゃな、
空間魔法の付与は、付与する空間の広さにより30万から100万ギル、
あと、本人しか出し入れ出来ない仕様にするなら、
もう30万ギル追加と言ったところじゃ、
お前さん方はミコチャとポン吉の事もあるから、
合計金額の3割引きで良いぞい」
「ありがとう御座います。
ちなみに、30万ギル分の空間って言うと、
どのぐらいの広さ何でしょうか?」
「そこは重要だよね」
「大体、この店ぐらいの広さじゃな」
「この店ぐらいって言うと30畳ぐらいか、
結構、広いな・・・」
「その空間の高さには制限ってあるんですか?」
「ああ、大体3メートルぐらいじゃな」
「それなら、2人分を合わせれば結構な容量になるな、
広さ的には30万ギルのやつで良いかな?」
「うん、それで良いんじゃない」
「よし!ミコチャさんとポン吉のお蔭で、
思ったよりも安く上がったから、
ポン吉、俺達と同じ魔導リュックを孤児院にも一つ寄付するから、
気に入ったやつを一つ選んで来て良いぞ」
「僕達からのプレゼントだよ」
「ホント!?やった~!
ありがとう兄ちゃん達!」
「おう!」
「どう致しまして」




