続々・商業ギルドにて・・・
「お客様方、大変お待たせを致しまして、
申し訳が御座いませんでした。」
ミコチャと、アナポーの街の特産品や、
名物料理の話などをしながら待っていると、
商業ギルドの受付奥にある別の部屋から、
お盆に乗せられた領収書らしき書類を持った
別の女性職員がやって来た。
「ミコチャ、後はお願いね」
女性が、書類が乗ったお盆をミコチャへと手渡しながら告げる
「はい、チン先輩ありがとう御座います。」
女性職員は、奥の部屋へと引き返していった。
「あの人、チンさんていうのか?」
「中国の人みたいな名前だね」
「ええ、ホントは『チンコスウ』って名前なんだけど、
みんな、あだ名のチン先輩とか、チンさんて呼んでるわね」
「それは、また・・・可哀想な名前だな」
「子供の頃に、イジメられたんじゃないかな・・・」
「あっ、間違えました。
先輩の名前は『チンスコウ』でした。」
「お前の間違いには悪意が感じられるんだよ!」
「一番やっちゃいけない間違えだよね」
「では、こちらが今回のお取引の御領収書となりますので、
金額等に、お間違いが無いかのご確認を頂きましてから、
こちらに2枚御用意してある、お取引完了の同意書の両方にお名前と、
ハンコか拇印をお願いいたします。
1枚は、当ギルドにて保管致しまして、
もう一枚は、お客様の方で大切に保存しておいて下さい。」
「この取引の同意書は、ちゃんとした証明力があるものなのか?」
シュウが、領収書の金額や日付、
取引内容の記載などに間違いが無いかをチェックしながら、
ミコチャに、そう尋ねる
「はい、各国の商業ギルドにて使用されている正式な書類ですので、
どの国に行かれましても通用致しますよ」
「それは、この国の元貴族のお偉いさんとか、
他国の貴族なんかにも通用するって事だな?」
「平民だけにしか通用しないんじゃ意味が無いもんね」
「はい例え、この国の閣僚や官僚の方々や、
他国の大貴族などの方でも意義が唱えられませんね」
「へ~、その辺の事は、ちゃんとしてるんだな」
「そうだね」
「一昔前までは、そういった権力をお持ちの方々の、
横暴な振る舞いなどが罷り通っていたのですが、
マッスル王国のライ国王陛下や、
コウガ王国のサスケ国王陛下方などの、お呼び掛けによって、
そういった振る舞いをなさる方々には、
万国共通で、重い罰が与えられる様になったのです。」
「おお、流石サスケ陛下だな」
「ホントだね」
「では、書類に記載された御内容の方は大丈夫でしたでしょうか?」
「ああ、問題無いみたいだな、
ここに名前と拇印を押せば良いのか?」
「はい、当ギルドへのご登録印が御座いません様でしたら、
拇印をお願いします。」
「オッケー分かった!
・・・・・これで、良いか?」
シュウが、2枚の書類に名前を書いてから、
その名前に少し重なる様にして拇印を押す。
「・・・はい、結構で御座います。
これにて、今回のお取引は無事に御終了致しましたので、
こちらのお取引同意書の、
お客様のお控えの方を大切に保管して下さいませ、
本日は、当ギルドをお使い頂きまして、ありがとう御座いました。」
「おう!こっちも色々と教えて貰ったんで助かったよ」
「ミコチャさん、ありがとう御座いました。」
「どう致しまして、
またの2千万ギルのお越しを、お待ち申し上げて居ります。」
「その一言が余計だって言ってるだろ!」
「ハハハ、また来ますね」
シュウとケンが、コウヤサン教会の土地建物を購入する手続きを終えて、
ポン吉が待つギルド入り口横にある長椅子へと戻ると、
そこには待ち草臥れたのか、
長椅子の上に、気を付けの姿勢で横になったポン吉が、
グウグウと鼻提灯を出しながら眠って居り、
周囲の、お客さん達のクスクス笑いと、生暖かい視線を集めていた。
「ポン吉、待ち草臥れて寝ちゃったみたいだな」
「結構、待たせちゃったからね」
「おいポン吉、終わったぞ、起きろよ」
シュウが、眠り込んでいるポン吉の肩に手を掛けて、
軽く揺すりながら声を掛ける
すると、眠り込んでいたポン吉が突然ガバッ!と、
上半身だけで起き上がると、
「大丈夫、大丈夫、大丈夫・・・」と呟いてから、
またパタリと横になってしまった。
「何が大丈夫なんだ?」
「ポン吉君が、寝惚けてるだけなんじゃ無いのかな?」
「まあ、そうだろうな、
良し、では、こうするか、
ポン吉、早く起きないとご馳走が無くなっちゃうぞ~」
「全部、食べちゃうよ~」
2人は、ポン吉の耳元で、そう囁いて見る
すると・・・
「僕も食べる~!!」
ポン吉は長椅子からガバッ!と起き上がると、
商業ギルド内に居る人達が全員振り向く程の大声で、
そう叫んだ。
「ヤベッ、効き目があり過ぎた。」
「皆さん、お騒がせ致しました~」




