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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
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ステータス

「どう?シュウ兄ィ、僕のステータスも見える様になったかな?」

憲太けんたが、秀太しゅうたにもみずからのステータスを見られる様にと、

念じてから、そうたずねた。


「おう!ちゃんと見られる様になったぞ、

そんじゃ、内容の説明をするぞ」


「うん、頼むよシュウ兄ィ」


「まず、最初の名前にある『ケン』だが、

これは、所謂いわゆるところの異世界ネームってヤツだな」


「『ケンタ』じゃ無いんだね」


「ああ、俺の名前も『シュウ』になってる所を見ると、

何らかの不都合があるんだろうな、

例えば、名前の最後が『タ』になってると縁起が悪いとか」


「なる程」


「街の入り口なんかで、警備の兵士にステータスの確認をされるかも知れないから、

異世界に居る間は『ケン』で通すんだな」


「シュウ兄ィ、ステータスは余り人に見せちゃダメなんじゃないの?」


「ああ、見せる必要がある時は多分・・・ほら、こうすれば良いんだ」


「あっ!?シュウ兄ィのステータスが、名前と年齢と職業だけになったよ!」


「人に見せる様にする時と同様に、見せたい部分だけ出る様に念じれば良いんだよ」


「分かったよ!シュウ兄ィ」


「あとは、スキルの方の説明だが、『身体能力上昇』は体の動きや力が良くなるって事で、

『状態異常無効』は病気になりにくくなるだけじゃ無くて、毒や麻痺にも有効なんだろうな」


「毒キノコなんかを食べてって事?」


「まあ、それもあるが、

恐らく、この世界には地球には居なかったけものが生息してると思うんだ

そして、そいつらは俺達が想像も付かない様な攻撃を仕掛けてくるんだろう

その中に含まれるのが、毒攻撃や麻痺攻撃とかって事だな」


「じゃあ、ある程度は不意を突かれても大丈夫って事なのかな?」


「ああ、毒や麻痺を持ってるヤツは、

最初に、その能力で奇襲を掛けて、

相手を動けなくしてからとどめを刺すってパターンを使うだろうから、

状態異常に掛からなければ、それ程の敵じゃ無いと思うぞ」


「うん、分かった。」


「さて、こっからのスキルは、俺とケンで違いが出て来ているが、

恐らく、地球での経験が影響してるんだろうな」


「そうなの?」


「ああ、子供の頃から色んな格闘技や武術を習って来た俺には、

『格闘技全般』と『武器使用全般』が、

対して剣道一筋でやって来たケンには『剣術(きわみ)』が付いてるだろ」


「剣術の後ろに付いてる『(極)』ってなんなの?」


「恐らく最上級の腕前って事なんだろうな、

長い事、つちかってきた努力は裏切らないって事だろ」


「ふ~ん、でも色んな事が出来るシュウ兄ィの方が、

色んな敵に対応出来るから良いんじゃないの?」


「まあ、大概たいがいの場合は良いんだろうが、

ケンみたいに『(極)』を持ったヤツが出て来たら勝てないだろうな、

俺の場合は、ちょっと凄い器用貧乏ってとこだろ」


「僕は、十分に凄いと思うけどな・・・」


「さて、最後に真打登場しんうちとうじょうってとこだが、

この『建築魔法』ってのは、この世界で俺とケンだけしか持ってない

ユニーク・スキルってヤツだと思うんだ」


「ユニーク・スキル?」


「ああ、ラノベなんかで異世界に渡った主人公達に与えられる特殊能力なんだけど、

主人公の特技とか、巻き込まれた際の状況なんかで内容が変わったりするんだよ」


「僕達は、2人とも大工だいく仕事をしてるから『建築魔法』だったって事?」


「そういう事なんだろうな」


「じゃあ、漫画やアニメなんかにある、

火の玉を飛ばしたり、風の刃を飛ばしたりは出来ないって事か」

ケンが、少し残念そうに言う


「ああ、だけどユニーク・スキルってのは、

大体が、とんでもない能力を秘めたスキルだから、

応用次第では、火魔法や風魔法をもらうよりも役に立つと思うぞ」


「へ~、それは期待が出来そうだね!」


「ああ十分、期待して良いと思うぞ、

そんじゃ『建築魔法』の検証けんしょうだが、

単純に言えば魔法で家が建てられるって事なんだろうな、

ケンの『土木どぼく』と『基礎きそ』で土台どだいを造って、

俺の『切り出し』で取って来た木を、2人の『きざみ』で材木ざいもくにしてから、

かた』で組み上げて、『造作ぞうさく』で仕上げるってとこだろうな」


「シュウ兄ィの『能力付与のうりょくふよ』ってのは?」


「これは、実際に検証してみないと分からないんだが、

俺の想像が合ってるとすれば、俺達が建てる家のミソになる能力だと思うんだ

まあ、それは見てのお楽しみって事だな」


「うん、分かった!

シュウ兄ィの想像通りだと良いね」


「そうだな」


「シュウ兄ィ、最後にある『称号しょうごう』ってヤツだけど、

2人にある『世界を渡る者』ってのと、

僕の『家庭を守りし者』っていうのは分かるんだけれども、

シュウ兄ィの『ネコを救いし者』っていうのはなんなの?」


「うっ、それに気付いてしまったか・・・」


「普通、気付くでしょ」


「それなんだが・・・」

シュウは、ケンに、異世界へと渡る原因となったらしきネコとのエピソードを語った。


「つまり、あの時、シュウ兄ィがネコを助けたいっていのったから、

こっちの世界に来たかも知れないのか・・・」


「悪かったな、変な事に巻き込んじゃったみたいで」


「ううん、シュウ兄ィの責任じゃ無いよ、

さっきの話の中で、シュウ兄ィも言ってたけど、

ネコを救うんなら、ネコの方を安全な場所に移動させてくれれば良いんだもん、

でも、何で僕達の方がばされたんだろう?」


「この場合、2パターンの定番があるんだが、

俺達を跳ばした神らしき存在が、

ウッカリ神ってパターンと、ヒネクレ神ってパターンだな、

前者なら良いんだけど、後者だった場合は地球に帰るのに苦労するかも知れないな・・・」


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